冗談抜きで日本の科学力向上のために全国の小中学校の図書館に配備したい漫画
読了(再読)。
前回の読了から結構時間が空いてしまったため、失念している箇所も多かったので新鮮な気持ちで楽しめた。記憶力が極めて乏しいことを嘆いてばかりの日々ではあるが、こういう時にのみその能力が活きてくる(?)。
完結の際には結構いろんなところで話題になっていたので、漫画のタイトルDr.STONEを見たり聞いたりしたことがある方も多いかと。
先に言いますが、再読し、本投稿のタイトルにあるような気持ちになっています。小中学制に限らず、大人が読んでも日常生活における科学に興味が持てる、そんな作品。
こういった教育漫画は、”ただキャラクターが教科書にあるような文章を順番に喋る”みたいなものになってしまいがちだが、ストーリーとしての面白さ、科学の魅力のアピール、キャラクターの魅力、全てが高いレベルでバランスされている。
漫画のラジオというpodcast番組で作者の稲垣理一郎さんも、面白く読んでもらうことと教育的な要素のギリギリのラインを狙っているという旨の発言をしており、そこまで考え尽くして作られてたんだ、と納得感もありました。
ストーリーは、
”石化光線により世界中すべての人間が石と化し、数千年の時を経て主人公・千空は石化がとかれる。しかし、周りの人々の石化は解かれておらず、経年によりあたりはジャングルのような状態に・・・。そこで、千空は科学の知識を生かし、ゼロから文明を作ることを決意する。紆余曲折を経て、ついに石化光線の謎を解くことに成功する。”
というもの。以下に自分の思う本作の魅力をご紹介したく。
科学の知識が身に付く
石鹸、電話、車・・・普段、それらは何からできているのか、どういう原理で動いているのかということは意識せずに生活しています。しかし、本当に何もない状態から作るとなると、材料(素材)からメカニズム、作り方などの幅広い知識が必要になります。千空の口を通してそれらが解説され、新鮮な驚きと共に自然と知識が身につきます。
海岸に落ちている貝殻から石鹸を作れることも紹介されており、びっくり。
科学知識を身につけることは、日々の生活における解像度のようなものを高くしてくれる他、サバイバルの力も高くしてくれそうですね。
個性的なキャラクター
それぞれ、個性的なキャラクターも魅力の一つ。科学バカ、体力バカ、戦闘能力が高いもの、天才的な器用さを持つもの・・・。みな尖っていて、多くの読者は「推し」のキャラクターが見つけられるようになっています。
個性的であることに価値が見出されるようになってきており、そういった世間的な流れにも合致している作りになっています。
ちょっと見方を変えると、個性的であってもそれぞれに活躍する場がある、適材適所で、自分の活躍できるフィールドで花を咲かせましょうというメッセージなのかもしれません。
単純にストーリーが面白い
(ネタバレ注意)途中まで、黒幕がいて石化光線を放つ装置を地球に投下してきた、という流れで話が展開し、千空もその”黒幕”を探しに、宇宙船を作り月までたどり着きます。しかし、蓋を開けてみると石化装置そのものが機械生命体であり、黒幕だったというオチです。石化により人間に永遠の命を与え、それに寄生しようとするのが石化装置の意図するところというものでした。
いい意味で、期待を裏切る結末。
千空の石化が解けてから月に入って黒幕の正体が判明するまでの、悪役を倒す、次のステップに進むための科学のアイテムを手にいれる、という個別のストーリーの積み上げも丁寧に話が作り込まれており、大人でもハラハラドキドキ。
個人的には、諸事情で再度全人類が石化したところから、スイカという少女のキャラクター一人が目覚め、再度科学の力で人類の石化を解いていくところが涙なしには見られませんでした。過去の積み重ねで今がある、そんな当たり前のことを再認識させてくれるストーリー。
最近、面白い漫画が多すぎて時間が足りません。。。
超絶おすすめ!損はさせません、即ポチって読んでみてください。