入間純

エンジニアです。 人間として生きる中で感じたことを書きます。 義経の軍が崖を駆け下りて敵を奇襲した時も、たぶん何人かは失敗して転落死したと思う。 Twitter:https://twitter.com/jun_iruma

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エンジニアです。 人間として生きる中で感じたことを書きます。 義経の軍が崖を駆け下りて敵を奇襲した時も、たぶん何人かは失敗して転落死したと思う。 Twitter:https://twitter.com/jun_iruma

最近の記事

【論点整理】ABEMA Primeでの東大教授とひろゆき氏による牛角女性半額キャンペーンの議論について

先日Abema Primeで放送された「女性を優遇しすぎ? 牛角『半額』に男性が批判」が話題になっているようだ。有名焼肉チェーン店である牛角が、期間限定で女性のみ食べ放題半額のキャンペーンを打ち出したところ、「男性にとって不平等だ!」と声が上がり、肉ではなく牛角に火がついてしまったようである。 Abema Primeはさっそく俊敏性と柔軟性を生かし、この現象を取り上げた。ゲストとして東京大学大学院でジェンダー論を専門とする瀬地山角教授を呼び、討論が行われた。その中で、スタメ

    • 政治家になりたがる人のパラドックス

      「日本の政治はもうダメだ…」 ニュースでため息をついている方も多いのではなかろうか。私もだ。だが安心してほしい。ダメだったのは今も昔も変わらない。裏金や、ステルス増税や、万博や五輪など大規模プロジェクトでの利権食いなど、いつの時代もあるものだ。 日本のような議会制民主主義は、タテマエでは「選挙を通して政治家を選び、国民の声を反映した政治を行う仕組み」となっている。感づいている方も多いだろうが、現実はそうならない。実際、そうなってない。 要因は様々だろうが、この記事では、私

      • ビッグモーター元副社長・兼重宏一氏への同情と教訓

        世間に衝撃を与えたビッグモーター問題。その最大の悪役は、創業者である兼重宏行氏ではなく、その息子で副社長であった宏一氏だった、というのがマスメディアやインターネットでの「定説」になりつつある。今のところ私も異論はない。 当の宏一氏が表舞台に姿を現してないため、あらゆる推測が邪推になってしまうのは仕方ない。だが、正直言って、私は宏一氏に「同情」してしまう。「お前の気持ち分からないでもないよ。そりゃそんな風になるよな…」と。 もちろん、宏一氏の強烈なパワハラや不正行為は、法的

        • 隅田川花火大会は「渋谷のハロウィン」化を避けられるか

          2023年の隅田川花火大会は、コロナ禍を明けて4年ぶりの開催ということもあり、予想より多い103万人もの観客が来訪したそうである。ずっと在宅で過ごし外でのイベントが待ち遠しかった人々にとって、この花火大会の開催は大きな喜びであったに違いない。 だが、様々なメディアで報じられている通り、マナーの悪化、大混雑、熱中症などの問題も大きく取りざたされることになった。 私は当日、たまたま別件で浅草近くを通ったのだが、一つ驚いたことがある。会場へ向かう人々の、コスプレの多さである。

        • 【論点整理】ABEMA Primeでの東大教授とひろゆき氏による牛角女性半額キャンペーンの議論について

        • 政治家になりたがる人のパラドックス

        • ビッグモーター元副社長・兼重宏一氏への同情と教訓

        • 隅田川花火大会は「渋谷のハロウィン」化を避けられるか

          お金で免罪符は買えないが「避罪符」は買える

          「あなたは善人ですか? 悪人ですか?」 そう聞かれたら、大半の日本人は答えに窮する。 大多数の日本人は、犯罪や不正と呼べるほどの悪事は犯してはいないが、自分は善人だと胸を張って言えるほどの善行を積んでいるわけではない。「うーん…、どっちかっていうと善人ですかねぇ…」とお茶を濁す。私もそうだ。 「お金で幸せは買えない」 それがある程度ウソだと皆思っている。年収が800万円を超えると幸福度が頭打ちになる、といったデータを出すまでもなく、幸せは市場には売ってない。 「お金で

