天才プログラマー金子勇さんついて知ってみよう
休日、半日ほど時間ができたので前から気になっていた映画「Winny」を鑑賞しました。
恐らく自分と同年代(30-40代)で少しパソコンを使ったことのある人であれば、winnyの存在だったりPtoPのファイル共有のことはある程度耳にしたことがあるかと。
自分も金子さんが起訴されているニュースまではみていましたが、当時(20年前)それほど関心が高くなかったこともあり、詳細は追っていませんでした。
映画を通し、善悪の判断の複雑さであったりとか、金子勇という天才プログラマーを開発環境から遠ざけた、そして早期に亡くしてしまったことは日本のソフトウエア業界に取って大きな損失だったと感じざをえません。
今回の映画でも、やはり報道のあり方というのを考えさせられました。
金子勇さんの生涯
有名人なので、多くのサイトでまとめられています。
映画のなかのエピソードとして、本屋でコンピューター関係の書籍を立ち読みし、電気屋さんのマイコンに打ち込んで試すというお金がない中での工夫の様子が見られます。
ありがたいことに、本屋さんの店主や電気屋さんの主人もそれを咎めることなく、むしろプログラムを「そのままにしておいてよ」というくらいおおらかで牧歌的な環境だったようです。
話が変わって娘とよく公園に行くのですが、ある程度の市街地にある公園ではキャッチボールが禁止されていたり、火の扱いが厳禁だったり。
確かに危険だというのはわかりますし、今は然るべきお金を支払うと、スポ少で正式なコーチについて野球を習ったり、キャンプの模擬体験ができたりします。
でも、30年も前の自分が小さかった時のことを考えると、こうやって「親に了承してもらわないとできない(お金がかかる)」という環境は、子供の創造性なり発想力を育てていく観点から、あまりよくない気がしてます。
例えば、自分は親のライターとかチャッカマンを借りて、家の前で子供たちだけで花火なんてことをやったりしてました。(おすすめはしません・・・笑)
でも、その中でライターってどんな原理で火がつくのかなー、とか、こうすると危ないんだなーと言ったことを学んで行った気がします。
話がそれましたが、もしかしたら周囲のおおらかさがなかったら金子さんはもしかしたらライジングすることなく一生を終えていたかも知れません。
それを考えると、子育てにおいて環境設定って大事だとつくづく思います。
悪者は誰だ?
金子さんはwinnyというファイル共有ソフトを開発・頒布し、著作権法幇助の罪で逮捕されます。Winnyというソフトを作った時点で、著作権法侵害に利用されることは分かっていただろうという理論です。
それに対し、金子さん及び弁護団は、車を作った時点で事故が予見できていたとしても、それで車を作った人を罪に問えるのか?いや、問えないだろうという当たり前のことを主張し無罪を勝ち取るために徹底的に戦います。
当時の報道を思い返してみると、金子さんというかWinny開発者向けにかなり厳しい目を向けたものばかりだったと記憶しています。
また著作権侵害の被害が出た、公的文書も流失してしまったようだ、と言った一方的な内容があったと記憶しています。
もちろん、検察側の言わんとしていることも理解できなくはないですが、冷静に考えるとこじつけの部分が多い気がします。
映画なので実際とは異なる部分もあろうかと思いますが、裁判って、頭のいい人たちが緻密に積み重ねてできるだけ客観的に正しい結論を導き出そうとする行為ではなく、双方の主張によるぶん殴り合いであるということがよく分かります。
もしかしたら・・
裁判で争っている途中にプログラム開発ができず、かつ、ドラマのように彼は無罪を勝ち取ってすぐに心筋梗塞で亡くなっています。
自分はプログラムやソフトウエア業界にそれほど明るいわけではないですが、彼がプログラム開発から離れていた数年間、もし、開発に携われていたらどんな未来を迎えていただろうと思ってしまいます。
本事件が原因というわけではないでしょうが、プログラム環境においても日本はGAFAMの後塵を拝している状況であることは言うまでもないでしょう。
今から何かしらの対策を取ってどうにかなるものでも、世界で一番を目指すことにどれだけの価値が今後出てくるかは分かりません。
ただ、プログラマーという日本を支える人たちにとって安全して開発に取り組める環境であって欲しい。
そう願ってやみません。