はじめてのヘーゲル「精神現象学」を読んで#271
ヘーゲルの「精神現象学」を読むにあたり、難解すぎて、はじめてのヘーゲル「精神現象学」を読み始めた。
本書曰く、ヘーゲルの精神現象学の独特な部分は、人類の歴史全体を、ひとりの人間が色んな経験して発達していくように描かれていることにあるという。
私が本書を手にとっているところも、この点にある。
何度もこのジャーナルで書いているように思うが、多くのコーチ、カウンセラーは、内面だけに関心がとどまっている。
しかし、内面は外面と相互作用しあっているために、真に内面を理解するには、外面の理解が必要不可欠になる。
私たちの意識は、単独にあるのではなく、時代(社会)の集合意識(=その時代の人々の価値観、世界観)とともにある。
換言すれば、私たちは、完全に独立して作れているのではなく、現代の文明、社会に影響を受けるものである。
とともに、それは歴史とも無関係に自由な存在ではなく、歴史のなかで時代の集合意識がゆっくり発達する。
ヘーゲルの「精神現象学」は、この時代(社会)の集合意識を、「時代の精神」と形容しており、「精神(の)現象学」という表題をつけている。
私が手にとっているのは、こういった心理学から離れることで、結果的により多面的に心理学を理解しようという試みである。
本書を読んで感じるところは、まだ途中ではあるが、やはりインテグラル理論に内包ないしは補間されるものに感じる。
インテグラル理論はメタ理論ゆえに、あくまで地図。
個別具体を理解するには、各専門書をあたる必要があり、大きな歴史の集合意識をみていくための1つの知として、ヘーゲルの精神現象学があると、私の中で位置付けられている。
2021年9月11日の日記より