現在の居住地・サンフランシスコへの思い<その2>

前投稿からの続きです。

さて、どうしてサンフランシスコ・ベイエリアを気に入っているのか?の理由を3つ挙げましたが、今回は【(2)知的好奇心を相当くすぐられる】について触れてみたいと思います。

これも引っ越して来るまで何となく感覚として理解はしていたのですが、実際暮らしてみて日々ビシバシ実感している事のひとつでもありまして、もう少し掘り下げてみる事にします。

【充実した学術機関の存在】
広義に”サンフランシスコ・ベイエリア”の話になりますが、まずこの部分が凄く大事かもしれません。
例えば全米のみならず世界でもトップクラスに挙げられる2校(最高学府の2校)、スタンフォード大学(私立)とUCバークレー(公立)の存在があります。あと医学系に特化したUCサンフランシスコも、かなりの分野で全米トップ5にランクされています。
ちなみに、”UC"とは”University of California(日本語では”カリフォルニア大学”と表現)”の略でUCLA他州内に数校点在しています。
また、同じく公立大学の俗に言われる”CSU”系列、実学をしかり学べる大学群なのですが、”Califorunia State University”の略で日本語ではカリフォルニア大学と区別する意味も含め、”カリフォルニア州立大学”と表現されます。こちらは、サンフランシスコ州立大学やサンノゼ州立大学を筆頭に複数のCSU系列大学が点在しています。
この更なる高等教育が受けられる公立大学群と、実学がしっかり学べる公立大学群の”二層構造”の存在、これは素晴らしい事なんじゃないでしょうか?
あとですね、サンフランシスコ大学やゴールデンゲート大学、サンタクララ大学等々、”小粒でもピリリと辛い”私立大学も数校あり、このエリアの雇用を下支えしています。
このようにしっかりした教育を施す大学がかなり存在するのも、僕にとってかなり刺激的です。

【シリコンバレーや金融街の存在】
”シリコンバレー”の定義ってなかなか難しいと思いますが、日々さまざまなアイデアやビジネスが創出される環境、とんでもなく刺激的で知的好奇心をくすぐられます。サンフランシスコ単体を取ってみても、前市長が積極的にIT系企業やスタートアップ企業の誘致に力を入れた事により、ツイッターやUberその他日本人の僕達にも耳に馴染みのある企業が全国区~全世界へ羽ばたいていった企業がかなり出た事、特筆に値します。
例えば、SOMA (South of Market)と呼ばれるエリアの元工場だった赤煉瓦の建物のドアを開けるとそこは超モダンなスタートアップ企業のオフィスだった、という事もざらで、僕自身が”これから発展するぞ~!!”ってな勢いだったツイッターのオフィスを偶然みつけたのも、そんな感じのビルでした。
プラス、これは僕個人の感覚なのですが、ニューヨークのマンハッタン島内滞在時に感じる、地から湧き出てくるようなエネルギーをここサンフランシスコ・ベイエリアでもビシバシ感じるんです!!
例えば、日系企業へのセールスでハイウェイ101号線や280号線を運転してマウンテンビューやパロアルト、サンタクララ、サンノゼあたりに出かけて行くだけでとてつもないエネルギーを感じます。(でも、これって僕だけかも!?笑)だからこそ、”腐ってもシリコンバレー”、と言いますか、現在もヒトやカネだけではなくさまざまなモノが集まって来るのかもしれません。
それから、サンフランシスコには”西のウォール街”と称される金融街が存在します。ダウンタウンにある”ファイナンシャル・ディストリクト”と呼ばれるエリアにさまざまな金融機関が集結しており、日系の銀行や証券会社や生損保、その他諸々の関連機関もこのエリア内にひしめいています。
それに付随するかたちでさまざまな業界のオフィス(法律事務所や税理士/会計士事務所等々)も集積しているので、さながら”優秀な頭脳が集約されたエリア”と言っても過言ではなく、これまたかなりの刺激を受けると同時に知的好奇心をおおいにくすぐられます。
おっとっと、僕も勉強はほとんどしませんでしたが、大学では会計学原理系のゼミで会計学系や金融系の授業を結構履修しましたし、何より大学卒業後の3年間を某都市銀行で勤務した経験もあるので、引き続き金融関連に関して興味関心があるが故に、この街、特にファイナンシャル・ディストリクトのかなりのエネルギーを感じるのかもしれません。

【政治が身近な存在】
いや~、サンフランシスコ・ベイエリアに暮らす人々の政治への関心度の高い事ときたら!!
そうなんです、国レベル、郡レベル、市レベルの全てのレベルにおいて、リベラル・民主党もしくは保守・共和党のどちらが政権を取るかで社会の様相がまじで豹変するので、有権者は自ずと真剣にならざるを得ない、必ず投票瀬せねばならない環境がここにある、と言えます。(実際サンフランシスコベイエリアの投票率って、日本では信じられない位か~なり高いですよ。)
なので、ハズバンド含め周囲のアメリカ人達筆頭に非日本人の人達と雑談する場合、アメリカ政治についての話題が頻繁に挙がりますし、しっかり把握しておかないと話について行けないし、何か意見や考えを求められた際に答えられないし・・・という非常事態に陥ってしまうので、しっかり追いかけるようにしています。
そもそも、僕自身アメリカ政治にかなりの興味を持ち日々追いかけ始めたのが2008年の大統領選の時でした。
実は僕が渡米して生活を開始したのが2000年10月、まさしく大統領選直前の事。その時はアル・ゴア民主党候補とジョージ・W・ブッシュ共和党候補の闘いで、当初の下馬評を覆す形で(もともとゴア有利だった、と聞いてます)ブッシュ氏が当選、その後2004年の再選を経て8年間国を治める事になりました。
一方、僕が暮らすカリフォルニア州は現職民主党知事がリコールされ、代わってアーノルド・シュワルツェネッガー共和党知事が誕生するという、何とも激動な時代背景でした。
国&州を共和党が治めた事で、さまざまな社会問題が噴出し僕達ミドルクラス以下の国民・州民が不自由・窮屈な生活を強いられる、という経験を実際にしました。プラス、年を追う毎に社会の雰囲気がみるみる悪くなっていくさまをこの目で耳で体で感じる事となります。
『これって、僕達の日常生活や人生に政治が相当大きく絡んでるんじゃなかろうか!!』そう強く感じたのがアメリカ政治への興味が湧いた原点、と言ってまず疑いはありません。
そこから、それこそ毎日のように政治系ケーブルTVチャンネルを最低1時間から2時間ほど観るようになりましたが、同時に、それを繰り返す事により何より自分の英語力向上にも繋がりました。
独特の政治用語・表現から始まり、ニュースのヘッドラインの速読、政治に関連した分野、例えば司法、ミリタリー、国際関係・・・etc・・・”政治”というひとつの分野への興味が湧き追いかけ始めた事で、”政治”をより良く理解するためにさまざまな分野への興味が同時に湧く・・・という相乗効果を得られたのは何ともウレシイ誤算でした。
英語力と言えば、当然の事ながらニュースを観るわけですので、登場人物達(アンカー達やゲスト達、はたまた政治家達等々)が何を行ってるのか?を的確に把握・理解する必要性に駆られたため、注意深く“聴く”ようになった事、そのトレーニングによりリスニング力向上においてもかなりの効果があった、と分析しています。

そんなこんなで、南カリフォルニアから北カリフォルニアに転居してきた事でさまざまなブレイクスルーを経験しつつ、自分にとっての”心地良い居住地”発見に繋がった、という点においてこの選択は良かったな~、と。

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