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青函連絡船《09》外出自粛でも旅の気分
中学生のころ北海道旅行を計画して列車や宿を予約したのに、なぜか行く気が失せて中止した。臆病になったのかもしれない。東北新幹線もない時代だったので、青森まで急行で行って、青函連絡船で函館に渡るはずだった。
その後も残念ながら津軽海峡を船で渡ることなく、やがて青函海底トンネル開通により連絡船は廃止になってしまった。その後私は一気に空を飛んで北海道へは何回も行った。
2017年に飛行機を三沢で降り、もはや東北本線でもなくなった元国鉄線に乗って青森駅へ。駅脇にはなんと連絡船が係留されているではないか。もう動く船ではなく海上博物館になっている。船体は八甲田丸。連絡船時代と同じ名前だ。
このときの旅の目的は、五能線で日本海岸を走ることと、津軽半島北西にある中世の日本(国)の北限であり、重要な貿易港だった十三湊を見ること。だったのに、初日にこの連絡船に対面したときは感動した。見果てぬ夢が違った形で眼前にある。連絡船には当時そのままに線路が向かってゆく。貨車はそのまま船に乗って海峡を往き来していたのだ。