やりたいことを見つけても幸せになれないのは、自転車の後輪だけで走ろうとしてるから
こんにちは。
人がありのままに生きていくためのお手伝いをしています、五十嵐です。
今日は「やりたいこと」と「幸せ」の関係について書いてみます。
「やりたいこと」という呪縛
僕らはずーっと、「早くやりたいことを見つけなさい」と言われ続けてきました。
「見つけなきゃ見つけなきゃ」となるほど、逆に今の環境でできること、今の状況で考えられる最善のものをなんとかひねり出します。
で、「これがおれのやりたかったことだったんだーー!!」と、その瞬間は一種の高揚感を得て、ハイになって、自己肯定感すら覚えます。
その状態は、気持ちいいですよね。
以前、とある有名企業で新規事業をやってる方が「これが自分の進むべき道なんだと、ある意味自分を思い込ませている」とおっしゃっていた(当時)のですが、まさにそういう状況です。
「これがおれのやりたいことなんだ!」と言い聞かせて、納得させて、思い込んで、それで安心感を得ているだけの人って、実は多いんです。
そういうときって、「やりたいこと」という事柄に自分を合わせに行っていて、いわば自分ではない自分が「これやりたい」と言っている。
もっと言えば「やりたいことを見つけている自分でいる」ことがゴールになってしまっているんです。
そんな張りぼての「やりたいこと」をこしらえても、幸せにはなれませんよね。
これが、「自転車の後輪だけで走っている」状態です。
自転車には前輪と後輪がある
「前輪と後輪」。ものすごく当たり前のことを書きましたが、ありますよね、ふたつ。両方が噛み合って回っていかないと、自転車は前に進めません。
人も同じです。
前輪は「Being」、後輪は「Doing」です。
「Being」は自分の在りたい姿。Purpose(存在意義)にもとづいた状態。
「Doing」は自分がやることであり、行動。Goal(目標)を見据えたものです。
前輪(Being)が自分が進む方向性を決めます。そのときに、運転している自分はしっかりとハンドルを握り、前輪(Being)と共にいます。
それに自然とついてくるのが後輪(Doing)なのです。
後輪(Doing)だけでは、方向性は決められないのです。
「Goal(目標)」は「Purpose(存在意義)」がないと成り立たないのです。
とても単純ですよね。
だから後輪(Doing)だけで走ろうとしても、自分の人生は動き出していかないのです。結果として、それでは幸せにはなれないのです。
「WHYから始めよ!」
それって実は「これ、めっちゃいいじゃん!と思って世の中に出したモノが売れるわけではない理由」と同じです。
サイモン・シネックの「ゴールデンサークル」、ご存じでしょうか?
彼がTEDでプレゼンしていた内容を以下に抜粋してみました。
Apple社の例を参考に、本当に相手に響く伝え方を説明しています。
「まずはWHYから」なんです。
方法論(How)や何をするのか(What)は、その後なんです。
つまり「Doingの前にBeingが必要だ」ということです。
僕自身も会社員時代に新規事業の企画を長いことやっていましたが、「どんな技術を使うのか(How)」「何の製品を出すのか(What)」がもうほぼ固まってしまっていて、その上で「Whyを考えろ」「Whyを修正しろ」と言われても、そもそも順番が違うので「イイ感じのもの」は生まれたとしても「本当に良いもの」は生まれません。いわゆる「イノベーション」は絶対に生まれません。
それと同じですね。
気持ちよくサイクリングするために
BeingとDoing、この人生における前輪と後輪の両方を、あなたの自転車に装着していきましょう。
それこそが、あなた自身が本当の意味で幸せな人生を送っていくため(楽しいサイクリングをするため)の第一歩になるからです。
自分のBeingがわからない、Doingも本当にこれでいいのかわからない、という方も多いと思います。
そうなんです。
だからみんな、「本当に自分がやりたいことを見つけることは難しい」と言ってるんです。
おそらく今わからないのであれば、一人でそれを見つけるのは無理に近いことだと思います。これは別に能力とかの話ではなく、冒頭で説明したように僕らは「やりたいこと」の呪縛を知らないうちに身にまとってしまっていたからです。
だから僕はコーチという道を選んだんです。
自分もめちゃくちゃそうでした。やりたいことばかりを考えて、自分のBeingなんて考えもしませんでした。とほほ。
目の前の人が悔いのない人生を送らないために。人生を心の底から楽しめるように。そんな人が一人でも増えてくれたらこれほど嬉しいことはないと思っています。
〇 おまけ 〇
サイモン・シネックのゴールデン・サークル。
見たことのない方はぜひ一度このTEDの動画を見てみて下さいね。
「WHYから始めよ!」なんて本も出ていますよ。
ではでは。