『ライト マイ ファイア』作中曲の魅力 【歴史奉行通信】第二十号
こんばんは。
伊東潤メールマガジン
「第二十回 歴史奉行通信」を
お届けいたします。
〓〓今週の歴史奉行通信目次〓〓〓〓〓〓〓
1. はじめにー『ライト マイ ファイア』
発売によせて
2. 完全書き下ろし
『ライトマイファイア 』作中曲解説
3. 伊東潤『武田家滅亡』にて
作詞家デビュー!
4.伊東潤Q&Aコーナー
5.お知らせ奉行通信
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1. はじめにー『ライト マイ ファイア』
発売によせて
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暑くなってきましたね。
机に向かって仕事をする身にとって、夏は最も嫌な季節です。
でも外を出歩く仕事をする方々に比べれば、
ドリンクバーがある上、冷房の効いたデニーズで快適に仕事をさせていただいている身なので、文句は言えません。
本日6/20は、『ライト マイ ファイア』の発売日です。
すでに書店様に並んでいるかもしれませんね。
感想などは是非、
「#ライトマイファイア 」「#伊東潤」の
ハッシュタグをつけて呟いてくださるように
お願い致します。
さて、この作品には多くの音楽が出てきます。
これらの音楽は個々のキャラクターの特徴を表しているだけでなく、
琢磨の成長のメタファーにもなっています。
全く音楽に興味のない青年が、
ラジオを手にすることで次第に音楽好きになっていく。
しかも最初は歌謡曲やビートルズが好きなだけでしたが、
だんだんと心の叫びを吐露するような曲を好むようになっていきます。
最後には、
ドアーズの名曲『ハートに火をつけて』
すなわち『ライト マイ ファイア』
に行き着きます。
また中盤の山場でもある最もロマンチックなシーンでは、
ラジオから流れる楽曲を
『悪魔を憐れむ歌』から『悲しき街角』へと
チェンジさせています。
その意図は下記をご覧下さい。
最も重要な挿入歌は、
岡林信康の『友よ』と
抵抗歌として最も著名な『勝利を我等に』です。
この小説のテーマを代弁する曲として、
『友よ』は最適でした。
それでは個々のミュージシャンや楽曲について、
当時の思い出を交えながら語っていきたいと思います。
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2. 完全書き下ろし
『ライト マイ ファイア 』作中曲解説
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◼️ピンキーとキラーズ『恋の季節』(P46)
琢磨が喫茶店で狩野静香と待ち合わせる場面で使用しました。
当時の純喫茶では、クラシックが流れていることが多かったですが、
ここはパーラーと呼ばれた明るい雰囲気の喫茶店なので、BGMは歌謡曲にしました。
入学式直後の大学の華やいだ雰囲気を表すためには、
暗い雰囲気の純喫茶やそこで掛かっているような曲では、そぐわない気がしたのです。
この曲は1968年に発売されました。
私が8歳の時です。
この頃、ピンキーとキラーズの人気は爆発的で、
一回30分の連続ドラマ『青春に飛び出せ!』さえありました。
今思うと、かなり米国のフラワームーブメントに影響されており、
キャンピングカーに乗って各地を旅するようなドラマだったと記憶しています。
https://www.youtube.com/watch?v=KB_O_GrVVIM
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◼️岡林信康『友よ』(P86他)
本作の中でも繰り返し出てくる、
まさにタイトルチューンと言える曲です。
学生運動の象徴のような曲でもあり、
若者たちの切々たる心情が伝わってきます。
新宿フォークゲリラのテーマソングのような役割も果たしていました。
新宿フォークゲリラはドキュメンタリー映像も残されており、
それを見ると、当時の熱気が伝わってきます。
これは現在の話ですが、
たまたま友人が岡林信康さんの家の近くに住んでいて、
たまにコンビニで見かけるそうです。
白髪も白髯を伸ばし放題で、
仙人のようになっているとのことでした。
https://www.youtube.com/watch?v=XjBm-MsCJxI
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◼️米国の反戦歌『勝利を我等に』(P87)
こちらはアメリカの学生たちの反体制派を象徴する歌ですね。
1960年代にアフリカ系アメリカ人の公民権運動が盛り上がりを見せた際に流行りました。
学生運動の関連本を読んでいると、
『友よ』と共に様々な場面で歌われているのが分かります。
https://www.youtube.com/watch?v=nM39QUiAsoM
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