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【感動】コミュ障大学生がEMANONに飛び込んできた、今よりちょっと昔の話

こんにちは
いつもnoteを書いているインターン生のひなのんとぺっこに代わりまして、今回担当させていただきます、高田嶺佑です。EMANONワールドでは、たかぴーって呼ばれてます。
福島県郡山市出身です。東北芸術工科大学コミュニティデザイン学科の2年生(春から3年生)で、ぺっこ氏の1つ先輩にあたります。そして、EMANONの元インターン生で、昨年2018年の夏、インターン生第一号として白河に一ヶ月間、飛び込んでいました。
 今日はそのときの話を紹介していきたいと思います。


<インターンにエントリーした経緯>
 芸工大のコミュニティデザイン学科には、地域課題を解決する団体にインターンをして直接学ぶ、「地域留学」という授業があります。大学内ではなくて、実際に地方に住み込みで働いて勉強する、要は魔女修行のようなものです。

 話は一旦飛びますが、インターンの前僕はコミュ障だと思っていて、人とコミュニケーションをとることに漠然とした不安と恐怖がありました。それも相まって高校時代はいわゆる“ぼっち”で、思い出も特にないまま卒業してしまった後悔もありました。そのような中でインターンの求人を探していて、たまたまヒットしたのがEMANONです。高校生と一緒に色々面白そうなことをしているEMANONで修行したら、コミュニケーションへの苦手意識も、高校時代の後悔もなくなるんじゃないかな・・・と思って、EMANONのインターンに申し込んで、合格して、インターンに臨むことになりました。

<ゲストハウスプロジェクトの前身と夏のインターン>

 EMANONの運営団体、未来の準備室が今進行形で行っている「もうひとり連れてくるためのゲストハウスプロジェクト」が立ち上がるその前に、白河の高校生や出身の大学生が、「宿泊」にどんなニーズを持っているのか?白河地域における学生寮・ゲストハウスの可能性やニーズについて調査することが、僕が夏に担ったミッションです。
その際の仮説の1つが「県南郡部の高校生が白河市の3高校に通学するのは大変なのではないか」。そして「遠方から通学する高校生の通学の困難さを解消するツールとして、学生寮・ゲストハウスが有効的なのでは」。これがもう1つの仮説で、今のゲストハウスプロジェクトのスタートでした。

 その2つの仮説を検証し、学生寮・ゲストハウスの可能性は何か、理想の学生寮・ゲストハウスとは何なのかということを調査するために一ヶ月間かけて行ったことが2つ。白河市の高校生にまつわる統計データの収集と、高校生・保護者・学校の先生へのヒアリング調査です。
 ここからその調査の結果について説明していきます。紹介したいことはたくさんあるので、さらに詳しいことについてはEMANONのホームページに22ページに及ぶ論文を掲載しているので、こちらをご覧ください。

<統計結果>

白河市の3高校(白河高校、旭高校、実業高校)から提供して頂いた、生徒の「通学手段」「居住地域」「通学手段」のデータがこちらになります。

遠方から通学している高校生の定義は曖昧なところはありますが、全体の30〜40%の高校生が公共交通機関で通学していたり、白河市以外から通学していたり、30分以上の時間をかけて通学していたりするというのが分かります。ちなみに通学時間の91〜120分が0%となっていますが、実際の調査の結果では7名いることが分かっています。

<先生方へのヒアリング調査>
 
 高校の先生方から見た長距離の通学をしている高校生の様子についてヒアリングしたことで分かった現状です。通学の面としては、最初は通学が辛そうにしている生徒でも、慣れていくと共に生活リズムや、バス・電車に乗るための時間管理のスキルを身につけていること、保護者の方が白河市に勤めており、出勤の際に車で送ってもらう生徒もいることが分かりました。放課後の部活動はいずれの高校でも18時30分には一旦終わり、19時台のバスには乗れるような設定がされています。ただ、生徒たちが自主的な練習を続けることもあるということです。

<白河市から通う高校生からの声>

 通学手段としては主に自転車。白河市の遠くから通学する高校生は電車やバスなど。また保護者からの送迎で通学している人もいます。東北本線の1時間に1回ペースのダイヤによって時間に制約が起こること、親にLINEで連絡をとりあって迎えにきてもらうことは大変であるという声が挙がりました。親の車でないと移動できないから放課後に友だちと寄り道したりすることができないのがしんどいという声も出ていました。