          お金で免罪符は買えないが「避罪符」は買える

          どの社会問題に手を付けたら良いか分からない情報化社会

          情報通信技術の飛躍的な進歩により、ここ数十年で我々は、ずっと遠くにいる人々を知ることができるようになった。そして心配できるようになった。同情することができるようになった。支援の声を上げることができるようになった。それらは時として政治に大きな影響力を及ぼしてきた。 ベトナム戦争に最強国アメリカは負けた。テレビという新しいメディアの登場により、戦争の悲惨さがタイムリーに伝えられ、国内の反戦世論を抑えられなかったのが一因だ。 インターネットやSNSの登場により、ウクライナへの支

          どの社会問題に手を付けたら良いか分からない情報化社会

          「蛙化現象」 不穏な流行語はなぜ生まれるのか。なぜ嫌われるのか。

          「蛙化現象」なるワードが世に解き放たれ、何やらインターネットが騒がしくなっているようだ。 ある女性YouTuberが「交際中の男性のちょっとした(ダサい)言動を見て、気持ちがスッと冷めてしまう」現象としてこのワードを用い、具体的な事例を面白おかしく紹介している。その中には、男性にとっては「え、そんなことで!?」と理不尽に思えるような些細な事例がいくつも挙げられており、「付き合った男が可哀そうすぎる」「そんなことでイチイチ冷めるなら恋愛なんかするな」と火の手が上がった。炎上係

          「蛙化現象」 不穏な流行語はなぜ生まれるのか。なぜ嫌われるのか。

          Colabo騒動は何の「代理戦争」なのか

          仁藤夢乃氏を代表とする一般社団法人Colaboの不正会計疑惑への炎上が止まらない。この2か月ほど、Twitterのトレンドには毎日のように「Colabo」「不正会計」「会計監査」「仁藤さん」や、疑惑を最初に指摘した「暇空茜(氏)」のワードのいずれかがランクインしており、アプリを開くたびに暗澹たる気持ちになってしまうのである。 しかし、この騒動の核心はあくまで「ある小規模の社団法人(Colabo)が公金を不正に利用してないか」または「ある一人の一般人(暇空氏)が拡散する情報が

          Colabo騒動は何の「代理戦争」なのか

          なぜ言い訳はダメとされてるのか?~言い訳はただのギャンブル~

          「言い訳するな!」という言葉に疑問を覚えたことのある方は少なからずいるのではなかろうか。私もその一人だ。 たとえ相手に迷惑をかけたとしても、こちら側にも理由があり、決して自分だけが悪いわけではない、と主張すること=言い訳、はなぜか忌み嫌われている。「言い訳するなんてみっともない」と。よくよく考えれば、理由を説明することは人間として正当な権利だと思うのだが、なぜか人間は他人の言い訳に不快感を感じ、それを封じ込めたいようだ。 特に、目上の人に対する言い訳はなぜかタブー視されて

          なぜ言い訳はダメとされてるのか?~言い訳はただのギャンブル~

          野球やサッカーなどのスポーツは、50年後くらいに消えるだろう

          2022年現在、野球やサッカーなどのいわゆる「スポーツ」と呼ばれる世界の競技人口は、億単位である。 しかし、日本での調査によると、スポーツ人口はバブルをピークに減少傾向であることが分かっている。 stat.go.jp/data/topics/pdf/topics64.pdf 私は、50年後くらいに、野球やサッカーなどの「スポーツ」は、消えるだろうと考えている。趣味でやる人は継続的に一定数いるだろうが、マイノリティになっていくだろう。少なくとも、1試合で観客を数千人~数万

          野球やサッカーなどのスポーツは、50年後くらいに消えるだろう

          ドーピングがなぜいけないのか分からない

          オリンピックの度に、ドーピング問題が話題になる。ドーピングを理由にメダルが剝奪された例は枚挙にいとまがないが、そもそも、なぜドーピングは禁止されているのだろうか。 「ドーピング なぜいけない」と検索して上の方に出てきたNPBアンチ・ドーピングガイド2022によれば、ドーピングが禁止される理由として以下の4つが挙げられている。 ①選手の健康を害する ②アンフェアである ③社会に悪影響を与える ④スポーツそのものをだめにする 私は、実は、ドーピングがなぜ禁止されている

