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なぜビジネスマンにとって「財務会計の知識は必須」と言われるかがなんとなくわかった話

松本めぐみさんという方の財務会計の動画(Udemy)が面白かったので、概要をシェアしたいと思い、書いています。

社会人になり、ビジネスマン向けの雑誌なり書籍を手に取ると、「英語、財務会計、ITの3つはこれからの時代、必須科目!」と言った内容を頻繁に目にします。
それなりの企業規模の会社に技術職として入社した自分からしても、英語とITはなんとなく必要性は理解するとこでした。

英語については、たまたま専門性の高い業務を遂行する上で英語論文の読解が必須となり、一時期まとまった数読んでいました。正直、今はDeep Lをはじめ、翻訳の精度がめちゃくちゃ高くなってきているので、概要を把握するだけであれば英語の運用能力の必要性は相対的に低下してきているかもしれません。
でも、微妙なニュアンスの読み取りであったり、書く・聞く・話す機会も少なからずあったことを踏まえると、勉強していてよかったなと思いますし、英語の必要性も体感するところでした。

ITに関しても、パソコンの操作に習熟することは業務の効率化に直接的につながりますし、今はDXの波が押し寄せてきています。
どんな業種でも、影響ゼロというわけにはいかないでしょうし、積極的に情報を仕入れ、自分たちの業務に適用していくことは、生産性の向上にも資するところかと思います。

前置きが長くなりましたが、3つ目の「財務会計」。
正直、自分はこれまで技術職として仕事をしてきて、その必要性を感じることはほとんどありませんでした。意識としても、技術屋は技術力を磨いて、安全・安心なものを提供することが仕事じゃい!と、あまり会社の数字に真摯に向き合うことがなかったというのが(恥ずかしながら)正直なところです。

もしかしたら、それなりの規模の会社で直接的に会社の収支をあまり気にしなくても問題ない部署に所属している方も、以前の私と同様、「なんで財務会計の知識が必要って言われるんだ?」という状態かと思います。
先日、松本めぐみさんという方の動画を見て、腹落ちする部分があったのでシェアしたいと思います。
動画の概要としては、彼女の提案する「風船会計メソッド」なるものの解説動画ですが、動画の最後には「会計の社内教育により社員の意識が変わり、会社が良い方向に変わっていった」という壮大なストーリーも話されており、その波及効果の大きさに驚いたところです。

豚と風船

内容は至ってシンプル。
なぜ豚と風船としたかは不明ですが、
貸借対照表を豚、損益計算書を風船としてそれらの読み解き方、意味を1時間半ほどで解説するもの。

財務会計の知識がほぼゼロの社員さんのことも意識されたのでしょう、本当に必要最低限、ここだけは見てというポイントも明快。読み方としては、よく見る貸借対照表の4象限の図をイメージしてもらい

①右の列を縦に見る:負債と自己資本の比率を見て、どれくらい会社の財布にお金があって、借金がどれくらいあるかを知る

②左の列を縦に見る:流動資産と固定資産の比率を見る

③下の行を横に見る:固定資産と自己資本の比率を見る

④上の行を横に見る:流動資産と負債の関係を見る

という順序で読んでいきます。で、これを
縦!縦!横!横!
と標語にしておりました。確かに、印象に残りますね。

で続いては風船(損益計算書)の話。
これは、風船と風船の中に錘が入っているのをイメージします。
風船は売り上げ、錘は変動費を示しており、これらの体積差=ヘリウムガスの部分が利益というわけですね。
で利益が固定費に対して多いか少ないかを比較することで、会社がうまく行ってる・行ってないを判断しましょう、というもの。

で、会計の知識を教育したらどうなったか

結論から言うと、「社員が会社の置かれている状況を理解できるようになり、一緒の方向を見て仕事ができるようになり、会社が変わった」と言う話。

自分の身に置き換えてみても、なんとなく理解できるところでした。
実体験で言うと、ある時提出した予算案に対し、上層部から
「5%削減せよ」
との指示がありました。
正直、その数字だけをみてしまうと
「こっちだってギリギリでやってるのに」
「また機械的にコストを抑えろって言ってきたよ」
と、場合によっては反発に近い感情も芽生えてきてしまいます。

これが、会社の数字が理解できると、少しずつその背景が読み取れるようなり、自分事に近づいていきます。
上の例も5%の背景に
・会社は昨年の収支が悪く、今年度は全社で〇〇億円支出を抑える必要がある。
・各部の予算案比率的に、自分の所属する部は⚫︎億円の低減が必要そうだ。
・そのためには、なんの予算を5%削減する必要があるんだ。
といった事情があることがわかれば、少し”自分事”になる気がしませんか?
当然ですが、会社だって無尽蔵に給料を提供してくれるATMではなく、社員で稼がないとお給料が出ないですからね。

松本さんの会社も、そうやって社員の会社の状況に対する解像度が上がり、一体となって仕事ができるようになったことで大きく変化したそう。

確かに、学生時代にほとんど触れることがない財務会計の知識ですが、自分の仕事が会社の数字のどこにどう影響しているのかというのが少し理解できるようになってから、自分の仕事に向き合う姿勢というか意識も変化した部分があります。

新入社員の方・技術系の方でまだ財務会計の勉強をしたことがない方。
今は色々と良い教材・動画が簡単に手に入る時代です。
是非、勉強してみてください。(偉そうに言ってる本人も初学者に近いですが・・・w)

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