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枯井戸潤
2019年5月21日 13:10
この期に及んで奇跡を待つ惨めな残骸が所在なさげに転がっている小さな部屋で口にするのも馬鹿馬鹿しいくらい仕様のない後悔を宥める始まらない物語それなのに終わらない 再生され続ける過去同じ季節が溶かし出す かの甘い夢を 獏が食べてくれるまで僕は食み続ける微かに香を残すこの指を部屋に鏡はないもうずっと昔に自己憎悪に焼かれてしまったから