『「好き」を言語化する技術』
「自分だけの言葉で推しを語ることができれば、もっともっと推し活が楽しくなります。自分の大好きなものについて、自分の言葉で伝える。その面白さを、ぜひあなたにも知ってほしいです!」と述べている本があります。
本日紹介するのは、1994年生まれ、京都大学大学院人間・環境学研究科博士前期課程修了(専門は萬葉集)、IT企業に就職するも1年で退職し、現在は文芸評論家として多数の著書を持つ三宅香帆さんが書いた、こちらの書籍です。
三宅香帆『「好き」を言語化する技術』(ディスカヴァー携書)
この本は、現代において必須スキルである「自分の言葉をつくる技術」について、ちょっとしたコツを伝えてくれる書です。
本書は以下の6部構成から成っています。
1.推しを語ることは、自分の人生を語ること
2.推しを語る前の準備
3.推しの素晴らしさをしゃべる
4.推しの素晴らしさをSNSで発信する
5.推しの素晴らしさを文章に書く
6.推しの素晴らしさを書いた例文を読む
この本の冒頭で著者は、「きっと推しを語ることで、あなた自身の『好き』がどこからきたのか、わかるはずです。推しを語ることは、あなた自身の人生を語ることでもある。」と述べています。
本書の前半では、「推しを語ることは、自分の人生を語ること」および「推しを語る前の準備」について以下のポイントを説明しています。
◆「推し」の特徴は、誰かに勧めたいという感情が入っていること
◆「推し」を語るときに一番大切なのは、「自分だけの感情」
◆ 感想界のクリシェ:泣ける、やばい、考えさせられた
◆ 伝わりやすさの決め手は「工夫」の量
◆ 読解力ではなく、「妄想力」が必要
◆ 昔の人も「やばい」という意味の「あはれなり」を使っていた
◆「好き」は一時的な儚い感情なので、「言語化」して保存する
◆「好き」の言語化が溜まっていくと、自分の価値観や人生観になっていく
◆ 自分の感想をメモする前に、「他人の感想を見ない」ことが大切
◆ 言語化とは細分化のこと、感想のオリジナリティは細部に宿る
◆ 面白さとは、「共感」か「驚き」
◆ 具体例(Where)を挙げ、どんな感情(How)をどうして(Why)抱いたのか
この本の中盤では、「推しの素晴らしさをしゃべる」および「推しの素晴らしさをSNSで発信する」について解説しています。主なポイントは次の通りです。
◆ 自分と相手との情報格差を埋める
◆ 自分の伝えたいことを伝える
◆ 情報格差を埋める3パターン:①知らない情報を補足、②相手の興味枠に合わせる譲歩、③相手の興味なさに言及
◆ 専門用語は注釈付きで使う
◆ 音声配信では「ここを聞いてください」と強調する
◆ SNS発信は、みんなと違う意見だと分かったうえで書く
◆ 他人の言葉は自分に伝染させない
◆「推し」について語ることで自分を語る
本書の後半では、「推しの素晴らしさを文章に書く」および「推しの素晴らしさを書いた例文を読む」について説明しています。主なポイントは以下の通りです。
◆ 想定した読者に、伝えたいことが伝わるのが、うまい文章
◆ ゴールをしっかり設定すること
◆ 想定読者と「推し」の距離を測る
◆ 一番重要で、一番難しい「書き出し」
◆ 書き出しパターン:①よかった要素を描写する、②自分語りをする、③文脈で始める、④問いで始める(奥の手)
◆ 書き終えることが一番大切
◆ 自分の好きな文章を読み返す
◆ 時間を置いて修正するクセをつける
◆ 修正パターン:①文章の順番を変える、いらない文章を削除する、③見出しをつける
◆「お手本」の真似は、上達への近道
この本の巻末には、「困ったときに読んでほしいQ&A」が掲載されていて参考になります。
あなたも本書を読んで、「他人の言葉と距離を取ろう、自分の言葉をつくろう」という著者のメッセージを実践して、「好き」を言語化する技術を習得し、実践してみませんか。
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では、今日もハッピーな1日を!【3558冊目】