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金曜日のcookbookランキング
#133 考えたり、考えなかったり
新たな料理本との偶然の出会いを楽しむ、金曜日のcookbookランキング。
8月第5週のランキングをお伝えします。
最近時間を見つけては読み進めている小説があります。
伴名練の『なめらかな世界と、その敵』。
もうだいぶ話題になっているので知っているひとはご存知でしょうが、『少女禁区』というホラー小説で2010年にデビューし、その後SFの同人誌やアンソロジーなどで活躍している伴名練の最新短編集です。
この作家さん、商業誌にはあまり作品を発表せず、本当にSFが好きなひとたちが手に取る雑誌で発表を続けてきたので、知らないひとはまったく知らない、でも知ってるひとからは「10年代によみがえった伊藤計劃」なんて絶賛される存在となっていました。
その伴名練が短編集を出すというので、耳ざといSFファンは発売前から色めき立っていたんですよ。
発売される前から、重版も決定していたほどの人気ぶり。
【大重版】
— 溝口力丸 (@marumizog) August 21, 2019
発売前重版も決まっていた伴名練『なめらかな世界と、その敵』ですが、刊行からたった1日で在庫が完全に溶けたため、一気に3刷&4刷が決定しました!https://t.co/qz29z4lmzD
普段小説はKindleで読むぼくも、今回は初版単行本を手に入れようと予約をしていたのでした。
掲載されている短編は、量子論的多元並行世界を扱ったものだったり、シンギュラリティをテーマにした歴史改変SFだったり、現代SFのエッセンスがこれでもかと詰まっていて、この作品をきっかけに若いひとたちがSF小説を読んでくれるようになるといいなと思いました。
SF的な夢を見るということは、現実の未来の世界を描くということと同義です。
藤井太洋:SFは、「社会はこれからどう変わるのか、未来はどうなるのか」を知りたい人に、直接的なイメージを与える文学です。未来を知りたいと渇望する人がその社会にどれだけいるかが、SFの盛り上がりにおいて重要なのです。
— 大森望 (@nzm) August 21, 2019
「起業家と作家が語る SFとリアルの間」https://t.co/S8Pp1m82sI
程度の低い政治合戦とそれを煽る無自覚な報道産業ばかりが現実じゃないですから!
よい未来を見たいと思ったら、こういうSFを読んで自分のヴィジョンを磨いておくのもいいんじゃないかな。
それでは今週のランキングを見ていきましょう!
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