星の王子様 読書記録 第4節 王子様の出身地
星の王子様の著作権は2005年に切れました。ここは私のフランス語学習の記録であり、読み取った文学を紹介する欲張りな場です。
🌈訳
僕はそういうわけで、2つ目のとても重要なことを学んだ。それは彼の出身の惑星が一軒の家ほどの大きさもないということだった。
それは僕を大変驚かせるほどではなかった。僕は、地球や木星、火星、金星などの、人が名前を与えたような大きな惑星の周辺に、時折あまりにも小さくて光学望遠鏡で見つけるのがたいへん困難な他の数千の星があるのだと言うことを良く知っていた。天文学者が、それらの惑星のうちの一つを見つけて、それに名前として番号をつけた。彼はそれを、例えば、小惑星325と呼ぶ。
🌈単語
✅ainsi このように、そのように、そうすることにより、それに伴い、そうすれば、 そのような、 そういう そういうわけで、したがって、だから
✅astronome 名詞 天文学者
✅astéroïde 男性名詞 小惑星 小遊星 火星と木星の軌道間に散在する直径数キロメートル以下の惑星
✅auxquelles lesquellesが、前置詞à,deと合体したもの。lesquel, lesquels, lesquellesは、前置詞à,deと合体して、au、あるいはauxの接頭辞をつける。疑問代名詞 既述又は後述の人や物などを受けて選択を表す。どちら;どれ;だれ
✅centaines centaine 女性名詞 100倍;100の位
✅dehors 副詞 外に 外で 戸外に 男性名詞 外部 外側 外界 国外
✅découvre découvrirの第一人称現在形 発見する 見つけ出す
✅étonner ・・・をびっくりさせる
✅grande grandの女性形 大きい、背が高い
✅grosses grosの女性形 複数形 形容詞 大きい 太い 厚い
✅mal 副詞 悪く、下手に;不適切に、不十分に 運悪く 具合悪く ゆがんで 間違って; 悪意をもって 意地悪く (体の)具合が悪く、気分が悪く 不道徳に、不正に
✅noms 男性名詞 名、名前、肩書 資格、名分
✅orgine 女性名詞 起源、始まり、出所 由来 出身 生まれ 原因
✅quelquefois 副詞 時折、時々、時には
✅si 副詞 肯定、否定の打消し、古;このように;しかしながら
(強調)これほど、そんなに;とても、たいへん
✅télescope 男性名詞 光学望遠鏡
🌈熟語
✅en dehors 外側に
✅sa planète d'orgine 彼の出身惑星
✅m'étonner (僕が)びっくりする
✅par exemple 例えば
✅quelquefois que + cond.(条件法) = si quelquefois + ind(不定形)
たまたま・・・するようなことがあれば
👻Quelquefois que tu le verrais[Si quelquefois tu le vois [voyais]].
dis-le-lui.
彼に会うようなことがあれば、そのことを彼に言ってください。
✅si + 形容詞、副詞+ que 非常に・・・なので・・・である。・・・なほど・・・である。
🌈語法
✅grande リエゾンするときには語尾のdが[t]と発音される
✅dehors 後続の語とリエゾンしない
✅ainsi 文頭だと、 そういうわけで、したがって、だから、たとえば
前文との接続を強調した言い方で、主に自動詞と共に用いる。
✅si 強調 とても、これほど、そんなに、たいへん
siの後に来るのは、形容詞、副詞のほか動詞句に含まれた名詞などである。
(J'ai si faim! とてもお腹空いた。)
✅si + 形容詞、副詞+ que
主節が肯定のときque以下は直接法または条件法、主説が否定、疑問のときは接続法
🌈文法
✅Ça ne pouvait pas m'étonner beaucoup.
