4年近く同棲していたのに生活リズムの不一致で新婚早々妻と別居した話(11)
現在、妻は実家で暮らしている。
ごろごろしていても食事が出てくる、快適な暮らしをしているようだ。
手厚いフォロー体制のようで何よりです。
僕も僕で一人で悠々自適な独身貴族を謳歌している。
独身ではないが、自由気ままな一人暮らしを満喫しているのだ。
起こされることはもちろん、なんでわかってもらえないんだと悩むこともない。
気になる夫婦仲はというと、むしろ一緒に暮らしていたころよりも円満と言える。
妊婦健診に付き添ったり、帰りに一緒にファミレスでご飯を食べたり、そこで子どもの状態とか子育ての方針とかをあれこれ聞いたり。
基本的に僕は聞いているだけという本来の姿に戻っている。
僕もあれこれ考えず話を聞いていればいいのは楽だし、妻にとっても自己主張せずただ話を聞いてくれる相手は居心地がよいのだろう。
実に平穏である。
よく妊娠期間は下半身を持て余した男が浮気をしがちとか言うのを聞くが、僕にはそんな不誠実な下半身はついていない。
極めて理性的なのだ。
というのもあるが実は僕にはあまり性欲がないのだ。
第一、結婚している状態では不倫はリスクがでかい。
言葉を選ばずに言えば、馬鹿のやることだ。
性欲を抜きにしても、僕は基本的に腰が重いしそもそも人付き合いが苦手なのである。
子どもが欲しいという人生の目標みたいなものが達成間近となっている今となってはもう、わざわざ負荷の高いことをする必要がない。
今後子どもが産まれたらどうなるかはわからないが、ひとまずこの話はここでおしまいだ。
新婚早々別居したけど、なんだかんだすべてがうまくいっている。
根本的な問題は何も解決していないのかもしれない。
早寝早起きの僕には誰かと一緒に生活するなんて難しいし、起こすと怒るという妻の僕に対する誤解は解けていないし、妻は子どもに約束を守らない教育を施すだろう。
あらためて並べてみると本当に何一つ解決していない。
しかし今は平和なのだ。
欲を言えば子どもとの生活を楽しみにしていた部分はあるのだが、そこを何としてでも守ろうと動くことができないのは僕の悪いところとも言えるだろう。
事なかれ主義なのだ。
このままナアナアで進むと悪い結果になる、と明確に危機感を覚えない限り、僕が行動を起こすことはそうない。
守れる保証のない約束はしないのだ。
仮に行動を起こしてなんとか説得して子どもを妻の実家から僕の元へ連れてこられたとして、妻や子に対し僕がご実家以上の環境を提供できる自信があるかというと、否である。
合理的なのだ。
むしろできる限りご実家に置いてもらえればその間に僕はキャリアアップして子どもを迎え入れられる環境を用意できるようになるし、祖父母に必要なものを直接買い与えてもらえれば僕や妻の出費は減る。
そう思うと、子どもと暮らしたいなんてのは僕個人の取るに足らないエゴのように感じてしまう。
そして何より。
今は平和なのだ。
僕が今躍起になって行動を起こす理由はない。
藪をつついて蛇を出すことはない。
寝た子を起こすな、である。
4年近く同棲していたのに生活リズムの不一致で新婚早々妻と別居した話
~完~
(子どもが産まれたら更新するかも)