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年度末という終わりと始まりのグラデーションの中で | 2023.3.31 知床

3月31日は年度末と呼ばれていて、仕事の世界では、大晦日のような日。業務時間が終了すると館内アナウンスで、本日付で退職される方のご挨拶がロビーであるという。私みたいな新参者が行ってもいいのかと思いつつ、こういう時に行かないでどうすると思い直して、すごすごとロビーへ。

いつもの皆さんがみんな集まっている。ちょっと大きめなスピーカーでまずは町長が労いの言葉をかけ、花束が渡され、そして退職される方が一人ひとりお話しした。その言葉はどなたも通り一辺倒ではなく「ほんとうの言葉」で、肉声で、人柄と、その歴史が感じられた。

毎年行われているのだろう、その場に集まった人たちも、当然集まり、耳を傾け、拍手をしていた。それは時間の流れの中の一区切りであり、ここにいる人の誰もが迎えるものだ。

全員のスピーチが終わると、ロビーのドアが開けられ、待機していた車に退職される方が乗り込む。皆は玄関の外に出て、拍手と共に車を見送る。すぐには帰らずに拍手は続き、車は建物をぐるっと回って、広い道にでると、遠くで小さくなった車の窓から手を振る姿が見えた。

毎年恒例のことだそうだけれど、自分にはとても新鮮で、ここにいたことを皆で共有することの力を感じた、というよりも、単純にいいなぁと思えた。

#知床 #知床暮らし #斜里 #道東 #北海道

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