終わりなき旅のはじまり⑥


1988年3月 僕は中学校を卒業した。

高校入学も無事決まり、スケボーチーム「ポッキーズ」の面々も皆それぞれ違う高校に進学、ここで一旦ポッキーズにも解散の時がやってきた。

僕と黒ちゃんはポッキーズ最後の任務と称し、2人で好きな女の子に告白する事にした。

携帯やメールなんてない時代、頼りはクラスの連絡網に載ってる自宅の電話番号だけだった。

話が弾んだらどうしようか、なんて考えつつ公衆電話に向かい10円玉を10枚用意する。

電話をかけると、
その子のお母さんが電話を出て繋いでもらう。

「中学の頃、ずっと好きだった」
「ありがとう」

その後何と言っていいか分からず、
「高校行っても頑張ってね」
と言って電話を切ってしまった。

黒ちゃんも同じような感じで撃沈、残った10円玉で2人でよっちゃんイカを買った。

1988年4月、高校の入学式を迎えた。

高校野球の名門で甲子園の常連高だったが、僕は野球部ではなくサッカー部へ入った。

中学の頃、原宿ホコ天にスケボーしに行った時によく見かけたバンドやヒップホップのグループがこの後大ブレーク、音楽にハマり、映画にハマり、高校野球母校の応援、松田優作に憧れたり、放課後のナンパに明け暮れ、そしてポッキーズ再結成、父親との再会、そして昭和の終わり、そんな僕の高校生活が始まった。

終わりなき旅のはじまり⑥終わり。


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