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万年筆の寿命。一生物なのか?
どうも純一です。
最近やっと冬らしい気温になってきて、冬が好きな僕にとっては少し気分が上がります。
朝は布団から出れない時もありますが、その日によってどんな服を着ようか考えられるのも冬のオシャレの醍醐味でもありますよね。
さて、万年筆の寿命について今日は綴っていこうと思います。
僕は障害を持った子どもを支援する福祉施設で働いています。
先日、職員室でお気に入りの万年筆、キャップレス木軸を使って仕事をしていると、突然、職員室に障害児が扉を開けて走って入ってきました。僕の近くにはコーヒーポットもあり、咄嗟に万年筆を手放して子どもの安全を守るために体が動いていました。
幸いに子どもがコーヒーポットに近寄る前に子どもを抱き上げる事が出来たので大事故にはなりませんでした。
勤務中の職員に子どもを引き渡して自分の席に戻ると、無残にも万年筆が床に落ちていて床にインクが飛び散っていました。
あちゃ~やってしまった。。。と内心つぶやきながら恐る恐るキャップレスを拾い上げ、紙に線を引いてみるとガリガリとした書き味に。。。
これは調整をしてもらわないと駄目だ。。。ガッカリしながらも、子どもが無事で良かった。それが何よりだ。
後日、落としてしまったキャップレスを持って、パイロット本社にお邪魔してプロにペン先を調整して頂いた。
結果から言うと書き味は戻らなかった。
担当してくれたペンドクターさん曰く、ペン先が曲がったり、ゆがんだりすると、その部分が弱くなってしまう。
薄い金属の板を曲げたり戻したりすると脆くなり折れしまうようなイメージだそうだ。応急処置は出来なくはないが、ペン先を交換するほうがいいと教えてくれた。
ペン先交換の値段は17,000円。
内訳はペン先の値段が14、000円、残り3、000円は工賃。
申し訳なさそうに最近、値上がりした事を話してくれた。
うーん。。高いですね。。。涙。。。
でも、パイロット社の製品は他の企業と比べると、今まで値上がりせずに頑張ってきたことを我々、特に万年筆を愛する者たちは知っているからこそ、物価高騰は受け入れていかなくてはいけないのだと痛感する。
幸いにもキャップレスはデシモ等、キャップレスシリーズはペン先が全て共通規格(現行品)なので入れ替えて使うことが出来る。例えばキャップレスデシモとマットブラックの中身を入れ替えて使えるといった具合だ。
https://amzn.to/4eZJJ7W
今度はキャップレスデシモなどを買って、中身を木軸の軸の中に入れて愛用して万年筆ライフを楽しんでいきたいと思っている。
万年筆は一生物だと今まで思っていた。
モンブランの149やペリカンのスーベレーンなど、高価な万年筆を紹介する時、言葉や紹介文の端々に「一生物」「息子や孫に託せる」などロマンを語られていることが多いからかもしれない。
勿論、普段は飾っているだけとか、ステータス品として持っていて気持ちが上がるという人もいるので、そういった楽しみ方をする人にとっては一生物になりえると思う。
ただ実用品として捉えると、万年筆は一生物ではない。
因みに僕がペンを落としてしまったから、忠告している訳ではない。
万年筆のヘビーユーザーと言えば、作家や、小説家であろう。
小説家達の万年筆の使い方に想いを馳せて調べたことがあるのだが、彼らは気に入った万年筆を何本も買い替えて使い続けている。
ペン先にあるペンポイントが摩耗しきったら、買い替えるそうだ。
現代人の我々には想像も出来ない世界だが、とある作家の著者の中で、一日に原稿用紙70枚を毎日書いていると3か月ほどでペンポイントが摩耗して書き味が悪くなるから買い替えるというと記述もあった。
という訳で万年筆はコレクションとしてなら一生物。
実用品としては長く使える消耗品。
勿論、ロマンや書き味など、万年筆の魅力は語りつくせない程たくさんありますが、それは、また別の機会に。。。ではまた!