終わりなき旅のはじまり21
四女の姉の足取りを辿る旅が始まった。
姉の携帯電話に残された電話番号に連絡してみる、するとある男性が出た。
お葬式の日、その方が大阪から横浜にやってきた。
一生懸命話をされるその方の話を聞きながら、知らなかったことや、姉の抱えていた事やその時の思いが何となく見えてきた。
姉はお母さん、お母さんと、親しい人にはいつも母親の話をしていたそうだ。
大阪から横浜まで来てくれたその方には感謝しかなかった。
姉が住んでた東京のアパート、何百もの歌詞を書いたノート、色々な事が分かってきた。
最後に僕たちは、姉が見つかった大阪のホテルに泊まりにいった。
大阪のそのホテルにつくと、支配人が僕らを迎えてくれた。
ミシェランにものるほどの大きなホテルだったのだが、大変な迷惑をかけたと思ってた僕らに、その支配人は特別な部屋を用意してくれ、部屋には花束が置いてあり、支配人は涙ぐみながら、母親に向かって、自分も子供を失った経験があること、その痛みと辛さをどうか乗り越えて欲しいと母親に伝えてくれた。
今でもその時の支配人の言葉と僕らを迎えいれてくれた感謝は忘れない。
そして、姉が亡くなってから2ヶ月が経とうとしてた頃の2000年6月2日の朝方、電話が鳴った。
父親が亡くなったという病院からの連絡だった。
韓国でのコンサートが3日後に迫ってた時だった。
終わりなき旅のはじまり21。終わり。