このpouvaitは何だろう。可能とか推量を表すpouvoirである。僕を驚かせることができるくらいのものではなかった、という意味になるだろう。
✅auxquelles
à + le がau
à + lesがauxになるように、
à + lesquellesが結びついてauxquellesになる。
lequell
lequelle
laquell
laquelle
lesquelles
は、àだけではなく、deが前にきても、au,auxに変化する。
意味は、既述または後述の人や物などを受けて選択を表す
どちら;どれ;だれ
だが!ここでは、関係代名詞として使われている
comme la Terre, Jupiter, Mars, Vénus, auxquelles on a donné des noms
は、on(人)が、名前を付けた地球、木星、火星、金星のような
文をつなぐ目的であり、それ自体は共通項として利用されているので、特に意味がないものと扱って差し支えないだろう・・・。先行詞として、様々な惑星を指している。
🌈訳
僕は、王子様がやってきた惑星が、B612の小惑星であるということを信じるに足りるだけの真面目な論拠がある。その小惑星は、1909年、トルコの天文学者によって、光学顕微鏡では一度しか見つけられたことがない。
それから国際天文学会議で彼の発見について大発表が行われた。でも、彼の着ている服のおかげで、誰もそれを信じなかった。大人たちってこういうもの。
幸いにも、B612小惑星の評判のおかげで、トルコの独裁者が人々に、ヨーロッパの衣装を着なければ死刑にするというお触れを出した。その天文学者はとても素晴らしい衣服に身を包んで、1920年に彼の発表をやりなおした。それから今度は、彼の意見が皆に認められた。
🌈単語
✅croire ・・・を本当だと信じる
✅congrès 男性名詞 (外交・学術・政党などの大規模な)会議、大会、学会
✅costume 男性名詞 (ある地方、状況に特有の)服装、衣装 (主に男性用の)スーツ、背広
✅démonstration 女性名詞 証明 証拠 実演宣伝 実演 感情、意志などの表出
✅découverte découvrirの過去分詞 形容詞 むき出しの 発見された
✅dictateur 名詞 独裁者
✅européenne européenの女性形 形容詞 ヨーロッパの
✅élégant 形容詞 優雅な、上品な、洗練された;格調の高い 手際のよい
✅habiller 他動詞 ・・・に衣服を着せる s'habiller 服を着る
✅habit 男性名詞 ((複数で))衣服 (ある職業、活動などに特有の)服装、衣装 燕尾服
✅heuresement 副詞 運よく、都合よく、ありがたいことに、有利に
✅raisons 女性名詞 raisonの複数形 理性 分別 正気 判断力 理由 原因
✅réputation 女性名詞 評判、うわさ 名声、好評
✅imposa imposerの単純過去 第3人称 …を押し付ける ・・・価値を認めさせる ・・・に課税する
🌈熟語
✅à cause de ・・・ ・・・の理由で ・・・のせいで …を考慮して
✅sous peine de mort 死刑のもと
✅un dictateur turc トルコの独裁者
✅dans un habit très élégant とても素晴らしい衣服を着て
✅tout le monde 皆 全ての人
✅imposer à qn qnに強いる
✅dans 衣服 衣服を着ている
👻Je l'aime beaucoup dans cette robe. 私はこのドレスを着ている時の彼女が好きだ。
🌈語法
dictateur 女性形は稀
🌈構文
ne … qui … …しか…ない
✅Cet astéroïde n'a été aperçu qu'une fois au télescope, en 1909, par un astronome turc.
1909年、トルコの天文学者によって、光学顕微鏡では一度しか見つけられたことがない。
🌈訳
僕が小惑星B612についての詳細を物語り、そして僕がその番号を打ち明けたのは、大人たちのせい。大人たちは数字が大好き。あなたが彼らに新しい友達に話をするときは、彼らは本質的なことについては全く触れない。彼らは<彼の声はどんなの?><彼の好きな遊びは?><蝶々の収集をしているの?>なんて、あなたに絶対に言わない。彼らは君にこう尋ねる。<歳はいくつ?><兄弟は何人?><体重は何キロ?><お父さんはどれくらい稼いでいるの?>その時初めて彼らは知人だと考える。もしあなたが大人に<僕は薔薇の繁った煉瓦で、窓にはゼラニウムが置いてあって、屋根にはハトがいる美しい家を見たよ。>というのであれば、彼らはその家をイメージすることができない。こういわなくちゃいけない。<100万フランの家を見たよ。>すると彼らは<なんてすてきなんだろう。>と叫ぶ。
🌈単語
✅belle beauの女性形 美しい 綺麗な 見事な 素晴らしい 気高い
✅briques 女性名詞 煉瓦、煉瓦形のもの
✅cent 形容詞 100の
✅chiffres 男性名詞 数字;数;額 合計 暗号
✅confié confierの過去分詞形 ・・・を任せる 預ける 託ける …に打ち明ける
✅collectionne collectionnerの第一人称 第3人称現在形 …を収集する
✅combien 副詞 どれだけの・・・、どれくらいの・・・
✅connaître ・・・(の顔、名前など)を知っている、見たことがある …と知り合う、近づきになる;面識がある、交際がある、…を良く知っている 男性名詞 認識(行為)、知ること
