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ハワイ連載 #1 スマホのあるハワイ

17年ぶりのハワイ滞在で最も変化を実感したことは何か?

世界的なインフレと円安によって、ハワイの物価や滞在費が急激に上がったことももちろんあるが、それ以上に「スマホのあるハワイ」を初体験したことだった。プロフィール欄に書いた通り、今回が13回目のハワイ滞在になるが、前回2008年3月のハワイ滞在で、私はまだスマホを持っていなかった。つまり、「スマホのあるハワイ」は今回が初めてだったのだ。

日本で初めてスマホが販売されたのは、ソフトバンクが iPhone3Gを発売した2008年、私が初めてスマホを手にしたのは2009年12月24日に渋谷のAppleストアでiPhoneを購入した時。この日はクリスマス・イブで、ソフトバンクの孫正義社長がTwitterアカウントを開設してつぶやきを開始した日。同じ日に私もゲットしたiPhoneですぐにTwitterアカウントを開設して「ハワイ情報」をつぶやき始めた。以来、本日2024年7月12日まで15年近く毎日、5,314日連続でハワイ情報をツイートし続けているのだが、その話はもう少しあとの回で詳しく説明したい。

50代では一度もハワイ旅行も海外旅行もしていなかったので、「海外でスマホを使うにはどうすればいいのか?」という出発前準備から疑問の連続。Simカードを空港で買って入れ替えるとか、ポケットWifiをレンタルするとかいった知識しかなく、なかなか準備が進まなかった。
そうした中で、商社出身の定年世代仲間から「大杉さん、いまはeSimですよ。アプリだけでSimを入れ替える必要もない。」とアドバイスをいただいた。詳しく手順を聞こうとしたけど、「検索すればいっぱい出てくるしどれでも大差ない、手続きも簡単」とのことで、自力で何とかネットで調べ、比較検討して契約した。

実際にホノルル国際空港(ダニエル・K・イノウエ国際空港と改名)に到着すると、ほんとうにスマホ設定の切り替えだけで、簡単にネット環境を手に入れることができた。最初に使ったのがUberの予約だ。
これまでは、タクシー乗り場を探して、荷物を抱えてドキドキしながらタクシーを待ち、運転手に行き先を伝え、「ちゃんと聞きとれているだろうか」、「遠回りされていないだろうか」と心配しながら必死で窓から景色を追っていたものだ。

Uberはほんとうに便利で、アプリを起動して予約画面に行き先を入れると候補の車が数台出てきて、料金と待ち時間が一覧でわかる。車を選択すると、その車が迎えに来る進行状況がリアルタイムで画面に刻々と表示されるのだ。車のナンバーが表示されているので、到着すればすぐに見つけられるし、「ライドシェア」専用スペースが空港内に数箇所設置されていて、位置情報でドライバーは分かるため、まず行き違いは発生しない。

ほとんどドキドキ感もなく、空港から移動できた。行き先はいつもならワイキキのホテルに直行するが、今回はUberなら移動がスムーズと調べていたため、ワイキキへ行く途中にある「カリヒ・トランジットセンター」へ向かった。
「ザ・バス」に安く便利に乗れる「シニアHoloカード」を作るためだ。パスポートが必要なので、持って移動しているこのタイミングで作ってしまうと効率的に時間を使える。HOLOカードはとても便利で、いわゆるSuicaのようなプリペイドカードなのだが、65歳以上限定の「シニアカード」があり、3ドルで「ザ・バス」が1日乗り放題(通常料金は1回3ドル)、しかも2ドルかかるカード発行手数料もシニアカードは無料になる。
シニアカードには写真も載っていて、身分証明としても使える。

SENIOR HOLO カードは写真付きなので身分証明としても活用できる

あっという間にカード発行が終わり、Uberアプリを立ち上げて予約すると、ほとんど待ち時間なく車が到着、ワイキキのホテルまで快適に移動できた。

この日手に入れた「シニアHOLOカード」は滞在中、オアフ島内での移動に威力を発揮した。とくに実感したのが、タイトル上の写真にある「Waiahole Poi Factory」にハワイ伝統料理のポイを食べに行ったとき。

「ザ・バス」の利用は現地の人(「ロコ」と呼ぶ)が中心だが、スマホがあれば旅行者でもまったく問題なく乗り継ぎができるようになった。Googleマップが恐ろしく高性能で、バス停までの順路、次に来るバスのバス停到着時刻、さらに目的地に到着する時刻まで出てくる。ザ・バスがバス停に向かいつつある位置情報もリアルタイムで表示され、時々刻々と到着時刻表示も変更されるのだ。

「Waiahole Poi Factory」はワイキキからザ・バスで2時間くらいかかる場所で、そこから少し先にある映画『ジュラシックパーク』の撮影場所として有名な「クアロアランチ」まで移動してアラモアナセンターに帰って来るという手間のかかるルートも、たった3ドルで迷うことなくできたのはスマホのおかげだ。ザ・バスの停留所で待っていても「果たしてバスは来るのか」「この番号のバスで目的地へ向かうのか」、かつてはロコでなければわからなかった。

クアロアランチは神秘的な雰囲気で乗馬も楽しめる

また別の日には、かつて治安の悪い倉庫街だったカカアコが再開発によってウォール・アートでオシャレな街に生まれ変わったと聞き、Uberで移動。分かりにくかった街の散策も Googleマップがあれば快適に目的地に到着できた。Uberに乗って移動中も現在位置の情報がリアルタイムでアプリ画面に表示されるのでほんとうに便利だ。

カカアコの街はロコたちで賑わっていた。

私はペーパードライバーで、ハワイ旅行中もレンタカーは使わず、もっぱらザ・バスと徒歩、たまにタクシーという移動手段なので、スマホがあればどこへでも自在に低コストで行けるようになったという変化に感動した。

Uberは料金支払いも予め登録してあるクレジットカードで決済するので現金も必要ない。チップもアプリの画面に入力する方式でクレジット決済されるのだ。降りた後にドライバーの評価を入れるだけで、この評価がドライバーにとっては生命線なので、どの車のドライバーもとても親切で高評価を入れておいた。さらにチップ込みの領収書がすぐにメールで届く。タクシー乗車に伴う煩雑さは一切なくなった。

それにしても、さすが iPhoneや Googleマップの本場アメリカでは、その威力は絶大だった。そしてハワイは何と高齢者に優しい街なのだろう。ここは人生後半にできるだけ長く滞在したい「居心地のいい場所」だと、改めて確信した。

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https://note.com/jun_ohsugi/n/n410d292509d6

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