私たちはもっと地球のことを気にしないといけないのかもしれない
緑の巨人?なんだそりゃ?といった感じでしょうか。
グリーンジャイアント、とはタイトルにもある通り台頭してきた再エネ企業のこと。
日本で生活していると、ニュース等で
・カーボンニュートラル
・SDGs
・脱酸素
・地球温暖化
なんて単語を聞くことは多いですが、実際に自分達の生活にそれらがどんな影響を及ぼしているのか?と聞かれると答えに窮する人が大半かと思います。
・環境と燃費に配慮してハイブリットカーを買った
・家で使う電力は再生可能エネルギー企業から買っている
・環境に配慮してエコバックを持ち歩いている・・・等々
具体的に思い当たるのは、こんなところでしょうか。
多くの方は、AとBという商品があって、仮に同じ値段だったとしたらより環境に配慮して作られている方を買うかな、という程度かと。
本書を読み、いかに自分の認識が甘かったかということを痛感しました。
エネルギーに興味がある人、と言ったレベルではなく、全社会人に読んでもらいたい。そんな一冊です。
もはや環境への配慮は、企業のアピール材料と言ったレベルではなく、世界経済を動かすレベルにまできている、そんなことがよくわかる一冊です。
●電力
「ネクステラ」という社名。聞いたことがありますでしょうか?
「エクソン・モービル」こちらは大半の人が聞いたことがあるでしょう。
昨年、ネクステラという日本でもほとんど知名度がない会社が世界的に有名なエクソン・モービルを時価総額で抜き去るという衝撃的な事件がありました。
ちなみに、ネクステラというのは風力、太陽光、原子力と言ったクリーンなエネルギーを主体とした、アメリカの電力会社。地方出の小さな電力会社が成し遂げた快挙に、エネルギー業界は騒然となったわけですね。
日本で言えば、地方の電力会社が大手石油会社なりより大きくなった、そんなイメージでしょうか。ネクステラ薬疹の背景にあったのは、環境への意識の高まりと、脱炭素に向けたアメリカの政策・制度の整備でした。
●食料
思わず、「著者、うまい!」と思ってしまったのが牛のゲップの例。二酸化炭素排出、という観点から見ると、実は世界中の牛のゲップは全排出量の4%に当たるのだとか。牛よ、我慢するわけにはいかんのか・・・
カロリーに対するエネルギーの投下量等観点からも、肉食は以前より問題視されてきていたところです。家畜に与える穀物を育てるのにも膨大なエネルギーを消費し、それを家畜が大量に食べ、輸送する。トータルすると、同じカロリーを得るにしても肉と穀物を比較すると、とんでもないエネルギー浪費が生じている、というわけですね。そこで出てきたのが代替肉だったり、植物性ミルク。
日本でも最近、植物性のミルクとして豆乳のみならず、オーツミルク、アーモンドミルク等を頻繁に見かけるようになりました。健康志向の人はすでにお馴染みかもしれませんし、スタバ等に行っても、牛乳だけじゃなくミルクの種類が選べるようになってきています。
代替肉については、日本はまだソイミートを見かけるようになってきたかなーと言ったレベルですが、米国では普通にスーパーに売られていたり、著名人が出資対象としていたりで注目されています。
ちなみに、アジア圏でも拡大してきているそうですので我々が口にする日も近いかもしれません。
自分も含め、多くの人は「カーボンニュートラルといった取り組みは、国なり大手の企業が頑張るべきこと。自分達にはあんまり関係ない。」という意識かと思います。
しかし、本書を読んで現状の「ヤバさ」と、日本以外の動きというのを俯瞰してみると、そんなことを言っていられない時代が来るのはそう遠くないことが痛切に感じられるところです。
自分も、子供が出来てから少し環境問題への興味が高まりました。
彼・彼女らが成長したときに「お父さん、なんでこんな世界にしちゃったの?!」と言われないように、また、言われたとしても明確に答えられるようにしておきたい。
エコバックの持ち歩きなり割り箸を使うのをやめると言った行為は、実は二酸化炭素排出の削減にあまり寄与しない(割り箸の多くは間伐材からできている)と言った議論もあります。けど、仮にその行為自体に効果がなかったとしても、環境を大事にしなきゃという意識づけに役立っているなら、それはそれでいいのではないか。ゴミの分別だって、最初は面倒臭いな、とか、なんで2種類もゴミ袋を買わないといかんのだ、という心理的反発も多少ありましたが、慣れてきます。
自分達が成長させてもらった地球、そして、今の子供たちが活躍するのも地球。
良い状態で襷を繋いであげるのも、我々の役目ですね。