終わりなき旅のはじまり第2章②
2016年の「街と人と」を終えた僕はその後何をしていいか分からない日々が続いた。
燃え尽き症候群みたいなもので、写真は撮るものの、出口をなくしてる感満載で行き場がなかったのである。
そんな時だった。
ライカを使いたいと言えばM3を貸してくれたり、プリントしてみたいと言えば引き伸ばし機をくれたり、そんなお世話になってる先輩夫婦がいた。
「横浜で小さなカフェを開くからそこで個展やらない?」
先輩夫婦から声をかけて頂いたのは確か2017年頃だったと思う。
写真は下手だし自信はないし、僕の個展で果たしてお客さんが来るのか?という不安もあったのだけど、恩返ししたいという気持ちが先立ち、1年かけて家から近い鵠沼海岸の写真をモノクロポジフィルムで撮るというコンセプトに辿り着いた。
モノクロポジフィルム自体が、そもそもなくなりかけてた時で、色々と調べた結果、六本木の田村写真の田村さんに現像をお願いする事にした。
そして2018年の冬から僕の海通いが始まる。
休みの日にはカメラ2台を持って、晴れてようが雨だろうが、鵠沼海岸に通い続ける。
撮ったフィルムは翌週に六本木の田村さんのところに持っていき、現像をお願いする。
そんな毎日が1年続きついに個展が始まる。
2019年1月13日〜2月9日、個展「Nostalgy」が先輩夫婦がオープンした、横浜の小さな素敵なカフェで開催された。
沢山の人の協力や応援があって沢山の人が見に来てくれた。
来てくれた皆さんに感謝、そして何よりも嬉しかったのは、モノクロポジフィルムを何本も現像してくれては、「これは何のカメラ?、湘南の海いいね」とその都度話してくれた田村さんも来てくれてたこと、そしてモノクロポジフィルムのネガを、ルーペ通して見てくれる皆さんの姿に感動したものだ。
そしてその後、海を撮る人というイメージにまた、かなり苦しんだ僕のその後が始まる。