浮世絵木版画が完成しました!
昨年、公益財団法人アダチ伝統木版画技術保存財団主催の「第10回アダチUKIYOE大賞」にて大賞を受賞いたしまして、有り難いことに私の作品をプロの彫師・摺師さんに木版画にしていただけることにことになりました。
そしてこの度、制作していただいていたその木版画がついに完成しました。
完成した浮世絵木版画がこちらです↓
「春高楼の花の宴」
木版画にしていただいた作品の下絵は、新たに描き下ろしており、普段主に描いている「人物画」ではなく、「風景画」に挑戦しています。
題材に選んだのは、私の故郷・福島県会津を代表する城址『鶴ヶ城』です。
桜の季節にこの方角から眺めるお城が一番好きで、風景画を描くと決まった際、木版画にしていただくとしたらこの風景だと思い、下絵を制作しました。
私が制作した下絵がこちら↓
完成した木版画を拝見したときの感動は忘れられません!
自分の作品が浮世絵になったという嬉しさでいっぱいでした。
そして、デジタルで制作した作品がこれほどまでに細部まで忠実に再現できる木版画技術の高さにとても驚きました。
制作では特に桜の花の彫りにとても時間を費やしたと伺い、大変恐縮です!
風景画では川瀬巴水や吉田博などの新版画に大いに影響を受けていることをお話したところ、彫師さん・摺師さんの方でそれを踏まえて様々な工夫で制作いただいたようで、想像を超えた仕上がりとなり本当に嬉しく思います。
完成したこちらの木版画は、アダチ伝統木版画技術保存財団様の令和2年度賛助会員・進呈作品になっております。
財団の賛助会員になると希望者に進呈されますので、ご興味のある方は以下の財団のウェブサイトをぜひご覧ください。
また、木版画が完成したことに伴い、財団の方よりインタビューをしていただきました。
今回の作品の制作についてやアダチUKIYOE大賞について話をしたものを前後編で記事にまとめてくださっています。
木版画を担当してくださった彫師・摺師さんの制作の様子もお読みいただけますので、こちらもぜひご覧いただければ嬉しいです。
今回、木版画制作という大変貴重な機会をいただき、心から感謝申し上げます。
世界に誇る日本の伝統技術に携わることができて大変光栄でした。
コロナ禍の大変な中、制作にご尽力くださったアダチ版画の皆様、本当にありがとうございました。
日本に浮世絵木版画という高度な伝統技術があることをもっと多くの方々に知っていただき、興味を持っていただければ嬉しく思います。