✅colombes 女性名詞 colombeの複数形 ハト;柱
✅détails 男性名詞détailの複数形 細部 詳細
✅essentiel 形容詞 必須の、不可欠の 極めて重要な、肝要な、主要な、根本的な
✅fenêtre 女性名詞 窓;窓口 のぞき窓 開口部
✅frères 男性名詞 兄弟;兄、弟 親友、仲間、同志
✅gagne gagnerの第1人称 第3人称現在形 金を稼ぐ、 賞を得る
✅géraniums 男性名詞 フウロソウ属 ゼラニウム、テンジクアオイ
✅jeux 男性名詞 jeuの複数形 遊び 気晴らし ゲーム
✅raconté raconterの過去分詞 …を物語る …を描写する
✅roses 女性名詞 roseの複数形 薔薇
✅papillons 男性名詞 papillonの複数形 蝶
✅parviennent parvenirの複数形第3人称 ~に達する、到達する …に届く、着く;(時代を経て)伝わる
✅pèse peserの過去分詞形 peser ・・・だけ重さがある 重い
✅père 男性名詞 父、父親;雄親
✅questionnent questionnerの複数形第3人称(・・・について)質問する;尋問をする
✅quel 形容詞 どんな、どの;何、誰;どれほどの、どれくらいの
✅seulement 副詞 ただ・・・だけ、たった・・・しか、本の…に過ぎない つい・・・、ほんの
✅son 形容詞
✅toit 男性名詞 (家屋の)屋根 (列車、自動車の)屋根、ルーフ
🌈熟語
✅Alors seulement そのときはじめて
🌈語法
✅peser
自動詞 ・・・だけ重さがある 重い 影響力がある
他動詞 …を押す …に重くのしかかる
✅son
形容詞
((所有者が3人称単数のとき、被所有物の性の数に応じて変化する。
したがって男性単数名詞の前でson、女性単数名詞の前でsa、男女複数名詞の前でsesを用いる。ただし母音または無音のhで始まる女性単数名詞の前では、母音衝突を避けるためsaではなくsonを用いてリエゾンする
彼の、彼女の;その
✅cent
母音で始まる名詞の前ではリエゾンするが、数詞の前ではリエゾンしない。
名詞の前につく。複数にはsをつけるが、端数又はmilleを伴うときはsをつけない。
🌈構文
✅Si je vous ai raconté ces détails sur l'astéroïde B 612 et si je vous ai confié son numéro, c'est à cause des grandes personnes.
si ~ et si ~
siの節を反復する場合、2番目の節はque+subj.で置きかえられることが多い。(例:S'il fait beau demain et que j'en aie et si j'en ai] le temps, je sortirai.明日天気がよく時間があれば外出します。
※もし~そしてもし~とは訳さないようだ。
🌈訳
それから、もしあなたが<小さな王子様が存在した証拠、それは彼が容姿端麗であり、微笑んでいて、羊を欲しがったこと。羊を欲しがると、それは人が存在している証拠だ。>と言えば、彼らは不満げに肩をすくめてあなたを子ども扱いする。でも、もしあなたが<彼の出身である惑星は、B612小惑星だった。>と言えば、その時彼らは納得して、そしてあなたに質問をすることなくそっとしておいてくれる。彼らはそんなもん。彼らを恨んじゃいけない。子供たちは、大人たちに対してとても寛大でなければならない。
🌈単語
✅ainsi
✅convaincues convaincreの過去分詞 複数形 …を説得する、説き伏せる、納得させる 英語でいうconvince
✅existé existerの過去分詞 存在する 実在する 現存する
✅hausseront hausserの第3人称複数形 …を上げる、高くする 英語でいうenhanceか
✅indulgents indulgentの複数形 形容詞 寛容な 寛大な;甘い
✅laisseront laisserの複数形第3人称 ~のまま放っておく。~させたままにする。英語でいうleaveとか。
✅preuve 女性名詞 証拠 証明
✅traiteront traiterの第3人称複数形…を遇する、取り扱う 英語でいうtreat
✅tranquille 形容詞 静かな、穏やかな;落ち着いた、平静な
🌈熟語
hausser les épaules (不満、無関心、軽蔑などを示して)肩をすくめる
laisser tranquille そっとしておく、かまわないでおく
comme ça そのように、そんなふうに;このような、そんな
en vouloir 恨みに思う
🌈訳
しかし、もちろん、人生を理解している私たち、私たちは数字を重要視していない。僕はおとぎ話のように、この物語を始めたかった。
僕はこう言いたかった。
<昔 彼と比べて辛うじて大きいくらいの小さな惑星に、小さな王子様が住んでいました。そして、彼は友達を求めていました。>人生を理解するあなた達にとっては、こちらがより本当のことだと感じられただろう。
🌈単語
✅air 1 男性名詞 空気、大気 風 微風 空気の流れ
✅air 2 男性名詞 様子、外観;態度、顔つき
✅aimé aimerの過去分詞形
✅ceux celuiの複数形
✅commencer
・・・を開始する、に着手する
・・・の初めにある、冒頭に来る
✅façon 女性名詞 流儀 仕方、方法
✅fées féeの複数形 女性名詞 妖精、仙女
✅nous moquons :se moquer 代動名詞の1人称複数形 ~をあざける、ばかにする、からかう(代動名詞しかない?)
