2人の視点で今の時代に例えられて…「見仏記」「見仏記2仏友篇」いとうせいこう、みうらじゅん
私が、Kindle本を耳読した本の感想を、ご紹介しています。 本選びの参考になれば、と思っています。
読み終えるまでの平均的な時間(3時間54分)
感想…
「見仏記」
いとうさんが30代の頃に「見仏記」が出版されていました。
今まで仏を見る機会もなく、この本を読みましが、この2人の仏を見る視点に衝撃を受けました。
どういった思いを持って、仏を見てもいいのだが、一見ふざけたように見えながら、どこまでも真面目に見仏していて、まず、その姿がおもしろい。
仏を見る時に、昔の歴史だけをなぞり納得するのが、だいたい一般的な見仏だろうと思いますが、今の時代の事象と結びつけて、身近に感じることですんなりとイメージできることもいくつかあった。
大陸から仏がきたことを、来日するアーティストに例えてみた話はわかりやすかったのと、日本人の外のものへの憧れを持ちながら、それが中に居付くことはあまり望んでいないようなところ。その理論納得。
ちょっとふざけているように見えるが、あくまでも真剣に仏に向き合う姿に、すごく昔から、こんな面白い本があったんだ…と感じた。
「見仏記2仏友篇」
あまりにも面白くて、つい2冊目を手にとってしまいました。
いとうさんの思考と、みうらさんの思考は、若干の違いをもちながらも、その理論をぶつけて、お互いを理解し合いながら納得しています。
「見仏記」よりも、各地に仏が渡来した当時を思い浮かべ、その土地の文化的な内容に触れながら、2人の推測(妄想)がすすめられています。
それが面白くて、また、内容がとても興味深い。
2人はいつも「今の時代だったら」と言うような例えをしているけれど、それは面白くて、ちょっと不謹慎のように感じるところもあるけれど、昔は、今と違ってもっと自分たちの近くに存在していて
実際、その当時はそう言うものも含めて、みんな仏のファンだったように思えてきました。
ただの拝観者ではなく、「見仏記2」では、だんだんと2人がアポを取って、収蔵庫を開けてもらい拝ませていただくようになってきているところに、ご自分たちでも何になってきているのかと笑っておられた。ホントにどこへ向かっているのだろう。
調べてみると「見仏記7」までは出ていて、それ以外にもたくさんの仏に関する2人の本が出ているようです。
自分の趣味について、同じレベルで話せる知人がいることは、とても羨ましいと思いました。
内容(「BOOK」データベースより)
見仏記 小学生時代から、詳細なスクラップブックを作ってしまうほど、仏像に魅せられてしまったみうらじゅんが、仏友・いとうせいこうを巻き込んで、二人の“見仏”珍道中が始まった!セクシーな如意輪観音に心を奪われ、千手観音のパフォーマンスに驚愕し、十八神将像の逆立った髪型を考察する。さらに、みやげ物にまで、目配りを怠らないという、充実ぶり。抱腹絶倒の見仏珍道中記、待望の文庫化。 --このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
見仏記2
見仏コンビ、またまた登場!あのなんとも絶妙なコンビネーションのいとう&みうらが、仏像見物の旅を密かに再開した。ある時は、四国でオヘンローラーとなり、またある時は佐渡で親鸞に思いを馳せる。またふと我に返って、男子二人旅の怪しさを文化的に考察してみたりする。二人の好奇心が向く先は、仏像だけにとどまらない…。一見支離滅裂な二人が、お互いへのおかしな友情をしみじみと深め合い、奇妙な絆を確かめ合った、ますます充実の仏友篇!(新宿篇を特別収録)。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。