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外出自粛でも旅の気分

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旅の想い出をモニターに読む、それで少し気持ちが軽やかになる、旅の気分を持てたらと思います。 新型コロナウイルス、武漢肺炎の蔓延で三密回避・外出自粛が続きます。家に居続けるって、そ…
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#香港

香港中心街の印刷屋《25》外出自粛でも旅の気分

香港は中心街のセントラル(中環/Central)の光景です。通りに面したビル壁面にある印刷屋さんです。初めてこれを目にしたときはギョッとして立ち止まってしまいました。働く人の前はビル内部の階段の裏側でしょう。この店の奥行きはこの階段幅プラスビルの壁の厚さ。その壁厚の部分に紙の束が積んであります。仕上がった印刷物でしょうか。歩道から数段のステップ上がって作業場の床。右には閉店時に開口部をふさぐのであろう板戸が紐で結んであります。 上には「有恒印務」と堂々とした書体で屋号が記し

湾仔の夜景《14》外出自粛でも旅の気分

真下の光の洪水のような通りは軒尼詩道(Hennessy Road)で、香港島を東西に結ぶ大通りのひとつ。林立する高層ビルの谷底に道路が通っているのが高みの見物だとよくわかる。この道には真下で右から合流して二階建路面電車も走る。この路面電車の開通は1904年。そのころは海辺を走っていた。つまり、この明るい通りは100年ちょっと前の海岸通りだったのだ。よく見るとこの写真でも下の方に白い電車が走っている。 左遠くにはビクトリアハーバーの海も見え、地上の喧騒から離れたルーフトップバ

香港上環ビルの谷間《05》外出自粛でも旅の気分

香港の二階建路面電車は繁華街が連なる香港島の北岸を走ります。ここは西寄りの上環(Sheung Wan)の德輔道西。高層ビルが隙間なく両側を埋め、電車はまるでビルの谷底を走るようです。 この電車は1904年の開通。もう116年も経っているのです。開通後しばらくすると電車は改造されて二階建に変身を始めます。1920年代には初めから二階建に設計製造された電車が登場し、間もなく前者が二階建となって現在に至ります。 ところで、110周年を記念して写真集を友人の写真家と共著で作りました。