🌈熟語
se moquer de qn/qc ~をあざける、ばかにする、からかう
à la façon + 形容詞 ・・・ふうに ・・・ふうの
une fois 一度 かつて 昔
avoir l'ais +形容詞[句][de+inf.] ・・・のようである、・・・のように見える
cette histoire à la façon des cettes de fées
cettesは、histoires histoires de féesは、おとぎ話
🌈語法
✅se moquer de qn/qc deがなくても用いられる
✅façon
la façon de・・・する仕方
de[d'une]~+形容詞 ・・・な仕方「方法」で
不定冠詞は省略される傾向にある
suivant, mêmeと共に用いる場合は定冠詞を取る
✅aimer inf(不定形)
…するのが好きだ。~したい
🌈訳
なぜなら、僕は、この本を軽々しく読んでほしくないから。あの思い出を語ると、とてつもない悲しみを感じる。6年前に、既に僕の友達は、羊と共に行ってしまった。僕が彼の絵をここに描こうとしているのは、彼を忘れないため。友達を忘れるのはとても悲しい。全ての人が友人を持っているわけではなかった。そして僕は数字以外には何も興味のない大人のようになる。僕がまた絵具箱と色鉛筆の箱を買ったのは、そのためだ。6歳の時に、中身の見えないボア大蛇と、見えるボア大蛇の絵のほかに、絵を描こうと試みたことは一度もなかったにもかかわらず、この年になって、絵描きを再び始めるのは骨が折れる。
🌈単語
✅boîte 箱 缶 缶詰 郵便ポスト 郵便受け
✅car
接続詞 なぜなら、というのは、その証拠は
✅chagrin 男性名詞 (多く原因のはっきりした)悲しみ、苦しみ、心痛
形容詞 気難しい、陰気な
✅devenir ・・・になる
✅décrire ・・・を描写する、記述する;説明する;語る
✅dur ・・・ 形容詞 硬い、堅い 困難な 骨の折れる
✅essaie ・・・essayer 直接法現在第1人称 第3人称 …しようと試みる、努める
✅encore・・・
✅éprouve ・・・ éprouverの第1に人称現在形 ~を試す、試みる、試験する …を苦しめる、に被害を与える。
感情を 抱く、覚える
✅légère 形容詞 légèrの女性形 軽い
✅remettre 動詞 ・・・を(・・・に)再び置く、返す、戻す
…を思い起こさせる;思い出す。
✅souvenirs 男性名詞 souvenirの複数形 記憶 おもいで
✅tant 非常に、あれほど、そんなに
✅tentatives 女性名詞tentativeの複数形 試み、企て
✅oublier …を忘れる、失念する
🌈熟語
✅tant de 無冠詞名詞 多くの・・・、それほどたくさんの・・・
✅une boîte de couleurs et des crayons
絵具の入った箱とクレヨン(色鉛筆)の入った箱
絵具箱と色鉛筆のケース
✅se remettre à
再び~し始める
✅à l'âge de six ans! 6歳の時
🌈語法
✅car は、parce queよりも因果性が弱い。原因、理由よりも説明、確認を示す場合が多い。また、carがparce queと置換可能の文でも、carによって始まる節が文頭に来ることは無く、必ず後置される。
✅tant
普通は動詞(句)を修飾する。形容詞、副詞の前で用いるのは古い用法で、現在ではsiを用いる。(Elle est si gentille.彼女はとても親切だ。Il court si vite.彼はとても早く走る)ただし、過去分詞の前では両方が用いられる。(une femme tant [si] aimée.)
