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【お仕事情報】徳間書店・読楽『からさんの家 伽羅の章』扉絵まとめ
徳間書店の月刊文芸誌「読楽」2022年4月号から2023年3月号まで連載された『からさんの家 伽羅の章』(著:小路幸也 氏)の扉絵を担当しました。
【小説内容】
東京の下町にあるレンガ造りの古い洋館で、血の繋がりのない孫娘「神野まひろ」と3人の同居人と暮らす『からさん』こと「三原伽羅(きゃら)」。
まひろが「からさんの家」に来てからちょうど3年、まひろの目線で描かれていた日常は、新章となり『からさん』自身の目線で紡がれていく。
全11話の扉絵を以下にまとめております。
扉絵
最終話
最終話ということもあり、最後に”からさん”をメインに描写しました。
絵を描いて創作活動をしている”からさん”を描くことで、今までと現在、そしてこれからの”からさん”自身を表現し、これからも新しく変化しながら続いていく「からさんの家」とその住人たちの生活を意識しながら制作しました。
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第10話
タロウのアトリエをジャズホール・バーにする準備が着々と進んでいる様子が描かれている回でしたので、お店に改装中である元鉄工場の建物を描写しました。
古い建物感を出しつつ、これからのタロウの新しい家であり、みんなが集うお店でもあるため、趣ある温かな雰囲気を意識しました。
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第9話
今回はからさんの担当編集者の水島さん、からさん、まひろと3人でお話をする回でしたので、水島さんがからさんの家にやってきて、玄関を開けたときの様子を描写しました。
最近は特に水島さんが訪ねてくることが増えたということ、また、からさんがこれから書こうとしている詩も「家」が重要なテーマということなので、「家に入る」というイメージを含めて制作しました。
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第8話
今回が、柊也が会ったことない父親に密かに会いに行くという回でしたので、まひろが自分のスマホに撮っていた柊也の父親の写真を描写しました。
読者の想像の余地を残すため、あえて顔をはっきりとは描かない方が良いと考え、光の反射でわからないようにしています。
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第7話
タロウが以前に街中で見たという、銀座を一緒に歩く祐子と駿一(からさんの甥)をイメージして、夜の街を二人で歩く男女を描写しています。前回が、祐子から駿一と一緒に暮らすというセリフで終わっているため、それの続きとして二人の関係がわかるような扉絵を意識しました。
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第6話
からさんの家の住人の一人である”祐子”を描写しました。
ジャズ・スナックバーのママをしている祐子が、お店の経営が厳しくそろそろ畳もうと考えていること、同じく住人でアーティストの”タロウ”のアトリエをジャズホール・バーに改装し、祐子がそこのママになる計画の話が出てきた回であることを踏まえて、彼女が自分のお店で接客するイメージで制作しました。
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第5話
からさんの学生時代の友人・真理子さんが訪ねてきて二人で当時のことを思い出しながら話をする回でしたので、学生時代の若いからさんと真理子さんをイメージして制作しました。
特に仲の良かった中学生の頃に、からさんの家によく本を見に来ていたということでしたので、その頃を意識しています。
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第4話
からさんとまひろ・柊也が、旭川から札幌まで移動し、まひろの母親・ひろみと、その夫でからさんの息子である達明が住む家で、5人で夕食のジンギスカンを食べている場面を描写しました。
ジンギスカンを囲みながら5人の団らんが想像できればと意識しながら制作しています。
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第3話
北海道・旭川の柊也の母親が入院する病院を訪れ、柊也の父親について話をする4人を描写しました。
複雑な家庭事情を話す少しシリアスな場面ですが、母親が柊也とまひろの今後のためにと父親のことを切り出した前向きな場面でもあると思いましたので、暗くならず穏やかな雰囲気になるよう意識しました。
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第2話
からさんの家の飼い猫・スマイルを描いています。
人見知りで、からさんとまひろ以外の人にはあまり懐こうとしない猫のため、人を選んでいそうな雰囲気で制作しました。
また、まひろが来てから、後を追いかけて家の中をあちこち歩くようになったことから、以前描いたスマイルよりも行動範囲が広がり余裕がある様子も意識しました。
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第1話
新章となり「からさん」のパートが始まる第1回であるということ、また今回の小説の中で、からさんが家の近所を歩きながら変わっていく町に思いを馳せている場面などもありましたので、からさんの家とその近所の町並みを描写しました。
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制作詳細
扉絵制作についての詳細は、ウェブサイト内でもご覧いただけます。
こちらも参考にしていただければ幸いです。
電子書籍
読楽は電子書籍でもお読みいただけます。
からさんの家 まひろの章
『からさんの家』は前編である「まひろの章」があり、そちらの連載でも扉絵を担当いたしました。
以下のページにまとめておりますので、こちらもぜひご覧ください。
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