自主トレの罠。上手くならない練習
練習で上手いが試合で上手くない選手
よくある悩みとして、トレーニングでは上手くボールを触れる・対人で逆がつける・パスやシュートがうまくいく・守備でボールが奪える、が、試合になると全く良さが出せずに終始消えてしまう選手がいます。
なぜでしょうか。サッカーという競技の本質から外れたプレーを練習していないですか?
ゴールや攻撃方向を設定していない攻撃練習。相手を想定しないドリブル練習。簡単にボールが取れる守備練習。ターゲットの無い闇雲なキック練習。などなど、例を挙げればキリがないですが、とりあえずで練習をするという選手は時間を浪費している可能性が高いです。
また、試合をしている選手の表情はどうでしょうか?とにかくうまい子と同じピッチで、飛び級させて、大きくて強い子と同じところに居たい。そういった選手は多いです。本当にそれはその子にとって有意義な試合になるでしょうか。実際に今目の前でプレーしている選手は強度に押し潰されてナーバスな気持ちでゲームをしていないですか?ゲームを動かし、スコアを動かし、サッカーを楽しんでいるのは誰でしょうか。適正強度を選択し、子供自身がプレッシャーの中で楽しむ、選択肢や判断を持てる、サッカーのかけひきを楽しめる。イキイキとサッカーに夢中になれる環境やメンタルを整えてあげる必要があります。試合で持っているものをトライできない明らかなミスマッチ環境は子供の為にはならないので、指導者や保護者のレベル調整や環境選択が、選手の実力発揮や上達に関して密接に関係してきます。
練習内容やメンタル、レベルを例に挙げましたが、どのように普段トレーニングに取り組めば試合でパフォーマンスが発揮できるでしょうか。
今回は練習の為の練習になるな🙅♂️
ゲームで活かす為のトレーニング🙆♂️を考えます
努力の中身
とにかく長い時間闇雲に練習する、練習した時間が上達に比例していると勘違いしている選手が多く感じます。発育発達に伴い、パワーやスピードが上がるのは子供として当然であり、とにかくボールを蹴り続ければ、遠くに強いボールをただ蹴るだけであればキックも上達するでしょう。公園や様々なところで練習しているサッカー少年達、止まっている目の前に置いたボールを順番に並んでひたすらフリーキックを練習している風景をよく見ます。
サッカーという競技を考えた際、上記のような時間の使い方や反復で本当に上手くなるでしょうか。
ピッチがあり、ゴールがあり、相手や仲間がいる中で常に状況が動くスポーツがサッカーであり、試合状況に応じてスコアが動き・残り時間に応じて対応を変えなければならない。常に変化する状況を見極めながら、自ら判断決断し、プレーするスポーツであるということ。
ただ、今回のテーマである自主トレはあくまで一人です。どのようにして自主トレをサッカーに近づけるか、努力を試合に結びつけるのか。考えていきましょう。
自主トレ指標(取組み基準)
●とにかく全力× → パワー&スピード&スキル
※状況をイメージし、出力を考える
●ボールに集中× → 味方相手スペースを考慮する
※ゴール、攻撃方向、相手を想定して取組む
●止まった練習△ → 動きながらの技術を行う
※その場に留まらず、動きの中で練習する
●長時間× → 集中、思考を持って取組める時間
※年代により、集中が持続できる時間が異なる
●闇雲な反復× → 原因と改善
※なぜ、どうすれば、上達への分析
上記のような要素を加味しつつ、自主トレに励んでみてください😊
どんなプレーに取組み練習するにしても、ただ練習をするよりも数倍の効果が得られるはずです。
全てがというわけではなく、初心者の選手やボールを扱えない選手に関しては、まずは止まって練習した方が良いプレーもありますし、初めはボールに集中しすぎてしまうのは当然です。
普段からしっかり自主トレに励む選手は、向上心がありステップアップするために自分の時間を努力に費やす事ができる選手達だと思いますので、ある程度のレベルがある選手がほとんどだと思います。
どうやって、何を考えて練習すれば良いのか悩んでいる選手達は上記の指標に当てはめて、自主トレのプレーを行なってみてください😌
もったいない練習シリーズ
真面目で沢山練習してくる選手もたくさんいますが、それでもその努力が形にならず報われていない選手が凄く多いです。。
こんな練習をしていたら、取組みを変えましょう🤔
✖︎よくありがちな自主トレ✖︎
・いつもマーカーを等間隔に置いてスラローム
・目の前に置いたボールでひたすらフリーキック
・ひたすら壁打ちだけして終わり
・リフティングの持続回数だけが目標
・スタミナをつけるためにジョギングを30分
・同じパターンの練習を毎日ルーティン
・リバウンドネットが友達
・親やコーチ、身近な人に言われたから練習
・試合とかけ離れた状況、スピードで練習
