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フィヨルド《20》外出自粛でも旅の気分
北海とノルウェー海に面するノルウェーの西海岸は複雑で深く陸地に入り込んだ海が続く。フィヨルドと呼ばれる深い深い湾で、切立った両岸は急激に降下する地形。したがって、水深もかなり深い。国土面積は日本よりやや狭いのに、海岸線の長さは島国日本の3倍近い。したがって、西海岸は陸地で辿るのはとても困難だったという。
生活に不便なこの地形も観光的には絶景を生み出す。
数多あるフィヨルドのうち、ここはヨーロッパ最長のソグネフィヨルド。その奥でいくつもに枝分かれする湾のひとつ、アウルランフィヨルド。写真は2019年夏、埠頭のあるフロムの町から2時間ほどのクルーズ船が出ていて、最初の寄港地に近づいているシーン。このあと、巨大溪谷の荒削りの光景が出現する。
こうして整備された船で快適に観光できる現代は幸せなのだろう。
フィヨルド観光として整備されたルートはいくつもあるが、ここフロムからのクルーズが便利でポピュラー。首都オスロからベルゲン急行という列車で山越えをして、山中のMyrdal(ミュールダール)駅で乗換え。そこからフロム鉄道という山岳列車が出ている。海抜886mの山中の駅からフロムまで約1時間の列車の旅。フロムはフィヨルドの港だから限りなく海抜0m(データ上は2mでした)。フロムからの船は約2時間かけて、アウルランフィヨルド(Aurlandsfijorden)からネーロイフィヨルド(Nærøyfjorden)の絶景を航行する。