特別なシステムの導入なく、Googleフォームで生徒の進捗管理をする方法
オンライン授業では、生徒に課題を配布し演習をやってもらうことがあります。
ラーニングマネジメントシステムが搭載されたオンライン学習を使っている学校なら生徒の進捗をシステムで管理できますが、N高等学校ではその他の方法を使っています。
N高等学校が実際に行っている、生徒の進捗管理ができる方法をご紹介します。
通学コースのプログラミング授業について
進捗管理の話の前に、まず通学コースのプログラミング授業についてお話します。
通学コースにはプログラミングの授業があり、“つくることで学ぶ”ということをとても大切にしています。プログラミング学習は、N高オリジナルの学習アプリ「N予備校」〔※〕のプログラミング教材を使い、体系的に学びますが、生徒たちの中でつくりたいものがある場合は、そのものづくりに取り組むことも可能です。
(N高ブログ:柏キャンパスの新しい企画「プログラミング進捗発表会」)
※N予備校:N高生のために開発されたオリジナル学習アプリで、必修授業と課外授業の学びに利用しています。映像と授業テキストが同一画面に表示されるなど、パソコンやスマートフォンでの学習に最適化された教材です。
そうすると、教室では生徒一人ひとりがそれぞれ違うものに取り組んでいることになり、進捗管理や手が止まっている生徒を適切なタイミングでサポートすることが難しくなります。
そこで、通学コースの授業ではGoogleフォームを取り入れています。毎回の授業で生徒に「この時間で何をやるか」、「順調に進んでいるか」を回答してもらい、授業の時間を有意義に過ごせるようサポートしています。
Googleフォームについて
Googleフォームは、ネットワークに接続すれば誰でも回答できる仕様にすることができ、回答者がGoogleのアカウントにログインしていればアドレスを収集することも可能です。
個人情報を収集する場合は取り扱いに細心の注意が必要ですが、オンラインで多くの生徒から回答を得る場合に使い勝手の良いサービスです。
授業でのGoogleフォームの使い方
私たちが授業でどのようにGoogleフォームを使っているかご紹介します。
まず、質問項目としては、
①今日進めること
②順調度
の2点です。「N予備校の〇〇の課題をクリアする」や「プログラミングの解説動画をこのページまで見進める」など、今日の授業で行う課題や目標を回答してもらいます。そうすることで、生徒たちがどんなことに取り組んでいたかを把握することができます。
そして、その回答をもとに、“サポートが必要な生徒から優先的に”面談を行います。優先度は、
1.「順調でない」と回答した生徒
2.「今日進めること」の回答がふわっとしている生徒
3.その他の生徒
の順番です。とくに「2」が重要で、「今日進めること」はなるべく具体的に書くように指示しますが「頑張る」や「N予備校の学習を進める」というふわっとした回答が集まることもあります。
ふわっとした内容を書く生徒は、授業の1時間もふわっと過ごすことが多いです。そのため、面談を通してきちんと生徒たちにアドバイスすることを心がけています。(画像は授業を運営するための研修資料の一部です)
まとめ
オンライン授業だからこそ、“生徒のモチベーションをどのように保つか”は、より重要なポイントだと感じています。
順調に進んでいると思っていた生徒が知らないうちにつまづいていた、ということもあります。生徒の進捗を把握し、何かあれば少しでも早く生徒たちをサポートすることが大切です。
生徒の進捗管理をするうえで、“他にもこんな方法がある”ということがあれば、ぜひ教えていただけると幸いです。