ハワイ連載#2 伝説の『ALOHA CLUB Report』
1995年1月に発生した阪神淡路大震災からの復興ボランティアの活動メンバーとしてたまたま出会った「ハワイ好き」の仲間同士の交流から自然発生的に結成された「ALOHA CLUB」というコミュニティ。ピーク時は全国に2,000人を超える会員数にまで広がっていきました。
年会費2,000円というリーゾナブルな金額設定(のちに若干値上げ)にも関わらず、年6回(隔月間)も会報誌『ALOHA CLUB Report』(冒頭の写真)が自宅に届き、しかもその内容が秀逸で、まさに実際に会員がハワイで体験した「生のディープな情報」。
とくに、バブル期からずっと「子連れハワイ旅行」をしている家族には、「こういう情報が知りたかった!」という、まさに痒いところに手が届くようなハワイ情報です。
1990年代後半から2000年代に入る頃は、日本経済がバブル崩壊で失速し厳しい経済状況の家庭も増える中で、「周囲の知り合いとは、とてもハワイ旅行の話などできない」という、ハワイリピーターが多かったのです。
「子連れハワイ旅行」をしている家族にしても、格安ツアーを見つけたり、マイルを必死に溜めるなど節約の限りを尽くして、子どもが2歳になる直前に(2歳未満は飛行機の座席が不要でコスト大幅減になる)、無理やり有給休暇を取ってハワイに向かっていた人が多かったのです。
当時は1ドル100円前後(だいたい80円~120円の間で変動)という為替レートで、日本人はハワイの物価を安く感じていた時期でした。普通の会社員でも節約すれば、数年に1回は何とか「子連れハワイ旅行」ができていた時代です。
そうした状況の中で、ハワイが好きで好きでたまらない「ALOHA CLUB」の会員同士が、ディープなハワイ情報を交換する場が会報誌『ALOHA CLUB Report』でした。
とくに人気の高かった記事が、格安航空券をゲットする方法、マイルをいかに貯めるか、子連れでも安心しては入れる安くて美味しい現地レストラン、子連れで安心して宿泊できるコスパのいいホテル・コンドミニアム情報など。それはそれは、裏ワザやトライしたけどダメだった失敗談など、まさに現地で体験した人にしかわからない「ディープなハワイ情報」でした。
この会報誌は、インターネット時代になっても手作りの「紙の会報誌」にこだわり、事務局の方々の情熱とボランティア精神に支えられて、会員の熱い支持を受けながら何とか年6回の『ALOHA CLUB Report』発行を続けてきたのです。
しかしながら、次第に日本経済の低迷が長期化して海外旅行に行くこと自体が難しくなってきた家庭が増え、またネットでハワイ情報を取れる時代になり、会報誌に投稿する原稿を集めることが難しくなりました。
いろいろな経緯があったのですが、残念ながら会報誌は廃刊、会費収入で運営していたコミュニティ「ALOHA CLUB」も解散という形になってしまいました。
次回は、私が2回『ALOHA CLUB Report』に投稿した内容を紹介します。
また、「ALOHA CLUB」会員の中からはハワイに関する本を商業出版する方も誕生しました。そうした方々の著書も、このあとの連載で紹介していきます。