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育児本というよりコミュニケーション全般に通じる内容でした〜子どものお悩み110番/秋山仁志・福田遼

今回も、本書を読んで子育てに限らず大事なことだなと思った2点、自分の考えも交えつつご紹介したいと思います。

悪口は科学的にも自分に悪影響があるらしい

人の陰口を言うべからず。
結構、子どもの頃からよく聞いていましたし、自分も心がけていることです。

なぜ自分が他人の悪口をなるべく言わないようにしているかというと、理由は大きく二つ。
一つは母親の影響です。
父親もですが、私の両親は基本的に建設的に他人を批判することはあっても、人格の否定をしたり、解像度低く人物全体ついて悪く言うことがほぼない人でした。
何か本人がいないところでその人の話をする時には、必ずといっていいほど根拠のようなものをつけて、ここの部分はよくないと思うと言う言い方をしていました。
そんな環境にいたからか、自分もあまり他人の悪口を言わずに育ってきました。
今の自分の性格を鑑みるに、多分、他人にそんなに興味がないと言うのも大きいと思いますが・・・w
もう一つは、自分の性格上、他人の文句や悪口を言ってる暇があったら自分で動いた方が早いと言う考えをしているから。
他人は変えられないけど自分は変えられる。そんな言葉を聞くこともありますが愚痴的なものを含めて、「そんなんいってる暇あれば自分でなんとかすれば」とドライながらに思ってしまいます。
それ故に他人が愚痴ってるのを聞くのは非常に苦痛というデメリットもあるのですが・・・。

で、本書で初めて知ったのは、悪口は科学的にも(自分に)悪影響があるということ。
メカニズムとしては、

  • 悪口を言うと、やる気や快楽に関わるホルモン「ドーパミン」が放出され、楽しい気分になります。しかし、ドーパミンは「より大きな刺激」を求める脳内物質でもあるため、悪口を言うことでストレスが増加し、脳を傷つけ、寿命を縮める可能性があります。

  • 悪口を言うと、ストレスホルモンであるコルチゾールも分泌されます。ストレスは健康に害を与えるため、イライラするからといって悪口で発散しようとしても、結局はストレスをためるだけになります。

  • 悪口を言うことは、自分自身を非難しているのと同じこととして、脳はとらえます。悪口やネガティブな言葉は、自分の脳にもネガティブなメッセージを伝えてしまいます。

ということだそう。
確かに、自分の周りにも数名「口を開けば悪口ばかり」という人が数名います。
なんであんなに悪口ばかりなのか、と思ってましたが快楽物質(ドーパミン)が出ちゃってるなら、依存症状態になるもの仕方ないか、というところです。

あと、こういう科学的知見って知ってるだけで子どもと接する時に大きな武器になる気がします。
たとえば、悪口が止まらない子がいたとして、「悪口はよくないよ」と話をすると、多くの場合「なんで?」と聞かれるでしょう。
これらの知識を得る前であれば、
「その人が聞いたらどんな気持ちになるかな?」
「周りの人も嫌な気持ちにならないかな?」
といった、どこか隔靴掻痒感のある説得のさせ方しかなかったものが、
「自分に振り返って来るよ」
と堂々と言えるわけです。
それでもいいと思うならご自由に続けなさい、ですねw

時には目的論的な考え方をしてみるものも大事らしい

嫌われる勇気の大ヒットで一躍有名になった「目的論」という言葉。
ざっくりいうと、子どもに何かしらの症状が出た場合に、これまでの原因論だと過去にあったことを調べにいくのに対し、目的論では今何かしらの目的(達成したい事)があるからそういう症状が出ている、という2分される考え方。

多分、どちらが100%正しくて、どちらかが間違ってるということではないのでしょうが、解決策という面では目的論の方が立案しやすいというメリットはあります。

たとえば、過去のトラウマであいさつができない子がいたとして、過去の原因なり出来事をいかに深掘りして答えに辿り着いたとしても、過去の事実は変えようがありません。
他方、目的論では「あいさつをしない」ことで、彼・彼女にはどんな良い点があるのかという考え方をします。
目的論で考えると、たとえば薄い反応や無視されて自分が傷つくことを避けているというのであれば、傷つかないような環境から練習し始めるとか、相手が聞こえずに無視するケースだってあることを納得してもらって・・という解決の道筋が見えてきます。


で、この考えを広めてみると、子どもへの接し方にも変化が生じるかと。
これも、癇癪を起こす子を例に考えてみたいと思います。
子供があるタイミングで癇癪を起こし、親が必死になだめようとする。
時々、お店などでも見かける光景です。
「これ買って−!!」なんて声が聞こえてきそうな・・w
もしかしたら、この子の目的がものを買ってもらうことではなく、親に注目してもらいたいからなのかもしれない。
そうすると、癇癪する子を前に必死に泣かないように焦る親は、子どもの欲求を満たしてあげているとも言い換えることができます。
これを続けるとどうなるか。

答えは見えてますよね。
子供からしたら、「よし、癇癪を起こすとお母さんやお父さんが自分に注目してくれるぞ」となるわけです。

表面的なアクションを抑制すべく、結構インスタントな解に頼ってしまうことってよくあります。
ちょっと強めに命令してみたり、お菓子や好物で釣ってみたり。
でも、少し視野を広げると、インスタントな解が状況を悪化させてるケースも多分にあるな、と思ったわけです。

子育てに限らず、ですね。

長々と記載してしまいましたが・・・こんな、子どもに限らずコミュニケーションのヒントが詰まった素敵な一冊!

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