          ドーピングがなぜいけないのか分からない

          なぜ松屋や日高屋にはクチャラーが多いのか

          私はクチャラーが嫌いである。飲食店などで、あの「クチャ、クチャ」という咀嚼音を聞くと、生理的嫌悪感を感じ、一気に食欲が失せ、その場から立ち去りたい衝動に駆られるのである。もちろん、病気などでどうしても咀嚼音を出さざるを得ない人もいることは知っている。だが、これは生理的嫌悪感なのだからどうしようもない。私の理性では変えられないのだ。 そしてそのクチャラーは、松屋や日高屋などの、安いチェーン店で遭遇する確率が高い。もちろん統計をとったわけではないが、読者の皆さんの個人的感覚とも

          なぜ松屋や日高屋にはクチャラーが多いのか

          ウィル・スミスの行動が現代の最適解すぎる件について

          アカデミー賞授賞式で、アメリカの有名俳優ウィル・スミス氏が、妻に対して侮辱とも取れるジョークを放ったコメディアンのクリス・ロック氏にステージ上でビンタをくらわした事件――Twitterはその話題でもちきりになった。アメリカと日本ではスミス氏に対する評価が違うので、アメリカ本国ではロック氏を擁護する声が多数派だったようだが、日本のTwitterでは、「ウィル・スミスかっけぇ…」などと、彼を賞賛する声が多数上がっていた。 スミス氏はその後、SNSを通じて「私の行動は許しがたいも

          ウィル・スミスの行動が現代の最適解すぎる件について

          友達が欲しい人が多いのに、その人同士で友達にならないワケ

          「友達が欲しい」と悩む小学生、中学生、高校生、大学生は非常に多い。大人でも「友達がいない」と嘆く人は多いが、それは少し毛色が違うため、ここでは触れない。主に、思春期の子供・若者が悩む「友達が欲しい」について考えてみたい。 友人の存在は、思春期の発達過程にとって大事な要素だ。友情から育まれる成長は、恋愛や勉強やスポーツによるそれとひけをとらない。 「友達が欲しい」と言う人に対するアドバイスとして、「まずはどこかのコミュニティに属して…」とか「同じ趣味の人を見つけて…」とかが

          友達が欲しい人が多いのに、その人同士で友達にならないワケ

          政府の少子化対策はほぼ効果ない 〜少子化の本質的な原因とは〜

          私は先日の記事で、少子化の本質的な原因は教育コストの高騰ではないと述べた。 今日の記事は、それに対するアンサーである。少子化の本質的な原因がどこにあるのか、私なりの考えを書いてみたいと思う。 少子化の原因は様々な側面から語られることが多い。先に述べた教育コストの高騰はもちろん、核家族化による見守り手の不足、女性の社会進出による晩婚化など。また、結婚した夫婦にできる子供の数はそれほど減ってないため、非婚化こそが少子化の原因であると述べる声もある。 だが、それらの原因は、少

          政府の少子化対策はほぼ効果ない 〜少子化の本質的な原因とは〜

          少子化を防ぐには、大学生を減らすことが先決だ

          今の日本における最大の国難は、少子高齢化だろう。 少子化の原因は様々な理由で語られることが多い。とりわけ多いのが、「こども一人当たりにかかる教育コストが高い」だ。子供の教育費を考えたら、2人も3人も生むわけにはいかない――と。常識的に考えて、女性が人生に2人以上こどもを生まなければ人口は減っていくのだから、これでは困る。 実を言うと私は、少子化の根本的な原因は教育コストではないと考えている。それはいずれ別の記事で書くつもりだ。だが、私の考えが独りよがりかもしれないので、こ

          少子化を防ぐには、大学生を減らすことが先決だ