自主トレ効率を上げる
一生懸命トレーニングしているんだけれど、なかなか身になっていない。成果が出ない。。という選手達、たくさん居ると思います。
どのポジションの、どういったプレーを改善すべく、何を練習するのか。今それができていない原因は何なのか。そこを突き詰めて練習に落とし込む事が良い自主トレの全てです。
思考や意識や狙いが良くなれば、トレーニングの内容が濃く、質が上がり、上達に必要な反復回数も減り、新たなプレーに取組む事ができます。
上達スピードが上がり、ライバルに差をつけることができるということです。
〜なぜその練習をするのか
〜何のためにするのか
〜ピッチのどこで使うのか
〜相手に対してどう使うのか
〜そのために必要な出力はどうか
〜更に高めるには何を+すれば良いのか
全ては思考から。
良い狙いを定めましょう。
ゲームでより活かすには
技術があるが、使えない。スピードがあるが、活かせない。賢い子だが、ボールが来ない。見えているが味方と合わない。などなど、練習を沢山しているが実戦やゲームの中で空回りしている選手がすごく多いです。
せっかくトレーニングした能力をゲームで活かすには、活躍できるようになるにはどうしたら良いでしょうか。
●そもそもの考え方
よく、出て来たパスの質の問題にしたり、履いているシューズやピッチ環境がうんぬん、調子が出ない良くないなど。何かしらの言い訳をしたり、モノやヒトに責任転換をする選手がいます。そういった選手はゲームや実戦の中で自分が理想としている状況がピタッと噛み合う瞬間にのみ、活躍する事ができるでしょう。1試合に数回あればラッキーですね😅
常に活躍している選手は思考が違います。毎秒周りの変化に敏感に気付き、ポジションの修正や身体の向きを微調整、ボールがいつ入ってきても最適なプレーを選択し発揮できるよう、周りにしてもらうのではなく自分が状況に合わせて準備を継続しています。ミスが起きた際も、周りにこうして欲しいという要求はしても言い訳をするのではなく、自分がどうすべきだったのか、次回に向けて改善策を模索します。つまり、自分にフォーカスする事ができる選手になりましょう。
ゲームで活きるには、ゲームで活かすためにどう準備し関わるか、周り次第ではなく自分次第でプレーに関与する数が変わってきます。
●認知
いくら技術や身体、気持ちが入っていても、周囲が見えていなければ自主トレの効果を発揮する事ができません。ボール・人・スペースを見る、知り、把握することは何ができるかに直結してきます。
自主トレの中に周りを素早く広く見るという練習があると実戦で役に立ちます。
●立ち位置
ゲームには流れがあり、ボール・人とスペースは常々動いているもの。どの位置にポジショニングするかで出来ることが変わります。
自主トレの際は、守備者や味方を置きつつ自分がどの位置でプレーしているのか具体的にイメージをしながら練習してみましょう。
●空間
人やボールとの距離感を感じ取ることが大切です。
距離を詰めるのか、止まるのか、離れるのか。
スペースはどのくらいあるのか。
自主トレの際も広い場所でやるのか、狭いところでやるのかによってトレーニング内容を工夫しましょう。
●環境に対して
自分の置かれている状況を整理した上で、どのプレーを使うのか判断する必要があります。
ポジションはどこなのか、チームでの役割は何なのか、ピッチのどこでプレーしているか、雨風やサーフェスが土・芝・フローリングなどプレーしている場所の状況、またスペースがあるのか無いのか。その日その時にどのような条件下で自分がプレーしているのか考えてみましょう。
ミニゴールやゲートへ通す実戦ミニゲームで、練習の成果を確かめるために強烈なシュートを叩き込む必要はないですね。パスを通すように丁寧にキックするだけで良い状況のはずです。
相手を抜き去るドリブルの練習をしたので、自陣サイドバックの深い位置から全員抜きにいく必要もありません。前方に沢山味方が居て、自陣深い位置なら安心安全にチームとしてボールを前方へ運ぶべき状況です。
要するに、環境や条件を確認した上でトレーニングした中からどのプレーを抽出し使用するのか判断する必要があります。
練習したから発揮したいからとにかく使うのではなく、どのような状況・条件下にいるからこのプレーを選択する。置かれている状況を認知した上で練習で養った能力を発揮する、判断を伴ったプレーが、実戦やゲームで活かすための絶対条件となります。
まとめ
一生懸命トレーニングを積み、サッカーに情熱を注いでいるけれど実戦やゲームの中で上手くプレーを発揮できていない選手達が、この記事を元に思考を深め、取り組みの質を高めることが出来れば幸いです。また、一人でも多く次のレベルへステップアップしてくれる事を願います😌
〜時間は有限、自主トレを次に活かす〜