【スキルって何?】
私の体験談です。私は臨床心理学科を卒業していますが、臨床心理士にならなくて良かったと言うエピソードを書いてみたいと思います。
学問はあらゆる人が正しいと思ったものに、オーラがかかったものが、称賛されます。驚きや閃きと言う感じでしょうか。
私の出身校では、100人入学し、2年生までに、50人臨床心理士を諦めさせます。なぜなら、必要な授業を取れなくなるからです。
その中から、6人選ばれて、他校から4人を加えて大学院入試をうける事になります。約7人、大学院に残り、うち5人が臨床心理士になる訳です。
これは、とても残念な結果でした。私も6人に入ってましたが、性同一性障がいが病気だと言う教授が居てバトルしました(今はそんな元気もないです。)
※結果、私は認定心理士と産業カウンセラーを取りました。
主人が亡くなった時、本音を話せたのは、友達200人中4人。全てさらけ出せる友達です。
臨床心理士のAさんと、臨床心理学科を辞めたBさん、車会社のCさん、元警察官のDさんが、私の親友です。
どの友達でも、有り難い友達です。
しかし、人が亡くなると言うことは、時に人生が真っ暗になる訳ですから、まず言葉に敏感になりました。
●臨床心理士のAさんはスキルがあり、
私に「自己コントロール感を少しずつ身につける事だね」
●臨床心理学科を辞めたBさんは、
私に「思い切り泣いていいから。どんなことでも、吐き出して、少しずつ元気になればいいから」
●車会社のCさんは、「書類を全てやってあげるから、大丈夫です。」
●元警察官のDさんは、「子育て中だけど、何か欲しいものがあったら言ってください。」
これは全て優しさです。
しかし、私がダメだった言葉が、
「自己コントロール感」と言うワードでした。専門用語で慰められるのが、ダメだったんです。
絶望で、今にも後を追って死のうと言う極限の状態。「自己コントロール感」はまだ、私に頑張れと言われている気持ちになりました。
ある日、E君がお参りに来ました。少し言葉に障害があり、心理学で言うIQの低い方です。(こんな言い方はしたくはないのですが)
●E君は私に言いました。「両親が死んだけど、泣けるだけなけ!そして、メシ食え!当たり前だ、悲しいのは。」
どの言葉も、優しさです。なぜ、私は臨床心理士のA君の言葉がダメだったのか?
それは、「人間味が無い」と感じたんです。大切な人の死は学問では解決しなかったんです。私も心理学を学んで、仕事にも取り入れていましたが、私は専門用語をできるだけ避けるようにしています。
専門用語は小さなコミュニティの中の言葉なのです。
あるおばあさんに、「脊柱管狭窄症は鍼灸では、痛みを緩和することしかできません。手術を受けてから、痛みを緩和しましょう」と私は言ってしまった事があります。
●おばあさんに、「脊柱管なんとかって、治らないのかい?じゃあ、どう治すの?」
●私は言ってしまいました。「神経の通る穴が狭くなっていて、神経が締め付けられている状態だから、手術が基本的には妥当な選択だと思います。」
おばあさんは首を傾げました。
どんなに専門性があっても、相手が分かる用語を選択することが大切。親身になり、接する事が大切であること。
あなたにとってスキルって、何ですか?
ニューノーマルの鍵🗝の入り口です。