✅tant de 無冠詞名詞
に関係する属詞形容詞や動詞は一般に名詞の性、数に一致するが、ときに男性単数形をとることもある(例;Tant de précautions semblai(en)t suspect(es).
✅devenir
・・・になる という意味では (属詞とともに)
devenir vieux 老いる
devenir plus malade 病気が重くなる
devenir catholique カトリック信者になる
✅encoreが先頭に来ると、倒置が起きる
✅tentative 普通は不成功、あるいは未成功のものについていう
✅quand これは普通、接続詞で~するときという意味。だけど、ここでは対立の意味だと思う。その意味もある。
🌈訳
僕は、もちろん、出来る限り最も似ている肖像画を描こうとした。でも僕は、全くうまくいかなかった。本当に、一つも彼に似ているものはなかった。僕は少しだけ背丈を間違える。ここにある王子様は大きすぎる。そこの王子様は小さすぎる。僕は彼の衣装の色についても迷う。それから、どうにかこうにか、このように、そして、そのようにと試行錯誤する。僕は結局、もっと重要ないくつかのことについては間違えた。でも、それについては、許してもらわなければならないだろう。僕の友達は、一度も説明をしてくれなかった。彼は多分、僕を彼に似ていると考えていたかもしれない。でも僕は、不幸にも、箱を通して羊を見ることはできない。
僕は多分、ちょっとだけ大人たちと同じなんだろう。僕も年を取ったに違いない。
🌈単語
✅faudra falloirの単純未来 ~が必要だ
✅hésite hésiterの第一人称現在形 迷う ためらう
✅possible 形容詞 可能な、ありうる、考えられる
✅ressemblant 形容詞 そっくりな、生き写しの
✅taille 女性名詞 切ること;切断法;裁断法 身長、背丈
✅tâtonne tâtonnerの第1人称現在形 手探りする 暗中模索する 試行錯誤する
✅tromper ・・・をだます ・・・を裏切る ・・・を欺く
✅va ・・・ 間投詞 さあ、まあ、本当に、まったく
🌈熟語
✅tout à fait 全く、完全に
✅se tromper 間違える、誤る
✅Un dessin va, et l'autre
いずれも
✅à travers qc ・・・を横切って、越えて;通じて;介して
✅comme ci comme ça
どうにかこうにか
まあまあ
✅comme ci et comme ça
このように、あるいはあのように
✅tant bien que mal
どうにかこうにか、かろうじて;まずまず、平凡に
✅il faudra ~ ~しなければならないだろう。
🌈語法
✅possible
le plus, le moins de 複数名詞
の表現では、原則として性数の一致は行わない。
pour courir le moins de risques possible
できる限り危険を冒さないために
✅taille
身長、背丈という意味で用いる時は、発音は[taj]
✅文学 解説
サンテグジュペリは、6歳のころ、絵描きになることをやめて、それ以降は全く絵については学んでこなかった。しかし、王子様と会ってから、再び絵を描こうと考えた。それは、友達である王子様のことを忘れないためだった。そのため、encore=再び、絵具箱と色鉛筆を買った、と書いてある。
✅サンテグジュペリが星の王子様に求めた説明とは
自分が星の王子様の絵をうまく書けないのは、星の王子様が一度も説明してくれなかったからだと言っている。サンテグジュペリは、子供が大人に対しては、うんざりするほどの説明を必要とすると書いていた。
だとしても、サンテグジュペリは、王子様からどのような説明を受けたかったのだろうか。例えば、サンテグジュペリは、自分が中身の見えないボア大蛇を大人に見せて、「それは帽子だ」と答えられたことから、説明を行うために、ボア大蛇の中身を書いて見せた。
