5年くらい山野草担当をした
フラワー&グリーンプランニングの坂本祐子です。
今回は梅田にあった商業施設の施設にあしかけ8年、山野草を展示したお話です。
施設の空間の緑化やフラワー装飾は一般的に、観葉植物やフラワーアレンジメントなどがおかれていることが多いですが、この時のご依頼は、主に日本に自生している木と花と草で構成された寄植えを施設に展示したいというものでした。
山野草や盆栽は通常の花市場の流通ではあまりお取り扱いのないジャンルになるため(あったとしても少量、少品種)通常の仕入れでは手に入りにくく、安定出荷でもありません。
で
それを専門に扱っている産地であったり、業者さんであったりに、お問い合わせしたり、紹介して頂いたりして、納める手段を探しました。
幸い一つの産地さんとお取引が出来ることになり、足掛け8年、毎週山野草の展示を行うことが出来ました。
約340週で、その数は約1500株。
報告用の写真と品種、植物の由来などのメモを自分たちの記録用としてピンタレストに保存していきました。
ピンタレストは世界中の人がみているSNSですが、観覧されている多くは海外の方で、一番みられていた写真が黒松の松ぼっくりから松が生えているミニ盆栽の写真でした。コロナの期間は観覧数が6万人になっていた時期もあって植物に癒やしを求める方や興味を持つ方が多いのかなぁと感じました。
実際
毎週届く山野草を手入れして、展示して、観察して コメントの報告を担当した5年はとても幸せでした。
朝いちの作業だったので、後の時間がおしていて、ついついこなしてしまっているなぁと反省することもありましたが、朝のこの時間をもつことで、メンタルが安定するなと感じました。
また継続の積み重ねを視覚化(記録)すると、後から振り返りができるので、記録は大切だと思いました。
この担当になった時に1年間盆栽の教室に通ったのですが、通常の花の流通とはちがう業界、異なる価値観、植物の手入れの技術など、独特の世界観を知ることが出来たのもいい経験だったと思います。
その後、雑草と呼ばれている野草に魅せられ、野草観察が趣味になったのですが、ベースの知識はここで培われたように思います。
今年はNHKの朝ドラで牧野富太郎博士のお話が取り上げられていますが、野草好きの方は楽しみな1年ですし、そうでなかった方もこれがきっかけで日本の植物の魅力に引き寄せられる方が増えそうですよね。
昨年6月に高知の植物園に行ったのですが、入り口の看板から建物の入り口まで普通に歩けば徒歩約3分くらいの距離ですが、下の植物を観察しているといつの間にか、ゆうに1時間くらい経っているという、野草好きあるあるです。
今までただの草の生えている景色が、野草や雑草を知ることでみえる世界が変わる。なかなかにドラマティックで、ただ道を歩くだけで、幸せになれてしまうという、素晴らしい体験です。
フラワーアンドグリーンプランニング
https://flowerandgreen.com/works.html
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