混迷する日本政治の現状と歴史の意味

11月11日に特別国会が召集され、総理大臣をだれにするのかが決められる。今回の衆議院選挙には行かなかった。というのも誰に託せばいいのか選挙の日までに見つからなかったからである。リーダーを選ぶ基準がなんなのか?思いあぐねて、私の敬愛する塩野七生さんの「痛快ローマ学」なる本のことを思い出して久しぶりに再読した。少し引用すると、イタリアの普通高校の歴史の教科書にあるそうだが、指導者に求められる5つの資質とは?
知力・説得力・肉体上の耐久力・自己制御の能力・持続する意志なのだそうである。イタリアの若者にこれを提示していることにまず、驚かされる。日本の教科書は時系列に沿って四大文明あたりから、史実が語られていく。どっちがいいのかはさておき、5つの資質がおもしろい。日本なら、さしずめ、実行力・決断力・判断力が来るのではないだろうか。古代ローマ時代の指導者をこの5つの項目で100点を満点にしてつまり500点満点で採点してある。500点満点はギリシャ・アテネの民主政治を完成させたペリクレスとローマのユリウス・カエサルの2人だけ。アレクサンダー大王やハンニバルなどは個人の軍事的才能や統率力はすぐれているものの、国民を説得する能力は80点どまり。最後になぜこの5つなのかを引用しておきます。
「国家であろうが企業であろうが、リーダーに求められるのは結果をだすということです。どんなに立派なことを言おうと、結果を出せなければリーダー失格というしかない。それにはまず、現状を正確に把握したうえで、自分の考える政策をどう実現させるかを考えだす知力が必要です。そしてその実現のためには反対派を味方につけるほどの説得力をもっていなければなりません。またリーダーとは激務なのですから、それをこなせるだけの肉体上の耐久力が必要です。さらに目的達成のためには、リーダーは自己の欲望や感情をコントロールできなくてはなりません。一時の成功に舞い上がって、初志を忘れてしまっては困るのです。また逆に、どんな困難や抵抗に遭おうとも初志を貫徹するだけの強さを持っていなければなりません。それが自己制御力であり持続する意志ということです。そうしてこそ目的は完遂するのです。」
よおし、もう一回この基準を参考にして現実を見てみよう。今は無名でもきっとどこかにいるはずだ。次代の日本のリーダーが!

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