あえて考えてみると、恐らくこう言うことだろう。説明とは、「僕の身長は~cmで、僕の体重は~kg。歳は~才。僕の衣装の長さは~」といった説明がなかったのだ。彼は、少なくとも、数字を使って自分の説明をしなかった。彼は自分の正体について、何も言わなかった。だから、サンテグジュペリは、彼の肖像画を描くときに、彼の背丈については、どれくらいだったかと悩んだわけだ。サンテグジュペリも、彼の中身を示す、大人のための説明を求めていたのだ。
✅王子様の存在証明に付いて
<小さな王子様が存在した証拠、それは彼が容姿端麗であり、微笑んでいて、羊を欲しがったこと。羊を欲しがると、それはその人が存在している証拠だ。>と言えば、彼らは不満げに肩をすくめてあなたを子ども扱いする。でも、もしあなたが<彼の出身である惑星は、B612小惑星だった。>と言えば、その時彼らは納得して、そしてあなたに質問をすることなくそっとしておいてくれる。
普通の感覚でいえば、(私も大人なのかもしれないが)、サンテグジュペリの言っていることでは、星の王子様が存在している証拠にはならない。ただのあなたの妄想だと思ってしまう。(もしいるんだったら実際に見せてみろ!と思う。)そして、彼の出身である惑星は、B612小惑星だった、と言えば、彼ら(大人たち)は納得するという。
ここは不思議な文章だった。ここでは、大人たちが具体的な描写よりも、数字の方をいかに信用するか、ということを言っているわけだけれども、どっちも、信じるに足るだけの十分な証拠があるとは言えないだろう。
しかし、デカルトの言う、「われ思う、ゆえにわれあり」という言葉が、一つの存在証明であるとするならば、「われ羊を欲しがる、ゆえにわれあり」と言えなくもない。羊を欲しがっている自分は、確かにそこに存在しているからだ。
とすれば、彼容姿端麗 ゆえに彼あり。彼ほほえむ。ゆえに彼あり。彼羊を欲しがる。ゆえに彼あり、というのは、言えることではないだろうか。もしこれが駄目だと言うのであれば、デカルトの言う真理も危うくなるだろう。
だとしても、大人たちが王子様がB612小惑星出身だったと言えば納得する、というのは、いかに数字好きと言っても、本当に納得するものだろうか?
ここではちょっと考え方を変える必要がある。ここでサンテグジュペリが伝えたかったことは、自分の言うことも含めて、本当に王子様がいたかという証拠になりうるかどうか、ということを言いたかったのではない。彼ら(大人たち)が一体、何を根拠として、その存在を認めているか、ということである。大人たちは、数字ではないものは、うまく想像ができない。想像できないものを、存在があると認めることもできないのは、言うまでもないことだ。大人たちは、数字というものを通して、初めてそのものの存在を認めることができるのである。サンテグジュペリは、大人というのはこういうものだと説いている。私も過去、価値は主観によって決まるという記事を書いたが、価値のないものに付いては、存在を認めないのが人間の普遍的な行為である。数字がどれだけあるか、というのが、大人たちの価値観なのだ。
僕はこういう家を見た!と言う時だって一緒だ。例えばあなたがヨーロッパの旅行に行って、それを日本で友達に紹介するとき、その話を聞いて、友達はその家があることを想像するもの。でも、その家が本当にあるのかということを考えると、もしかしたら僕の虚言に基づくものかもしれない。もしそんな家があるんだったら、実際に見せてみろ!ということになる。でも、今問題としているのはそういうことじゃない。その話を聞いて、その家が本当にあると思えるかどうか。想像できるかどうかということであり、その過程が大切だし、その話を聞いた人は、本当にそういう家があるんだと思うもの。その話を聞いた人は、心の中で、その家の存在を捉えるのである。
これが、こういう王子様がいた!と言って、語り始めた時と、話の方向は全く同じなのである。本当に王子様が存在しているのかどうかということは、ここでは問題になっていないことに注意が必要だ。
人生を理解する私たちは、数字をあまり重要視しなくなると言っている。
これは一体どうしてだろうか。人生を理解すると、どうして数字をあまり重要視しなくなるのだろうか?
