現在の居住地・サンフランシスコへの思い<その3>
”現在の居住地・サンフランシスコへの思い”として、『どうしてサンフランシスコをこんなに気に入っているのか?』、について自分なりに考えようと思い、これまで<その1><その2>とリストアップしてきましたが、今回は<その3>という事で【(3)ハズバンドを通しこちらで家族が存在する(成熟したLGBTQコミュニティの存在)】について触れます。
【ハズバンドの存在~アメリカサイドの家族の存在】
2005年8月下旬にロサンゼルスからサンフランシスコへの転居直後に出会った同性パートナーと2013年8月に結婚した関係で、異性カップルと同様の”法的婚姻関係”が成立。それに伴ってアメリカ市民との婚姻による永住権(通称:グリーンカード)申請が可能となりました。
数か月のプロセスの後無事永住権を取得する事ができ、それと同時にハズバンドを筆頭に先方の家族とも”法的家族”となる事ができ、改めてアメリカ、もっと端的に言うと、自分自身こよなく愛しているサンフランシスコにて、且つ、生まれも育ちもサンフランシスコのハズバンドと共に今後の人生を歩むための強固な基盤が築けました。
この一連のプロセスに関してはかなりたくさんの伏線があっての結果なので、そのあたりの詳細は後日に譲ります。
【成熟したLGBTQコミュニティの存在】
時に”世界最大級”と表現されるゲイタウンがサンフランシスコには存在します。カストロ地区の事を指しますが、広義にアメリカにおいて、女性や人種、移民その他諸々の俗に言われる”マイノリティ”と呼ばれる人々がそれぞれざまざまな権利を勝ち取ってきた歴史的背景と同じく、ニューヨークと並びここからさまざまなLGBTQ関連の社会運動が今も昔もがっつり巻き起こっている、という事実を目の当たりにするにつけ、並々ならぬエネルギーを感じます。これは僕にとっても凄くエキサイティング。
渡米後の約5年間を南カリフォルニアで過ごし後半の数年はハリウッドに住んでいた事もあり、南カリフォルニア最大のゲイタウン・ウェストハリウッドに頻繁に足を運んでいましたが、実はここまでのエネルギーを感じた事がなく、しかも、お恥ずかしながらサンフランシスコやカストロ地区自体の知識にも乏しかったため、”ウェストハリウッドの状態が典型的なゲイタウン”という認識でいたんですね。
ところが、やっぱり実際に暮らしてみないと見えてこないものの数々、それが社会運動への多大なエネルギーを日々感じる事であったり、政治への関心が非常に高い事であったり、長年積み重ねられた闘いの歴史がしっかり根付いている事であったり、音楽やエンターテイメントを筆頭とした独特でエキサイティングなゲイカルチャーが存在する事であったり、”ご近所さん感”が強く感じられる事(フレンドリーさ)であったり・・・etc・・・多分僕個人が居住地に求めているもの(特に”心地良さ”とも言いますか)の相当数を兼ね備えているのがここサンフランシスコ(特にカストロ)と言えますし、これこそが【成熟したLGBTQコミュニティの存在】と表現する所以です。
これは何もロサンゼルス&ウェストハリウッドを批判しているのではなくて、僕は今でも大好きですし、変わらずエキサイティングだと思っています。ただ、僕個人が居住地そのものやゲイタウンに求めているものを、サンフランシスコ&カストロがよりたくさん兼ね備えている事が現住地をおおいに気に入っている最大の理由です。
正直、現在のサンフランシスコには、ホームレス問題や、賃料の高止まり、物価高、さまざまなビジネスの撤退等々深刻な社会問題が山積みしています。でも、”腐ってもサンフランシスコ!?”(笑)そういったネガティブ面も全てひっくるめてこれからもこの街が持つエネルギッシュさは変わらないんじゃないかな~、と感じています。
そうなんです、”ポジティブ面vsネガティブ面”の双方併せた上で、僕にとっては『今も昔も今後も魅力的な街に変わりはないよね!!』と感じてやまない街、がサンフランシスコなのです。