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日没


じい、っと太陽を見つめていると

それは明らかに変化した

青から赤へ

燃えていると思ったら静かになる

光に包まれたと思うと

今度は甘く桃色にゆらめく

太陽はじいっとわたしを見ていた

わたしはじいっと見つめ返す

わたしと太陽だけの空間

そこから蜘蛛の巣が広がっている

どこまでも

木の根のように

毛細血管

ふ、と、目を閉じると

瞼の裏でも 太陽は細胞と踊る

青から赤へ 光から闇へ

森から海へ

わたしは心にも太陽があるのだと知る

自分の体さえも宇宙だとおもう

大型クレーンの向こうに沈んでゆく光は

音ひとつもなく

赤から青へ

闇から光へ

ふ、と、目を開ける

空は名残惜しむかのように

あかく、あかく、燃えていた

瞳の奥が ずくん と震えた


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