もっと想像してみてほしい。数字で物事を判断するというのは、いかにその物事全体が見えていないかということを。
例えば、テストで90点を取った人がいる。10点は間違えた。90点を取った人は2人だった。数字で物事を判断する人は、その二人の人を同じ90点の人だと思い、同じレベルの人だと思う。
だが、間違えたところが全然違っていたらどうだろう。テストを受ける二人の人生は、同じ90点でも全然違うもの。
だけど、上から僕たちを見ている大人たちは、同じ90点として僕たちを見る。90点で、僕たちを全てわかった気になる。同じ内容でも、もっと別の範囲のテストを受けさせれば、40点の人が90点をとるかもしれないのに。そして、90点を取れた人が、40点をとるかもしれないのに。
一言で言えば、氷山の一角で、僕たちの全てがわかった気になっているのだ。でもサンテグジュペリは違う。氷山ならば、氷山の全てを描写して、それを語ろうとする。素敵な家の様子をあれやこれやと語ったように。家がいくらの家か、ではないのだ。大人たちは、100万フランの家が、どれだけ違う様相を持っていたとしても、100万フランの家を、100万フランの家、つまり、同じ家だと考えるのだ。
B612小惑星だった、と言えば彼らは本当に王子様がいたことを信じるかどうかはわからない。でもそれは今は問題じゃない。本当に存在していたかどうかではなく、彼らが何を根拠にその存在を認定する人間なのか、ということを説いている。それだけ数字の方を信用する奴らだと言うことを言いたいのである。
✅どうやってサンテグジュペリはB612が王子様が来た星だとわかった?
<僕は、王子様がやってきた惑星が、B612の小惑星であるということを信じるに足りるだけの真面目な論拠がある。>
と語り、トルコの天文学者の例を挙げている。
でも、これはさほどの証拠にはならない。ただ、トルコの天文学者がたまたま小さな惑星を見つけたというだけで、王子様の出身惑星である根拠なんてどこにもないはずだ。
ところが、それは問題ではない。大人たちは、その惑星を見つけた時、トルコの天文学者が着ている服でその真偽を判断した。そして、ヨーロッパの立派な服に着替えて同じことを発表したら、今度は大人たちは、その人の言うことを信じた。
つまり、中身ではなく、外観でその人を信じる、というところも、大人の特徴だと考えているのだ。これは、今までの話とリンクしている。
B612号は、立派な服を着ている人によって説明されたからこそ、その存在が認められた。ところが、B612号は、大人たちが認めようが認めまいが、そこにあるのだ。彼らは数字と、そして天文学者の外観を根拠に、その存在を認めたのである。
それは、私たちが星の王子様の存在を認める時と全く同じ。問題は、B612号の星から本当に王子様がやってきた。そこが王子様の出身惑星だった!という確かなことなんてどうでもいいということだ。王子様のいるところは、本質を見ない大人たちが見ているものなのだから!本質を見ない大人たちが、価値を置いていないところに、星の王子様はいるのだから!だから、そこが王子様の出身地になる!
ただ、これだけは確かなこと。王子様は、他の惑星から来た。地球の外から来た。大人たちが価値を置いていない、本質を見なかったその惑星こそが、王子様の出身地となるのだと。(つまり、そういう星であれば、別の星でも王子様の出身地となりうる。僕たちは、確実な、ただ一つの出身地を求めてしまうもの。でも、そう考えるのは正しくない。それだと、王子様の正体を理解できない。具体的な星が王子様の出身地じゃないと、理解できないのは、今は仕方が無いかもしれない。)
✅なぜなら、僕は、この本を軽々しく読んでほしくないから。
軽々しく読む、というのは、表面ばかりを捉えるような読み方をしてほしくはないということ。このことは今まで何度も言ってきたこと。
✅Tout le monde n'a pas eu un ami.
部分否定?全部否定?
英語だと、部分否定にするならば、No all men have a friend.だ。
全体否定にするならば、All men don't have a friendだ。
自分はallとnotの意味を持つ、tout le mondeと、neがあることで、部分否定がよぎる頭を持っていた。だから、全ての人が友達を持っているわけではなかった、と訳したくなったし、手持ちの訳文にもそのように書いてあった。
でも、かなりの違和感を感じた。一応Chatgptに尋ねてみると、Tout le monde n'a pas eu un ami. 和訳すると、それなら、"Tout le monde n'a pas eu un ami"の和訳は、「全ての人が友人を持っていない」となります。答えてきた。
やっぱり自分の感覚の方が正しかったんじゃないかなと思う。
特に、この物語は、「友達」というものを重要なテーマにしている。友達を語る者、星の王子様を読んでからいいたまえ!と言いたくなるくらい、この物語の中心的なメッセージになっている。
私の解釈によれば、友達というものをしっかりと理解した場合、友達を一人も持っていないという解釈が成り立つ。そのことからしても、全ての人が友人を持っているわけではなかった、という部分否定だと、それなりに友達を持っている人はいる、ということになり、私の理解と齟齬が生じるのである。
友達とは何か・・・。それを解き明かすには、この物語を深く読むことが大切だ。