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【クオトミーが切り開く医療DXの未来 #01】外科系医師の視点から考える改革の意義

こんにちは。株式会社クオトミー代表取締役の大谷です。

私たちクオトミーは"医療従事者を取り巻く労働環境の改善"をスマート手術台帳「OpeOne」で実現するため、日々「医療×DX」というマーケットに挑戦するスタートアップ企業です。
インフラ業界の中でも医療業界はまだまだデジタル化の進みが遅い分野にはなりますが、その分これからの伸び率にも期待できます。
私自身、バックグラウンドが整形外科系医師のため、DXの必要性は強く感じており、クオトミーがそれを推進する役割になれるとも強く思っております。

今回は"今の医療業界に挑戦する面白さ"をお伝えし、将来の弊社メンバーになるかもしれない方に少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。




医療業界の社会的重要性

クオトミーは、医療業界という社会にとって非常に重要かつ希少価値の高い医療従事者の労働環境を改善する新たなサービスを提供しています。
医療は単に人々の生活を支えるだけでなく、命を救い、健康を維持するために欠かせないインフラです。
すべての人は、産まれてから亡くなるまでに絶対に1度は医療に関わる機会がある領域で、その影響範囲や重要性は非常に大きいです。

特に現在の日本は医療の恩恵を受けることができる環境が整っており、普段ありがたみを感じることは少ないかもしれませんが、皆さんの今の健康には医療が深く関与しています。
例えば日本では妊娠や出産時のリスクを管理する医療サービスが充実しており、先進国の中で妊産婦死亡率が最も低い国の1つ、かつ周産期死亡率に至っては最も低いです。(参考:公益社団法人日本産婦人科医会「【第1回】1.我が国の周産期医療の現状」)
また、救急医療や外科手術も発展しており、2022年時点で日本国内のAEDの設置はおよそ67万台以上と言われ、これまで7,656人の命がAEDによって救われています。(参考:公益財団法人 日本AED財団「AED の普及と市民による救命:20 年の歩み」)
さらに、外科治療に至っては、がん治療や心臓手術など、難易度の高い治療でも対応できる医師が国内に複数存在していることや、雇用者の定期検診が労働安全衛生法により義務化されていることから、早期に治療が行われ、具体的な数としては公になっていないものの、多くの命が救われていることは明らかです。

これほど多くの人命に直接的な影響を与える業界は、他にはあまり存在しません。
その医療業界を支える医療従事者の方々は非常に高い専門性をもっていて希少価値が高い人材です。
外科系医師に至っては最低でも10〜15年の教育と訓練が必要と言われており、他の多くの業界と比べても非常に長い期間のトレーニング期間を経て、患者さんの診断や外科系医療を行っています。

私も外科系診療科出身のため、外科系医療後に目に見えて患者さんの容態が良くなっていく医療を提供することに誇りがありましたし、社会的な意義のある仕事だと心から感じていました。
しかし、今こうしてクオトミーを起業し医療従事者向けのシステム開発を行っていると、医師として一人の患者さんに向き合うことと同じくらい、医療業界全体にインパクトを残す事業開発が面白いと感じるようになり、日々試行錯誤しております。

医療業界×DX/AIのポテンシャル

日本の医療業界は、他の業界と比べるとデジタル化の進みが非常に遅く、他業界に比べるとDXやAIもまだまだ進んでいません。
理由は患者さんの医療情報を扱う規制の観点やそもそも院内で使われているシステムが非常にレガシーであることなど様々ですが、他の先進国が行政主導でDXに取り組む中、日本では医療従事者の倫理観や献身性に頼りきりで、DXで生産性を高めようという動きは少なかったのです。