<棚倉町から通う高校生から出た声>
 
戦前に鉄道だったところを埋め立ててバスを運行している、日本初のBRTバス、JRバス白棚線によって白河市からアクセスできる棚倉町。白河市の3高校の目の前にバス停があって便利ではあるのですが、週末・長期休みはダイヤが少なくなってしまい、部活動や模試などで通学するときに不便が生じてしまう現状が分かりました。平日の通学ラッシュに7台走っているバスが休日は5台、お盆期間は1台まで減ります。またお盆休みにも模試で登校日があったとき、猛暑の中1台のバスに高校生がギュウギュウ詰めになって登校することになったという話も聞きました。

<塙町・矢祭町から通う高校生から出た声>

 この2地域から白河市にアクセスする場合、JR水郡線で棚倉まで移動した後に、白棚線に乗るという2つの工程を組む必要があります。しかも、水郡線は2時間に1本ペースなので通学の際、時間の制約が大きくなることもあります。その課題を解決するために保護者会によって「ダリア通学バス」というものが運行されています。

 普段はダリア通学バスを活用したり、送迎をしてもらったりして白河市に通学できてはいるのですが、朝は5時、6時に家を出発し部活動を終え家に帰る場合、午後8時や9時になってしまいます。だから帰ってから宿題に着手できず疲れてすぐ寝てしまうことも多く、部活を辞める決断をしてしまった高校生もいるのがわかりました。また、部活動の大会があるときは、夜に帰宅したあと、朝4時に起きて5時に家を出発するというハードなスケジュールになることもあります。その時は高校生も保護者もかなり大変であることがわかりました。

<高校生にとっての学生寮・ゲストハウスの可能性とは>

 県南郡部の高校生が毎日わざわざ白河市の高校まで、あらゆる交通手段で通学しているのは、白河の高校で「やりたいこと」があるからに尽きると思います。大学に進学するための勉強をするため、将来やりたい仕事に必要なスキルを身につけるため、白河市の高校で部活動に入りスポーツに励むため、高校で出会った友だちや恋人と楽しい時間を過ごすため、人それぞれやりたいことがあるから大変な通学手段であることを覚悟の上、毎日通学しています。それでも勉強との両立に限界を感じて部活動を辞めてしまうなど、通学手段のせいでやりたいことができなくなってしまうケースもあります。
 一方で親元を離れて白河市で生活するのは高校生にとっても保護者にとっても不安な声が挙がりました。それでも、「遅くまで部活の練習をしたり、友達と遊びたいとき」、「次の日の朝が早いとき」は白河に泊まることができるだけで生活が楽になるという声も出ました。
 だから、高校生が毎日ではなく週末や大会前を中心に1泊2日、2泊3日だけ単発的に白河市に泊まれ、高校生も保護者も安心できるような学生寮・ゲストハウスに可能性があるのではないかと考えました。
 学生寮・ゲストハウスという形で、白河の高校生が時間を気にせずにやりたいことに本気で臨める場所を作ることで、白河市での若者の活動が活発になるきっかけの1つになると思います。このことが、この1ヶ月間で出した結論でした。

<インターンのあと>

 夏のインターンシップでこのような結論を出したあと、実際に未来の準備室で物件が決定し、リノベーションもスタートしています。また、高校生の宿泊はもちろんのこと、白河市の元高校生が卒業後に出会った仲間を白河に連れて来たり、実家とは別に宿泊したりする場所としても発展して、今のプロジェクト、春のインターンシップに繋がっています。
 そして僕自身としては、このインターンの経験によって、コミュニケーションに対する苦手意識が解消されました。毎日ヒアリングをしたり、EMANONに来ている高校生と喋ったり、電話でヒアリングのアポをとったり、いろいろとしている間に自分が得意なコミュニケーション、苦手なコミュニケーションが明確になりました。例えば、年下に好かれやすい性格であることがわかったり、敬語の使い方が微妙になってしまうことがわかったり。


 「苦手なところは改善しなきゃ」と思いつつ、得意分野がわかると自信に繋がるもので、インターンをきっかけとして、大学での友だちも急激に増えて来て、日頃の大学生活も楽しくなってきたように感じています。大学の教授からも「夏休みのインターンでエース級に成長した!」と評価してもらい、インターンの成果発表会に芸工大の代表で出場させて頂いたこともあります。

 EMANONでのインターンが、今のゲストハウスプロジェクトの先駆けになったと同時に、1人のコミュ障の人生が大きく変わったと、自分で言うのはアレですがとても感じています。
 そして卒業制作では、EMANONのようなとても居心地のよいサードプレイス、居場所を山形市にも作ってみようかな・・・と考えています。その件はこれからどうなるか、実現するか、挫折するか、分かりませんが、これからもEMANONに遊びにいきますので、そのときにお話したいなと思います。

おわり。

                   ↑僕とインターン生二号達と青砥室長

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