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東成田駅訪問記:レトロな駅の静けさと歴史を辿る
訪問日:2024年02月02日
成田空港と聞けば、日本の国際玄関口として多くの人が思い浮かべる。しかし、空港の陰には、かつてその一部を支えていた静かな駅があることをご存じだろうか。今回訪れた東成田駅は、かつて「成田空港駅」として空港利用者を迎えていた駅であり、その後の時代の変化とともにその役割を変え、現在では鉄道ファンや地域住民のための駅となっている。そんな東成田駅は、昭和の名残を残しつつも、静寂に包まれた独特の空間を提供してくれる。この記事では、駅構内や周辺の雰囲気、写真を基にその魅力を掘り下げていく。
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これはいつも通りの京成電鉄の駅名標だ。
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今は使われていないホームにカメラを向けると、「なりたくうこう」と書かれた駅名標があった。これは東成田駅が成田空港の最寄り駅として使われていた時代の名残だろう。
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駅構内に足を踏み入れると、コンクリートの柱が規則正しく並ぶ無機質な風景が目に入る(写真3)。地下駅である東成田駅は、ひんやりとした空気と静けさが漂っており、特に列車が到着するまでの時間、物音ひとつしないほどの静寂を感じられる。この雰囲気は、かつて空港利用客で賑わっていた頃の名残と現在の落ち着きが対照的であり、訪問者に強い印象を与える。
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さらに、ホームの壁には古びた案内板(写真4)が残されており、赤い矢印が当時の利用者を誘導していたのだろうと想像させる。これらの小さな遺構は、駅の歴史を物語る重要なパーツだ。
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改札口に向かうと、こぢんまりとした窓口が迎えてくれる(写真5)。ここでは、京成線や芝山鉄道の乗車券を販売しており、地元の観光案内パンフレットも整然と並べられている。このスペースは、駅全体が静寂に包まれている中で唯一「駅らしさ」を感じさせる場所だ。
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空港側の出入り口には京成線と芝山鉄道の路線案内が掲示されており(写真6)、訪問者が迷うことなく目的地へ向かえるよう配慮されている。特に、芝山鉄道の案内板には「日本一短い鉄道」としてのユニークな売りが記されており、小さな路線ながらも地元に根付いた存在感を示している。
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空港第2ビル駅への長い連絡通路(写真7・8)
東成田駅から空港第2ビル駅への連絡通路は、約500mの長さを誇る(写真7)。この通路は、無機質な白い壁と天井が続き、まるで空港の裏側を歩いているような感覚を味わえる独特な空間だ。通路の壁には「空港第2ビル駅まで500m」と記された案内板が設置されており(写真8)、徒歩での移動距離を実感させてくれる。
この通路を歩いていると、かつて空港利用者で賑わっていた頃の喧騒が遠い過去のように思えてくる。静けさの中で、空港施設の裏方を探索しているような感覚が楽しめるこの通路は、東成田駅の魅力のひとつといえる。
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駅構内をさらに探索していると、閉ざされた扉や柵が目に入る(写真9)。かつて利用されていたと思われるこれらのスペースは、駅の繁忙期が過ぎ去ったことを象徴しているようだ。この「使われていない空間」は、どこか物悲しさを感じさせると同時に、駅が持つ歴史の重みを感じさせる。
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芝山鉄道は、東成田駅を起点とし、わずか2.2kmという短い区間を結ぶ日本一短い鉄道だ。この路線は地元住民の足として機能しており、成田空港へのアクセス手段としても一役買っている(写真10)。その短さゆえに、鉄道ファンには一度乗車してみたいと感じさせるユニークな存在だ。
訪問を終えて:時代の変化を見守る駅
東成田駅は、空港の華やかな喧騒とは対照的に、静けさと歴史の深みを感じさせる場所だった。かつて「成田空港駅」として役割を果たしていたこの駅は、今ではローカルな雰囲気の中で静かにその存在を守り続けている。鉄道ファンにとっては、昭和の名残を感じることができる数少ないスポットであり、空港周辺の「裏側」を体験できる貴重な場所でもある。
次回は、芝山鉄道に乗ってさらにその先の風景を楽しみながら、この地域の魅力を探訪してみたい。東成田駅は、時代の変化を静かに見守りながらも、訪問者にさまざまな感動を提供してくれる特別な駅だった。
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![川端 準(Jun Kawabata)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/165113518/profile_a035f3c604140aa56b72ded1bcc1a5f6.png?width=600&crop=1:1,smart)