
Forgiveness
近年、ネット社会における誹謗中傷や炎上など、攻撃的な言動が目立つようになっている。SMAPの元メンバーである中居正広氏のニュースが日々、報道されていて様々な憶測が飛び交っているが、ちょっとした危機感を覚えるので少し文章にしておきたい。
中居正広氏は、1991年にアイドルグループSMAPのメンバーとしてデビューし、抜群のトーク力と司会能力で、長年バラエティ番組や情報番組を牽引してきた。
歌が抜群に下手という、アイドルとしてはそこそこ大きなディスアドバンテージを抱えているが、ダンスの能力や司会進行のうまさ、そのキャラクターも相まって長年司会役として君臨してきた。
どこまで本当かは不明だが、共演者やスタッフへの気遣いを欠かさず、その温かい人柄は、多くのファンから愛されていたように感じている。
そんな盤石の地位を築いたと思っていた状況で出てきた今回のフジテレビ騒動。
フジテレビ社員を含めた、業界の闇に関していろんな言論が出ては、個人・業界への攻撃に歯止めがかからない状況にある。
確かに、やましいことをしたり悪事を働いたひとに対し、非難・批判をし、それが抑止力に働くのであればよい。
しかしながら、最近はその非難・批判が行きすぎて、対象が自ら命を断つ、潰れるなんて事象が頻発している。
攻撃する側に、「もし、攻撃対象が自らの攻撃により無くなったら」というところまで想像する力が欠如している気がしてならない。
これは、いじめによる自殺の問題での加害者の発言からも推しはかれるところ。
死ぬとは思わなかった。
そういうつもりじゃなかった。
いじめなり他人を攻撃する行為には、一種の快楽が含まれる。
自分より「下」の存在を確認しての優越感なのか、悪を攻撃してるという正義感なのか。
対象が喪失するまで攻撃を続ける、というのが常習化してしまうとどうなるか。
一部の力の強い、声の大きな人のみが生き残る。
多様性がなくなる。
そういった画一的な組織や社会が脆弱なことは、綺麗事ではなく科学的にも示されている。
強い、弱いといった議論の前に、自分はそんな猛者だけの社会に面白みを感じないし、発展もなかろうと思うけどな・・。
優しくなりましょう、ネットから匿名性を排除しよう!と主張する気はないが、もう少し、思いやりに溢れる世になればいいな、と思う今日この頃でした。
東日本大震災で、厳しい状況下でも他人を思いやる行動ができた日本人。
ネットでの攻撃をいったん立ち止まるくらい、難しくないはず。