金曜日の駆け引き
「ねえ、社内だったら誰と付き合える?」
「そうだな。伊藤さんと加藤さんと、お前もありかな。そっちは?」
「うーん。竹中くんと、鈴木くんと、君かな」
「へえ、じゃあ俺ら付き合えるんだ」
「そうね」
「明日は何するの?」
「明日は、むこうの予定次第かな」
「そっか。今日はまだ大丈夫?」
「うん」
「じゃあ少し歩こうか」
「手、繋いでもいい?」
「会社近くはまずいでしょ」
「じゃあどこならいいの?」
「まあ、そうか。ていうか、本当に帰るの?」
「帰る」
「・・・。あ、それは卑怯」
「なんで?」
「いや、キスはさ・・・帰るって言ったくせに」
「嫌だった?」
「そんなことないけど」
「タクシー拾おう」
「ウチくる?」
「ううん。途中で降りる」
「なんだよそれ」
「手、繋いで」
「やれやれ」
僕は37歳のサラリーマンです。こらからnoteで小説を投稿していこうと考えています。 小説のテーマは音楽やスポーツや恋愛など様々ですが、自分が育った東京の城南地区(主に東横線や田園都市線沿い) を舞台に、2000年代に青春を過ごした同世代の人達に向けたものを書いていくつもりです。