100円レコードの楽しみ【その10】クラウディオ・シモーネのアルビノーニ「12の協奏曲とソナタ集 作品2」
イタリアの指揮者クラウディオ・シモーネは最近名前を聞かないと思っていたら、2018年に亡くなっていました。83歳。
私はとてもいい指揮者だったと思うのですが、名前が他の指揮者(クラウディオ・アバドやシモーネ・ヤング)と微妙に被っていて、損している感じがあります。
さらに、レパートリーはイタリアバロックの弦楽合奏の曲を中心に録音がありました。これにはモロ被りする、大変なライバルがいました。
そう、イ・ムジチ合奏団です。
イ・ムジチといえば、ヴィヴァルディの「四季」の録音は世界的なベストセラーになり、1960年代から「イタリアバロックといえばイ・ムジチ」という状況が続いていました。
この状況で、名前からして印象の薄い(失礼)クラウディオ・シモーネとイ・ソリスティ・ヴェネディの演奏を果たしてどれだけの人が注目できますか?!
シモーネの演奏は、ぜひ聴いてみて欲しいものが多いです。
イ・ムジチのキラキラで眩しい演奏からすると、シモーネの音楽は化粧のないすっぴんのような印象です。でも、だから、いいのです。
ショップに行ったら必ずシモーネのレコードはチェックしておきましょう。人気があまりないので、安く売られています。
(ただし、長岡鉄男が推薦したレコードのフランス輸入盤は値段は少々高めです。)
フランス、エラート社のレコードはいいぞ
余談ですが、シモーネを擁していた、フランスのエラート社は素晴らしいレコードが多いです。
演奏も録音も独特の品があって、聴いて幻滅するものは、ほとんどないと言えます。
このレーベルの選曲がまた独特で面白い。超有名曲をあえて外すようなレコードが多くあります。
演奏家もいかにもスターではなく、質実剛健で演奏本位の人が多い。
例を挙げると、フルートのランパル、ハープのラスキーヌ、クラヴサンのラクロワ、ヴァイオリンならアモイヤル、オルガンはマリークレール・アラン、指揮者のパイヤールやクルト・レーデル、ミシェル・コルボ。誰もがスターではないが、演奏は間違いない演奏家ばかりです。
そのあたりは、デッカやグラモフォン、EMIなどと比べて、知見の高さを売りにしていますね。
そんな感じのエラートは、商売として成り立つのかどうかよくわからないレコードも多いのですが、ジワジワくる渋い曲、演奏が多いのも確かです。
現在はワーナーミュージック傘下に入って新録音は出ませんが、昔のエラートの音源を見られたら、ぜひ聴いてみてください。
今回の100円レコードはそのエラートの、シモーネのレコード
シモーネの録音は音も演奏も良い
100円で古いレコードを見つける理由の一つに「忘れかけた名演を掘り起こす」にあります。
実はシモーネのレコードはオーディオファンの中でも地味に有名で(言葉が変)、オーディオ評論家長岡鉄男も、いくつかのシモーネのレコードを優秀録音として推していました。
今回のレコードは中古2枚組100円で売っているのをショップで発見しました。
シモーネのレコードはできる限り捕捉する構えのワタシですので、しっかりゲットしました。
アルビノーニ作曲の協奏曲とソナタ集。アルビノーニといえばアダージョが有名ですが、どうやら偽作のようです。
この協奏曲とソナタ集は紛れもなくアルビノーニ作曲のもの。
この曲集も弦楽のふくよかな響きと相まって、落ち着いて聴くことができます。
これが気品のある音楽と言うものですよ。
この気品を、純セレブスピーカーでぜひ聴いて欲しいです。
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