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月利3%の仮想通貨自動運用ツールで計220万借入した話(6)

月利3%とは、1000万入れれば働かずして月30万円手に入るということ。
とはいえ、もちろんそんな資金はない。

僕の生活水準なら月20万でよいので、700万もあれば生活費を引き出しながらでも資産は増える。
だがもちろんそんな資金もない。

安いアパートで節制に暮らして、資産が増えたら徐々に生活水準を上げていくとすると、300万くらいでもよい。
しかし当然そんな資金もありはしない。

いきなりそんな額はないが、少しずつでもそこに金を入れていれば複利で増えるので、ツールは運用資金がない今の段階からでも持っておくに越したことはない。

それに男から聞く話では、借金をしてでもそこに金を投入しておく価値はあるのだ。
消費者金融で借入すると利息は年18%、ツールは月利で3%なので年利36%である。
借入した額で運用して返済ができる。

労働を継続するのであれば、今の生活を切り詰めることなくそのツールを活用できるのだ。
そして借入を完済すれば手元には資金だけが残る。
また借入して運用資金として投入するのもいい。

借金をすることには抵抗があったが、元手ゼロで小さいことをするか元々まとまった資産がある場合を除いて、だいたいの事業は起業の際に借金をする。
それに海外では勝てる見込みがあるなら投資のために銀行から金を借りるというのは極めて一般的なんだとか。

自分で調べてみても確かにその通りで、嘘はない。
借金は一概に悪いことではないのだ。
一部の返す当てもなく自己管理もままならないのに借りる奴が自己破産とかするだけで。

そういうわけで、ツールの購入資金と運用資金の確保の目的で、例の男と即日借りられる消費者金融巡りをすることになった。

日を跨いでしまうと消費者金融から借入しようとした記録がほかの消費者金融から見ることができてしまい審査が通りにくくなるので、同日中に複数社から借りるのがよいらしい。

初めての消費者金融。
同行者がいるのは心強い。

3社で計120万円借りることができ、ツールを購入した。
ツールの値段は覚えていない。
何か色々読んで契約書にサインをして控えももらっていたが、書類も今は手元にはない。

ツールとして渡されたのはUSBスティックである。
最初の登録にはPCが必要だが、そのあとはスマホだけでよいとのこと。

当時はPCを持っていなかったので、ネットカフェでそのUSBスティックを挿した。
中身はPDFファイルのみだったと思う。

本人確認のためにパスポートの顔写真のページとそれを持っている自分の顔が同時に画面に入るように写真を撮って、このメールアドレスに送るようにとの短い内容。

指示内容を控えてネカフェを出て、自宅でアカウント作成など続きの作業を行った。
翌日にメールでツールのURLと振込口座の案内が来た。
それに従って10万円を入れてみる。

翌日、100円と少しが増えていた。
月利3%とは、日利0.1%であるということをここで初めて実感する。
わずか1日で目に見える変化がある。

2週間ほど様子を見て、引出手数料を支払って自分の口座に送金する。
入金したのは10万円なのに、2週間で10万1000円を引き出せた。
たしかに増えて、引き出せる。

これは本物だ。

確信を得た僕は使っていなかったクレジットカード2枚から計100万円をキャッシングし、すべてを運用資金とした。

順調に1日当たり1100~1400円増える。
月利3%以上の、「以上」の部分がかなりうれしい。

勝った。

思えば金に悩まされた人生だった。
思い返す、金さえあればなんとかなったであろう状況の数々。
のうのうと平和に暮らしながらありふれた愚痴をこぼす奴らを蔑む日々。

もう、いいのか。
楽になってもいいんだ。

人生を解決する術を求め続けて、手に入れた。
今までのすべてが報われた。

これからは何も犠牲にしなくていい。
ようやく普通の人間に戻れる。
これで僕の人生は解決だ。

この日以降、僕が金で悩むことはなくなった。



……なんてことになるはずはないのである。

次回、裏カジノですべてを失う話に続く。

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