27.「もっと言ってはいけない②」橘玲
■具体的なアクションは?
学業は遺伝の差がが出るかもしれないが、仕事は異なる。頑張って性格スキルの改善に努めていれば、どんな知能でも報われるから、とにかく目の前の事を頑張れ。
■結論
仕事のスキルは性格スキルに依存するようで、しかも伸ばせるみたいなのでビジネス的な成功に関しては結局努力によると考える。
■結果
・一卵性双生児が異なる環境で育っても能力は一緒。つまり家庭環境は関係ない。家庭環境が関係ないならば、人格形成や能力に子育ては関係ない。
・生まれた瞬間に55%の人の成績は決まっている
・成長と共に遺伝の影響出てくる、幼児期40%、成人期70%
・努力は報われるのか?ある程度報われる、努力によってたどり着く場所は決まる。
■詳細は下記
日本人の1/3が日本語を読めない、それでも仕事が出来ていたのは直感という暗黙知があったから。その暗黙知は機械に置き換えられ、新興国に流れている。知識社会に適応できる1割と適応できない9割の間で格差が拡大している。
日本人は遺伝的に不安感が強い
良い環境ならば大輪の花が咲く
悪い環境ならばあっさり枯れてしまう
→咲ける環境に移ることが大事
一卵性双生児と二卵性双生児の違いを検証した
→遺伝なのか環境なのか?
相関係数は一卵性は0.8、二卵性は0.4
何万人ものデータを集めて比較して検証した
似ているのは遺伝子を100%共有しているけど、同じ家庭で育ったからではないか?
→異なる家庭で育った場合、遺伝だけの影響を見ることが出来る
結論、育った家庭に関わらず、一卵性双生児は同じようによく似ていた
つまり、子供の人格や能力に子育てはほとんど関係ない、と言える
公道遺伝学、科学の世界では常識
学業成績 55%
論理的推論能力 68%
一般知能(IQ) 77%
神経症傾向 46%
音楽 92%
数学 87%
スポーツ 85%
ADHD 85%
アルコール中毒 54%
喫煙(男性58%、女性54%)
→生まれた瞬間に成績の55%は決まっている。大学の先生の子供が頭がいいのは当然だし、アスリートの子供が運動が出来るのは当たり前。
年齢と共に遺伝率は上がる。成長と共に環境の影響を受ける、と考えられるが、公道遺伝学では逆。つまり、成長とともに遺伝の影響が大きく出てくる。幼少期には40%だが、成人期には70%程度になる。
親の言う事を聞いて一生懸命勉強する子供は最初は成績が良いが、中学受験や高校受験の頃になるとそれまで遊んでばかりいた子供にあっという間に追い抜かれる。思春期に向けて徐々に能力が開花していく。成長するにつれて地頭の良さが発揮される。子育てが報われるのは子供が小さい時だけ。
生後1か月以内に養子になった黒人の子供のIQは黒人の平均と比べてはるかに高い。しかし、その効果は思春期に向かうにつれて徐々に消滅し、生まれつきの水準に回帰した。知能に対する遺伝の影響は成長と共に高まり、幼児教育の効果は思春期になるとほぼ消滅する。
誕生から5歳までの間が重要。ここまでに英才教育が必要。11歳のころまでに基盤が固まる。ではどんな努力も無駄になるのか?
→そんなことはない。仕事に必要なスキルは別物である。
・認知スキルと性格スキル
青年期の教育は性格スキルを高めるには影響している。
認知スキルは11歳頃までに基盤が固まるから、誕生から5歳までの教育が重要。それ以降は何をしても知能は伸びないのだから教育に税を投入するのは無駄 by 経済学者 ヘックマン
性格スキルは10代以降でも伸ばせるので青年期の努力は性格スキルに集中するべき。性格スキルは努力で伸びる。
正確の遺伝率が50%で、知能が80%であり、性格の方が環境の影響を受けやすいと言う行動遺伝学の知見にも合致。
勤勉さなどの仕事の成功に最も大きな影響をもたらす性格スキルは10代以降も伸ばせる。全寮制の学校とか自衛隊とか、厳しい環境に入れば良い方向に変われる。
真面目さと勤勉さは後から伸ばせる。天才数学者は難しいかもしれないが、努力はある程度報われる、ということ。性格スキルを伸ばす、ということ。
一般知能IQテストは3桁x3桁の暗算とか、図形の展開図を早く組み立てられる、バラバラに置かれた積み木の数を一瞬で把握するなど。これらのテストの結果は仕事で本当に必要なのか?実際はそうでもない、計算必要なら電卓とかエクセル使ってやれば良いし、仕事の結果にはそんなに関係ない。
頭の良さの定義は難しい。言語能力、暗算早い、的確な返しなど。
・努力が報われるのか?
努力によってたどり着ける場所は決まっている
自分の行ける限界は能力で決まる
■私の感想
結果としては仕事がうまくいくか否かは努力の量によって決まる、というのが本書の結論だと思う、イチローや数学的な天才を除く、私を含むその他99%の人たちは仕事で良い結果を出すために毎日改善を続けるのが良いと感じた。自分の仕事に関して置き換えてみれば
・仕事の進め方
・メールの出し方、文章校正、言葉遣い
・会議のとりまとめ方法
・Projectの始め方、企画書の作り方
・回路設計のやり方、回路の理解、最先端の知識
・動画編集、アクセス分析のやり方
こういう後天的に見につくものの方が仕事では役に立つので、結局は自分の欠点を改善しつつ、長所を伸ばしていく、というのが仕事でうまくいくためのコツだと感じる。
5歳までに能力が決まるのかもしれないけど、そんな他人が決めた限界なんてクソくらえだね!勝手に人の限界を決めるとか、私ならやらないね、だって可能性があるって思っていた方が幸せだし、楽しいから。自分の人生なんだから自分で限界を決めて満足いくまで挑戦すれば良いんじゃないかと思った。
私は挑戦し続ける。