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双葉町に集まった13人の中高高専生と『福島学カレッジ』を始めました

県内外(遠くは大阪から・高専から・中学生も・地元ふたばからも・白河からも)から13人が集まり、『福島学カレッジ』が開講しました。全5回の日程を通じて、自身の研究関心の自己理解や、地域でのフィールドワーク、研究成果のプレゼンテーションも行います。多様なバックグラウンドのティーン13人が、福島県内で学校種や地域を超えてディスカッションする場があるだけで嬉しいです。

きょうび、探究PBL花盛りな日本国内の教育環境。あえて学校教育の中だけではなく、週末の時間を使って活動する意義はなんでしょうか。

改めて世界から注目されてきた”福島”という地理的環境を活かして研究者としての一歩を踏み出す高校生を応援したいという前提はありますが、実際に始動して感じた、ディレクターの立場で面白いなと思った点は以下の通りです。

  • 各回1泊2日の日程で双葉町で過ごすため、「コンビニない」「人住んでいない」「11年半置かれている農地や宅地が目に入る」「役場すら先月開所したばかり」など、いま避難指示が解除されたエリアに身を置くことからの視覚的・体感的学びがありえる。広義に捉えると、伝承館の展示(例えば写真に貼り付けた津波被災車両や震災前の双葉町が掲げていた政策的な標語パネル)を含みます。

  • 多くの学校で探究カリキュラムは始動しているけども、私自身実践という表現(イベント・ものづくり)だけではなく多様な”まとめ・表現”のあり方を高校生に提示することが必要だと思っています。探究サイクルの最終段階のパターンが少なく、自身にあった表現方法が取れなくて悩む生徒を見たこともあります。今回は、”まとめ・表現”の一つとして”研究論文”というアウトプットを示すとどういう学びが起こるのか実践実証の機会になる可能性がありえると思います。

  • 伝承館は展示・収集だけではなく、"研究者ネットワークのハブ”機能も持っているのですが、立ち上がったばかりのため、現状福島県民はほぼそのメリットを享受できる状況にありません。今回は参加高校生の研究関心を出発点に、伝承館の客員研究員の方や、ご協力いただいている地域住民の語り部さんや省庁行政職員などと高校生の対話の機会をつくることができる可能性があります。

  • なにより、参加生徒の研究関心のきっかけに震災後の福島県で生活してきたという原体験がある場合もあり、そこから生まれる疑問や違和感がこれからはじめて福島に来る、という県外の大学生等と比べても、本質的な地域課題と密接に隣り合っている場合も見受けられます。

…と、初回からディレクターの私自身仮説が生まれる2日間でした。いきなり参加生徒同士のゼミ形式でのディスカッションも実現したので、これからが楽しみです。

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