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【クオトミーが切り開く医療DXの未来 #03】医師の労働環境改善のため辿り着いた答え
こんにちは、株式会社クオトミー代表取締役の大谷です。
私たちは、医療従事者の労働環境を根本から改善することを目指して、スマート手術台帳「OpeOne」を開発し、日々「医療×DX/AI」という市場に挑戦しているスタートアップ企業です。
医療業界に対して、漠然としたイメージを持っている方や、クオトミーのサービスがどのように医療業界や社会に貢献するのかイメージが湧かないという方もいらっしゃるかと思います。
そこで今回は、私たちがどのようなサービスを提供し、どのように医療業界に価値を提供しているのかをお伝えしたいと思います。
OpeOneとは?
「OpeOne」は、これまで特定の場所でしか確認できなかった外科系診療チームが持つ「外科系医療に関するノンコア業務フロー」をデジタル化し、外科系医療に関わる医療従事者の業務を効率化するソリューションです。
外科系医療領域のVertical SaaSとして、徹底的に医療機関のニーズに寄り添った開発を行っています。現在、全国の医療機関からお問い合わせをいただいており、各医療機関での業務フロー改善に貢献しています。
従来の外科系医療業務の課題
外科系医師は患者さんと手術の方針を決めてから実際に手術室に申込みを行うまでに、非常に多くの業務があります。
また、手術は一人で行うことができないチーム医療であることや、患者さん個々の手術プラン/アプローチを検討する必要があることで、チームの中で検討・方針の承認プロセスがあることも特徴です。
これらの業務が対面かつアナログでおこなわれており、外科系医療者の時間外労働を増やす大きな要因となっていました。
その結果、手術というコア業務に専念できない外科系医師が多く、手術室運営の最適化の難易度が上がっている状況に陥っています。
「OpeOne」が提供するソリューション
「OpeOne」は、こうした課題を解決するために開発されました。
これまでアナログで行われていた外科系医療のノンコア業務フローをデジタル化し、効率的に管理できるシステムを提供しています。
これにより、これまで特定の場所でしか確認できなかった情報を、医師や医療スタッフがどこにいてもスマートフォンやPCで確認・操作することが可能になりました。
また、クラウド型ソリューションであるためのメリットがあります。非同期で情報を共有できるため、これまで医師同士が対面で時間を合わせてきた情報伝達の補法を効率化できる。アップデートされた情報にアクセスできる場所があることで、これまで医師が多くの医療従事者に口頭やメモなどのアナログ手法でつたえてきたことが一括管理できる。
医師やスタッフが本来の医療行為に集中でき、結果として外科系医療の質と安全性が向上し、医療機関全体の収益改善にもつながると考えています。
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なぜ「OpeOne」を開発したのか?
私たちが「OpeOne」を開発することになった背景には、医療業界が抱える深刻な課題があります。
日本の医療制度は国民皆保険制度のもとにありますが、物価高騰や医療費削減の影響で多くの医療機関が赤字経営に陥っている現状があります。現在では医療機関の25%が赤字経営に陥っており、約1万の医療機関がさらに経営困難に陥ると見込まれています。
これらの医療機関が破綻してしまえば、限られた地域や経済的に余裕のある人しか医療を受けられなくなる可能性があります。(参考:「全国保険医団体連合会」医療法人の25%が赤字―報酬引き下げで約1万医療機関がさらに経営困難に)
医療従事者が心身ともに健康で働ける環境を整えることは、持続可能な医療を実現する上で非常に重要です。
しかし、現在の日本の医療現場では、医師をはじめとする医療従事者が長時間労働を強いられ、プライベートを犠牲にしながら働くことが常態化しています。
特に外科系診療科では、身体的にも心理的にも負荷がかかり、緊急性のあることも多く、外科系医療を支える医療者の労働環境整備が緊迫した課題です。
医療機関経営にとってOpeOneの価値
手術による診療報酬は医療機関の中でも特に重要な収益源です。
「OpeOne」は、手術室部門の稼働率を向上させ、医師が効率的にコア業務に時間を使える環境を整えることを実現させます。
OpeOneは、外科系診療科の手術枠状況をリアルタイムで可視化することができます。
OpeOneには「スマート手術台帳」というタグネームをつけていますが、単に手術台帳をデジタル化したわけではありません。手術枠や手術メンバーを探すことが容易に、手術プランをチームメンバーに共有が容易に、医師から各部署への伝達が容易になるので、スマートにどんどん手術枠を活用しやすくなります。
手術枠の稼働向上が医療機関にとっては手術診療報酬としての利益になりますので、医療者の業務効率化だけではなく収益増加を提供できるソリューションとなります。
医療機関の経営状況がよくなることで、持続性のある地域医療へ繋がります。
医療資源と患者さんへのメリット
外科系医療者がノンコア業務から解放され、手術枠を最適に活用できるとなると、医療資源が潤沢になります。
患者さん視点で考えると、自分または家族が手術が必要と判断されたとき、「(医療資源が緊迫している状態のため)半年後にならないと手術が受けられない。」と言われたら絶望しますよね。
OpeOneを導入している医療機関では、患者さんが最適なタイミングで専門性の高い手術・手技を受けることができる。その後の流れもスムーズになり、適切なタイミングでリハビリテーション施設や介護施設または自宅へと退院することが可能になる。
結果的に患者さんの満足度向上にも貢献します。
クオトミーが目指す未来
「OpeOne」は、医療従事者の働き方を変え、医療機関の経営を改善するだけでなく、医療の質を向上させうるソリューションです。
私たちは、日本の医療者が抱えている課題に対してソリューションを提供し、誰もが安心して医療を受けられる社会を実現したいと考えています。
今後「OpeOne」を通じて、さまざまな外科系診療科にソリューションを展開し、医療機関や外科系医療に関わる多くのステークホルダーの方々にとって必要不可欠なプロダクトとしての価値提供を目指しています。
クオトミーは「OpeOne」を通じて医療従事者に寄り添い、患者さんの安心を支えるためのソリューションを提供し続けます。
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