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マッチングアプリで会った子にぼったくりバーに連れて行かれた話(14)
RにLINEを送った翌日。
既読にはなったが、やはり返信はない。
予定ではRと会えなければあのぼったくりの店に行き直接返金交渉をする方針のはずだったが、そうはしていない。
飽きたのだ。
というか冷めたのである。
当時の友人とのLINE履歴を見ると、
冷静に考えて2万や5万稼ぐならサクッと資格取って報奨金もらうほうが手っ取り早いし、会社で高い評価もらって恒久的な給与上げたほうがよっぽど有意義だよなあ。
という発言を最後に、ぼったくりバー関連の話は出なくなっている。
資格の話であったり、ぼったくりバーの話と並行して語り合っていた最近観たアニメの感想のほうが熱く盛り上がり、そのまましばらくは平和な会話が続いている。
結局のところ今回の話は、ただ盛大にぼったくられて、弁護士や警察に相談しただけで、一銭も取り返すことなく風化して終わったということになる。
もっと戦っていくらか取り返したとか僕の行動によりぼったくり集団をお縄にしたとかであれば痛快な話になっただろうが、そんなことはなくただ失敗談ネタとしてその後僕の知り合い何人かに面白おかしく話した程度だ。
一応の後日談として数か月後、マッチングアプリで会う男をターゲットにしている歌舞伎町のぼったくりバー経営者らを逮捕したというニュースが流れ、その映像の中に女性の姿もあったのだが、あれがRだったのかは定かではない。
また、ある友人に話した際には、その人もぼったくりバーの被害に遭った知り合いから話を聞いただかで、支払いから逃げて交番に駆け込んだが店と客の話だからとかで取り合ってもらえず追い出され、交番の外に待機していた店員に捕まったとかの別パターンを教えてもらえた。
僕は直接警察署に行って被害届を書いたが、現地の交番では対応してもらえないらしい。
てことはぼったくり請求をされた際の正解の行動としては、支払うでも交番に駆け込むでもなく、その場で警察に電話ということになるだろうか。
でもその結果来てくれるのは最寄りの交番の人であるなら、やはり詰む気がする。
最適解は逐一メニューの値段を確認することか。
相手がぼったくり目的ではない普通の女性だったら多少金にうるさいという印象は持たれるかもしれないが、ぼったくりバーに連れていかれた経験があると言えば納得してもらえるだろう。
もし次回があるとしたらそうしよう。
しかし、まあこんなことは二度もあるまい。
すべてもう終わった過去の話なのだ。
まったく。
いろんなことが起こるものである。
まあ、悪くない人生だった。
マッチングアプリで会った子にぼったくりバーに連れて行かれた話
~完~