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一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会より

高山淳様

この度は御問合わせありがとうございます。腸内フローラ移植臨床研究会の〇〇〇〇〇です。

お返事が遅くなり本当に申し訳ありません。

現在、脳と腸の相関関係については多くの論文が出ており、便移植=FMTが、様々な疾患の治療法としての可能性を世界中で模索されているのが現状でございます。

海外では、自閉スペクトラム症や認知症でもすでに大規模な治験がスタートしたという報告もございますが、日本国内では限られた腸疾患に対して、一部の大学で治験が行われている状況でございます。

当研究会におきましても、消化器系の専門医は多くいるものの、精神科の専門医が移植医療機関としての登録に至っていないのが現状でございます。

しかし、高山様のおっしゃる通り、薬物などの治療で効果が見られない患者様も多く、新たな治療法としての便移植が注目されております。

治験となると大学など倫理委員会を持った組織であること、費用については一部の検査などは患者様の負担となっている場合もございますが、基本的には患者様のご負担はわずかなものであることとなっております。

それらは、製薬会社であったり大学であれば国からの研究費などによって賄われております。

当研究会は、サイトにも掲載させていただいているので重複した説明になることをご容赦いただきたいのですが、独自の第三者によるドナーバンクを有し、移植用の菌液を調整する際にも、一般的な生理食塩水ではなく独自で開発した水素NanoGAS(r)ウォーターを使用しており、その結果他の方法よりも高い奏効率を保持しております。

ドナーはボランティアで便を提供いただいていますが、定期的に安全な便であるかを厳重に調べるための血液検査や便検査を行っております。

そういった費用が患者様からいただいている移植費用に含まれているということも金額が高くなる原因でございます。

私たちも何度も補助金の申請を行って参りましたが、臨床研究を伴う研究は大学との連携が必須であり、残念ながらまだ採択には至っておりません。

精神疾患の患者様の場合、特に寛解したということを客観的に証明することが難しいことが多くございます。

実際に移植をお受けいただいた方も、変化を感じられる時期や程度には個人差が大きく、中には期待するような変化を感じていただけないこともございます。

移植をご希望の場合、かかりつけ医との連携をお願いしておりますが、精神科医の先生が全て便移植に理解のある方ばかりでもなく、かかりつけ医、移植担当医、菌液調製チームで患者様にとって最善の道を探るということが難しいのが現状です。

しかし、今年から自閉スペクトラム症の取り組みが始まりました。

大阪大学の片山泰一先生が開発された「ゲイズフィンダー」という計測機器は、自閉スペクトラム症によるこだわりやコミュニケーションの取りづらさを客観的に計測するものです。

まだ医療機器の認可は降りておりませんが、現在移植の前後で計測しその変化を集計しております。

こういった取り組みの積み重ねが、税金を使って新しい医療として認可できるかの第一歩に進むことと考えております。

自閉スペクトラム症に関しましても、まだ治験ではございませんので患者様のご負担は決して少なくはありません。

しかし、費用をご負担いただき便移植をお受けいただく患者様のお陰で、私たちは次の移植へと取り組ませていただいております。

患者様にとりましては、今この時間が辛くすぐにでもまた少しでもその苦しみを軽減したいというお気持ちであることは重々承知しておりますが、日本国内で治験として便移植をお受けいただける時期に関しましては、本当に心苦しいことですが明確な時期をお約束することは出来ないのが現状です。

高山様ご自身も、また高山様の周りにおられるお知り合いの方も、今日この時間もお辛い時間を過ごされているのではと想像すると、一日も早く誰もが安心して受けていただける医療にしたいという思いを改めて強く持ちます。

金額のことがハードルとなって、移植に対して二の足を踏む方もおられることも心が痛む思いでございます。

ご期待に沿えるようなお答えにならず大変申訳ございません。

治験とまではいかなくとも、将来移植の件数が増えプラントやドナーバンクの維持費用もお一人ずつのご負担が軽減されること、また現在取り組んでいる「菌液自動調整装置の開発」(こちらはものづくりの補助金が採択され着手することが出来ました!)が完成されると、さらに精度を上げコストダウンが図れると考えております。

腸内細菌の研究はまだ始まったばかりですが、世界中で猛スピードで研究が進んでいるということも事実です。今よりも費用を下げる目途がついたり、治験が行わることなるなど、何らかの進歩があれば高山様に必ずご報告いたします。

何卒当研究会の活動をご支援くださいますようよろしくお願いいたします。

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一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会
評議員 〇〇○〇〇 https://fmt-japan.org/

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