フィードバックを受けれる環境に身を置くことの重要性
今回は、なぜ他人からフィードバックを受けることが大事なのかを「人間の本質」から読み解いていきたい。
よく、スポーツの現場でも指導者が成長するためには他人からのフィードバックを受けることは重要だと言われている。
例えば、有名なところではスペインのサッカー育成現場ではこの他人からのフィードバックを指導者の上に「コーディネーター」別名「指導者の指導者」を設けることによって実現させていることは私も以前から発信していることだ。
日本の現場では、このコーディネーターといった役職自体はまだまだ浸透していない部分が多いと思うが、他のやり方で他人からのフィードバックを受ける方法はいくらでもあるだろう。
実際に、私の知り合いの方が務めるクラブでは定期的に指導者間でのプレゼン会や全く違うクラブの指導者に自分の行ったセッションのビデオを見せて意見を聞くなど様々な試みを行っているクラブもある。
ではなぜこの【他人からのフィードバック】が指導者として成長するために必要なことなのだろうか。
その理由はそもそもで【人間の本質】から読み解くことができる。
コペルニクスの地動説
【コペルニクスの地動説】をご存知だろうか?
簡単に説明をすると、地球・月・太陽とある中で昔に地球が太陽に向かって一方的に「何をずっと俺の周りを回ってんだ?」と言っていたのが、太陽からすると「いや、お前がずっと俺の周りを回っているだけだろ?」と言ったわけだ。
つまり実は、地球がただ一人で回っていたと言うことだ。
つまり、我々人間も同じ傾向にあり、何か自分が行っていることに対して思い込みを抱いてしまったり、一時的な感情だけで行動してしまう・発言してしまうことが多いにあると言うことだ。
つまり、一時的な感情でヒートアップをしてしまう前に一度一歩引いて冷静になり、自分の見える視野や思考が決して正しくないんだと考える習慣をつける必要があると言うことだ。
しっかりとしたデータに基づく事実のもと、行動していく必要がある。
"自分の視点を一度疑って、他者の視点で物事を追求"
これが最も重要になると言うことだ。
例えば、指導者の話をすると普段のトレーニングもそうだ。
前日からプランニングを立てて用意したセッションを練習当日に行い、結果としてうまく現象としてやりたかったことが出た、もしくは"良いトレーニング"ができたと自分自身で思う時ほど落とし穴が埋まっていることが実は多いのだ。
うまく現象としてプレーができたのは、ただ単純にそのセッションの設定やノルマ自体が簡単すぎていただけかもしれない。
守備のインテンシティの低さが攻撃側のプレーの快適さにつながっていただけかも知れない。
監督というのは特に、セッションが一度始まってしまうと感情的になってしまいそのセッションに入り込んでしまう修正があるから、余計に練習後の他人からの違った目線でのフィードバックが必要となるのだ。
つまり、この他人からのフィードバックができる環境に身を置くこと、もしくはそう言った環境を違った方法で作っていくことが指導者が成長するもしくは日本サッカーの将来に繋がるのではないだろうか。