- 医療DX/AI市場の成長

しかし、昨今クオトミーが取り組む医療DX/AI市場は、今後大きな成長が見込まれています。医療領域における世界のAI市場は、2027年までに年平均成長率(CAGR)42.2%で成長見込み。(参考:Fortune Business Insights「2029年までに医療AI市場は1641億ドル相当へ」)
また、日本国内でも2023年から2032年までの医療診断におけるAI市場はCAGR 19.17%の成長が予測されており、これは日本の他の産業と比較しても非常に高い成長率です。(参考:Report Ocean株式会社「日本医療診断におけるAI市場規模、シェア、競争環境、動向分析レポート」)
成長が期待される産業には、様々なステークホルダーから投資が集まるという特徴がありますが、まさに医療DX/AI領域には政府やGoogle、Apple、Microsoftのようなビッグテック企業からの投資が2020年ごろから目立つようになりました。
2020年ダボス会議でのGoogle CEOスンダー・ピチャイ氏の言葉を借りると「医療分野は今後5、10年でAIの活用によるポテンシャルが最も大きな分野」ですし、国内でも2022年に政府が医療DXを通じた医療サービスの効率化・質の向上を実現するため「医療DX推進本部」を設置しました。

デジタル化により創造される国内の医療データ活用市場は高成長が見込まれ、事業会社とデータ分析会社との提携が活発化していることや、「医師の診断・治療支援」や「医療機関の運営効率化」に貢献するソリューションが求められています。
クオトミーが開発・提供するサービスの市場や需要が大きいことが分かります。

国内における医療データ活用(参考:みずほ銀行「日本産業の中期見通し2022」)

- 医療の働き方改革という環境変化

別の観点になりますが、医師の残業時間に上限を設ける制度が2024年4月から整い、これまでのように医師の献身性ありきでの医療システム維持は難しくなりました。
これまでのレガシーシステムでなんとかやってきた医療業界も、DXを進めないと存続することすら危ぶまれるという状況に陥っているのです。
現状の働き方改革の解決策としてはタスクシフトやタスクシェアなど、他職種に医師の業務を(多くはアナログのまま)引き継ぐことや、勤怠管理を強化する程度の、施策しかおこなわれていないのが実情です。
対してクオトミーのソリューションは、DX/AIを通して業務量を減らすためのものであり、より本質的なアプローチが可能となります。
医師の働き方改革という環境変化は、クオトミーにとって非常に良い機会となっています。

医療市場における競合の少なさとクオトミーの優位性

また、医療市場の中でも特に外科系医療領域においては、競合が少ない現状があります。その根本的な理由として、外科系医師たちの業務を解像度高く理解しているソフトウェア事業会社が不在だからです。
外科系医師たちは外科系医療や手技などの治療がコア業務であるにもかかわらず、多くの時間をノンコア業務に費やしています。このようなノンコア業務の実態を理解している医療情報システム会社は存在するでしょうか。

また、既存の医療機関向けシステムの大手ベンダーは、複雑な医療基盤システムをオンプレミス型で構築しているので、クラウド型のDX/AIソフトウェアにリソースを割けないという、イノベーションのジレンマがあります。

対して、クオトミーは、外科系医師を取り巻く環境をクラウド型のDX/AIで推進するという、他社が手を出しづらい領域で事業を展開することで、競合が生まれにくい環境を作り出しています。現在の外科系医療領域の主流サービスとしては手術・手技を支援するようなロボット技術やAI技術がありますが、クオトミーは外科系医師のノンコア業務をDX/AIソリューションで効率化するという世界的にもユニークなポジションにいます。

最後に

クオトミーは、成長が期待される医療DX/AI市場で独自のポジションを確立している自負がありますが、外科系医療業界全体を良くしたいという大きなゴールを達成するには、現状はスタート地点にも立てているか不安な状況です。
医療DXを通じて持続可能な医療提供体制を構築し、社会課題の解決に貢献していくためには一緒に挑戦してくれる仲間が必要です。
クオトミーは創業2017年12月と設立からは時間が経っていますが、私の医師との2足のわらじフェーズを脱し、今が第2創業期と考えています。10名ほどのチームで”ほぼ創業メンバー”として活躍してくださる仲間を募集しています。
ぜひ成長産業での挑戦に興味を持っている方は、気軽にご連絡いただけると嬉しいです。

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※クオトミーの魅力について、全3回にわたって記載しております。
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