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水曜映画れびゅ~

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毎週水曜日に投稿する映画レビュー記事のまとめです。
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#ドキュメンタリー

【171.水曜映画れびゅ~】"City Hall”~“本当の”聞く力~

"City Hall”は、日本では2021に公開された作品。 2021年のキネマ旬報ベスト・テン(外国映画部門)にて、2位に選出されたドキュメンタリー映画です。 作品情報マーティ・ウォルシュ数年前、映画評論家の町山智弘がラジオとBSの番組で紹介していたのが、本作『ボストン市庁舎』。ボストン市庁舎(日本で言う「市役所」)の姿を淡々と映し出した、4時間超のドキュメンタリーです。 監督は、ドキュメンタリーの“生きる伝説”と言われるフレデリック・ワイズマン。本作を制作したきっか

【163.水曜映画れびゅ~】『WILL』~殺すなら、生きろ~

『WILL』は、今年の2月16日から全国で順次劇場公開されているドキュメンタリー映画。 俳優の東出昌大に1年間密着し、東出が送る狩猟生活の様子を収めた作品です。 作品情報東出昌大の狩猟生活を追う俳優 東出昌大は2020年の不倫スキャンダルにより、生活が一変した。加熱する報道と、それに伴う誹謗中傷、そして離婚…。そうして表舞台からもしばらく身を隠した。 居場所をなくしたように思えた東出だったが、唯一戻れる場所があった。そこは、山だった。それまでライフワークのように楽しんで

【62.水曜映画れびゅ~】『水俣曼荼羅』~6時間超で描く、終わらせてはいけない戦い~

『水俣曼荼羅』は、昨年の11月27日から劇場公開された原一男監督の最新ドキュメンタリー作品です。 作品情報終わらせられない戦い本作は『ゆきゆきて、神軍』(1987)や『れいわ一揆』(2019)で知られる原一男監督の最新作。 ドキュメンタリーの鬼才という異名を持つ原監督が最新作の題材としたのが、水俣裁判。 1956年に初めて確認された水俣病。 その水俣病を患った方々が救済を求めて国や熊本県を相手取った裁判(通称「水俣裁判」)が、長年続けられてきました。 その裁判において

【38.水曜映画れびゅ~】"Exit Through the Gift Shop"~アートとは一体何か?~

神出鬼没のストリート・アーティスト バンクシー。 ストリートはもちろん、時には美術館に、時には紛争地域に現れ、数々の作品を残しています。 つい最近もイギリスに現れ、さらにそのメイキング映像をインスタグラムにて公開して話題になりました。 そんなバンクシーが監督したドキュメンタリー作品をご存じでしょうか? その名も"Exit Through the Gift Shop"。 2010年公開で、アカデミー長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートもされました。 作品情報ストリ