終わりなき旅のはじまり19
1998年から始まったバンドのマネージャー業では、全国ツアー、PV製作、イベント出演、雑誌の取材、タワレコ店頭ライブ、ラジオ出演など、初めての経験に加え、色々な人と巡り会い、その繋がりからまた新しい仕事が生まれる音楽業界の楽しさに僕は夢中になっていった。
全国ツアーでは、北は北海道から南は熊本までワゴン車を走らせ、時には青森から函館へフェリーに乗り、朝の函館港で刺身を食べる、そんな楽しみに時を忘れるほどだった。
仕事の傍で、アマチュアバンドを見つけてはCDの制作を続け、「Sun&Fish」という自主レーベルを立ち上げたのもその頃だった。
アナログをキーワードに、アナログマルチテープを使って録音、最後の仕上げはレコーディングスタジオの仕事をしてた時の仲間にお願いして、作品を仕上げる、そんな行程が好きだった。
1999年8月、当時マネージャーをしてたピールアウトのボーカルの近藤さんがHEATWAVEというバンドのライブにゲストで参加する事になり同伴した。
阪神淡路大震災の時に、出来る事が何かないかと、ギター一本持って神戸に行ったのがHEATWAVEの山口洋さんだった。
後に、その時目にした光景や思いを曲にした「満月の夕」を作ったその人である。
地道にライブを重ね、その活動でファンは1人増え、2人増え、そして渋谷クアトロを満員にするまでに至ったその時の言葉が今でも記憶の中に残ってる。
「ようやくここまで辿り着きました」
携帯電話がなんとなく普及してきた頃、モーニング娘の「Loveマシーン」が流行ってた、そんな時代の話。
この頃、韓国では、ようやく日本の文化解放の兆しが出てきて、僕の元には仕事が沢山舞い込んできていた。
終わりなき旅のはじまり19話。終わり。